「スクール・パリ2015」勉強会の概要 および資料


気候変動新枠組み交渉合意に向けたシリーズ勉強会

WWFジャパンでは、複雑化する温暖化の科学や国際交渉について、日本の視点から今もっとも大切だと思われる論点を整理し、ジャーナリストの皆様と意見交換させていただくシリーズ勉強会を、2008〜09年の「スクール・コペンハーゲン2009」から昨年の「スクール・リマ2014」まで6年半にわたって開催してきました。2015年度はいよいよパリCOP21に向けて「スクール・パリ2015」として開催します。(2015年11月19日 最終更新)

これまでの勉強会の概要 および資料

こちらのサイトでは、過去の勉強会で使用している資料を公開しています。

国際交渉の内容は日に日に更改されていきますので、同じ内容につきましては、常に最新の情報をご確認ください。

2015年「スクール・パリ」の勉強会の概要 および資料

第10回 COP21直前、パリへ向けての総まとめを実施!(2015年11月19日)

2015年11月30日から12月11日まで、フランス・パリで、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)、京都議定書第11回締約国会議(CMP11)が開催されます。そのCOP21を直前に控えて、パリにおける論点をまとめた最後の直前講習会を行ないました。

COP21で使われる交渉テキストをベースとして、テキストの中から注目点を抽出し、具体的にその論点と対立点を、WWFジャパンの山岸尚之と小西雅子が解説しました。

■配布資料

パリCOP21の論点のまとめとCOP21のプロセス

第9回 パリ合意に向けての法的形式について、注目ポイントを解説(2015年11月13日)

フランス・パリで開催されるCOP21がいよいよ近づいてきました。なんとかパリ の新枠組みは合意されそうですが、果たしてその新枠組みが、京都議定書のような法的拘束力のある強い合意になるのか、それともカンクン合意のような弱い自主的な合意に留まってしまうのか、はたして京都 議定書を批准しなかったアメリカはどんな法的な形式の新枠組みだったら合意できるのか?法的拘束力のある新枠組みを強く主張する欧州連合の落 ち着きどころは?新しく台頭してきた 途上国グループAILACやAOSISの戦略は?そして日本は?COP21を前にした今回のスクール・パリでは、国際環境法学の第1人者、名古屋大学の高村ゆかり先生をお招きして、パリの合意でありえる法的形式の種類と違い、そしてその可能性についてわかりやすくご講義いただきました。

■配布資料

第8回 ボン準備会合(ADP2.11)の報告と新テキストの分析 浮上する石炭問題とCOP21について(2015年11月5日)

年末にフランス・パリで開催されるCOP21に向けて、2015年に予定されていたすべての準備会合が終了しました。10月に開催された準備会合(ADP2.11)では、当初用意された20ページの共同議長テキスト案には、途上国側から強い反対が出され、最終的に60ページに膨れ上がりました。しかしその分バランスはとれて、COP21に向けてどこが争点なのか、オプションとして明示される形にはなりました。その交渉報告と新テキストの分析をボンADP2.11に参加したWWF山岸尚之が行いました。
また、化石燃料の中でも最もCO2排出量の多い石炭が、温暖化対策に逆行するとして国際交渉の中で次第に大きな注目点になりつつある中で、特に日本が進める石炭の公的支援に対して、国際社会の関心が集まっています。COP21でも争点となりそうな石炭問題について、ボンADP2.11にも参加された気候ネットワークの平田仁子さんと「環境・持続社会」研究センター(JACSES)の田辺有輝さんが解説しました。
今後の国際社会の中で石炭問題が扱われるのか、そして石炭の公的支援に対するOECD諸国のポジションや交渉の動向などをまとめてお伝えしました。COP21の隠れた争点となりそうな石炭問題について、全容を把握するいい機会となりました。

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第7回 8月のボンADP2.10の報告と10月5日に出された新しい議長テキストの分析(2015年10月9日)

年末にフランス・パリで開催されるCOP21に向けて、2020年以降の新しい温暖化対策の国際枠組みに関する議論が急ピッチで進められています。8月にドイツ・ボンで開催された準備会合(ADP2.10)では、遅々とした歩みながらも、議論が整理されつつあります。ADP2.10では、「差異化」がはじめて真正面から取り上げられ、各会議ごとに出された宿題に各国が取り組んで、議論を進展させようという機運が盛り上がっています。もちろんまだまだ収れんの様子を見せない形ではありますが、真正面から議論されるようになってきたことは、パリにおける合意に向けて各国が真剣に交渉に取り組んでいることを示しています。その他の重要論点を含め、8月ボン会合に参加したWWF山岸尚之が報告・解説しました。

ADP2.10の成果は作業ドキュメント(2015年9月8日バージョン)にまとめられており、10月5日には、次に10月19日から23日にボンで行われる最後の準備会合ADP2.11へ向けて、新たな議長テキストが発表され、この新たな議長テキストをベースに、パリに向けた課題も解説しました。

また今回は、今まで温暖化の国際交渉に携わっていなかったジャーナリストの方向けに、これだけは押さえておきたいという基礎を、WWF池原庸介がわかりやすく解説する基礎編を開催しました。

■配布資料

■関連動画

池原庸介

山岸尚之

第6回 7月24日に出された共同議長の交渉テキスト案について緊急勉強会(2015年7月28日)

年末にフランス・パリで開催されるCOP21に向けて、2020年以降の新しい温暖化対策の国際枠組みに関する議論が急ピッチで進められています。6月の国連準備会合(SB42&ADP2.9)において、パリにおける合意の案となる交渉テキスト案を、共同議長が作成することになりました。そのテキスト案は、8月から始まる次期準備会合(ADP2.10)で進められる交渉のベースとなるもので、次期準備会合を前にした7月24日に提示されました。

この段階では、まだ各国の言い分のすべてが記載されることになっており、最終的なパリの合意の形を予断するものではありませんが、パリへ向けた重要なステップとなります。

見どころのポイントは大きく分けて二つあると思われます。

  1. 共同議長の作成した交渉テキスト案は、意見の大きく異なる各国が、それぞれ自国の意見が反映されていると感じて、今後の交渉のベースとして受け入れられるか?(=受け入れられるようなバランスの取れたテキスト案になっているか?)
  2. パリにおける合意において、根本的な対立点が、交渉できるような形で整理されて示されているか?(=85ページもあってどこから手を付けていいかわからないような交渉テキスト(ボンにおいて示されたテキスト案)から、整理縮小されているか?)

これらの点は、日本政府を含めて各国政府担当官が世界中で検証していくことなので、交渉の行方はわかりませんが、緊急勉強会として、WWFの山岸と小西が皆様と一緒に読み解いていきました。

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第5回 パリCOP21における合意は、『パリ議定書』?それともどんな法的な拘束力をもちうるか?(2015年7月10日)

年末にフランス・パリで開催されるCOP21に向けて、2020年以降の新しい温暖化対策の国際枠組みに関する議論が急ピッチで進められています。6月1日から11日にかけて、ドイツ・ボンで国連気候変動枠組条約のSB42&ADP2.9が開催されました。なんとか年末のパリで合意できるような道筋は確保されつつありますが、果たしてパリにおける合意が、京都議定書のような法的拘束力のある強い合意になるのか、そのためにはどんな課題があるのか、京都議定書を批准しなかったアメリカはどんな法形式を描いているのか、まだ本質的な議論は先送りされています。

また、パリ合意が「2度未満」を達成できる削減量に届くのか、届かなかった場合に、いずれ達成できるようなサイクルを織り込んだ合意になりうるのか、その場合のサイクルにおいて、削減目標の深掘りを可能とする合意の法的な形式としては、どんな形がありうるのか、合意の柔軟性と厳格さの間で、どんなバランスがよいのか、世界は知恵を絞っている最中です。

かなり複雑でわかりにくい、これらの論点ですが、パリCOP21に向けて非常に本質的で重要なポイントで、パリ合意を理解するためには欠かせません。

第5回目のスクール・パリは、国際環境法学の第1人者、名古屋大学の高村ゆかり先生をお招きして、じっくりとパリ合意における法的形式についてご講義いただきました。

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第4回 気候変動に関する国連会議 第42回補助機関会合及びダーバンプラットフォーム特別作業部会第2回会合第9セッション(SB42&ADP2.9)開催を前に、ポイントの整理(2015年5月21日)

年末にフランス・パリで開催されるCOP21に向けて、2020年以降の新しい温暖化対策の国際枠組みに関する議論が急ピッチで進められています。6月1日から11日にかけて、ドイツ・ボンで国連気候変動枠組条約のSB42&ADP2.9が開催されます。その最中の第2週目には、ドイツ南部の町 ガルミッシュ・パルテンキルヒェン近郊のエルマウ城にてG7 サミット(先進7ヵ国首脳会議)も開催されます。

新しい枠組みにおける目標案は、これまでに、EU、アメリカ、スイス、ロシア、メキシコなど9か国から国連に提出されています。日本の温室効果ガスの目標案は、4月30日に経産省と環境省から、試案が発表され、G7か、今回のSB42において、国際社会へ発表されると思われます。これまでに提出された主要な国の目標案は、なぜ自国の目標案が公平で野心的であると考えるかが明示されており、日本がどのように自国の目標が公平で科学的に妥当であるかを説明するのか、注目されます。

また、今回のSB42においては、2020年の日本の目標に向けた取り組みの実施状況についても、イギリスやドイツなど他の先進国と並んで、国際評価・レビュー(IAR)の質疑応答が予定されており、すでに各国からの質問が日本にも届いています。これらにどのように日本が応えていくのでしょうか?

さらに、今回最も注目されるのは、COP21において採択される予定の合意文書のドラフトが、回覧されていることです。これは、2月に開催されたADP2.8における交渉で各国によって作られたものですが、まだ各国の言い分がそのまま並列されている形で、90ページもあります。それを年末までの半年間にどのように整理して、COP21における採択に持っていけるかが、これから半年の焦点となってきます。

第4回目のスクール・パリは、2月のADP2.8に参加したWWF山岸尚之がこれまでの気候変動交渉の概要を振り返り、SB42に参加するWWF小西雅子が注目されるポイントをまとめてお伝えしました。

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第3回 日本の目標案に対する国際的評価とCOP21に向けての交渉論点をWRIの専門家ジェニファー・モーガン氏が解説!(2015年5月15日)

年末にフランス・パリで開催されるCOP21に向けての交渉が6月から、8~9月、10月と立て続けに開催されていきます。日本も、ようやく国別目標案の提出のめどがつきましたが、その目標は「公平かつ野心的」と国際的に評価されるには程遠いものです。

今後、国別目標案の議論も含め、これから交渉はいよいよ具体的なパリ合意の作成に入っていきます。その中に、どのような論点があり、そして、日本は国際的には何が期待されているのかについて、世界的に著名な環境系シンクタンクであるWorld Resources Institute (WRI)で気候プログラムのグローバル・ディレクターを務めるジェニファー・モーガン氏に解説していただきました。モーガン氏は、国連気候変動交渉を京都議定書の時代からフォローしてきた第一線の専門家であり、彼女が率いるWRIのチームが出す研究成果やブリーフィング・ペーパーは、国連交渉に実際に参加する交渉官も読んでいるため、大きな影響力を持ちます。

今回は、彼女が来日する貴重な機会をとらえ、国際的な視点から、論点を解説して頂くと同時に、WRIが主導しているACT2015というプロジェクトについても紹介していただきました。

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ジェニファー・モーガン氏の略歴については、こちらをご参照ください。

第2回 国別削減目標(約束草案)の国際比較の指標について:EUとアメリカを例に(2015年4月17日)

年末にフランス・パリで開催されるCOP21に向けて、2020年以降の新しい温暖化対策の国際枠組みにおける国別削減目標の提出期限3月までに、EUやアメリカ、メキシコなど6か国が国連に提示しました。日本の目標案はやはり遅れていますが、少なくとも6月にドイツで予定されているG7、および国連気候変動枠組条約の第42回補助機関会合の前には提出されなければなりません。はたして2020年以降の新枠組みが産業革命前に比べて2度未満に抑えることが可能なのか、目標案の提出の際には、各国が「なぜ自国の目標案が野心的で公平だと考えるのか」の理由を述べることが要請されています。

6月の会合の後にも、8月、10月には中間会合が予定されており、目標案の提出の後には、会合でのワークショップや非公式な場でも各国や世界の研究機関・NGO等が各国の削減目標案を比較検討していくことになります。比較検討する際にどのような指標をどのように使うかについては、様々な考え方があり、世界共通しての考え方で見ることはほぼ不可能でしょう。しかしそれでも代表的な考え方を理解することは大切です。日本は国際交渉に臨む過去の経緯において、コスト効率に関する指標を重視してきていますが、国際交渉ではいろいろな理由であまり主流の考え方とはなっていません。それはなぜなのか、そして立場変われば、各国がどういった指標を使うことが公平・衡平だと考えているのか、第2回のスクール・パリでは、複雑な国際比較の考え方を、そこで使われる指標とともに、わかりやすく解きほぐして解説しました。わかりやすさのために、目標案を公表した欧州連合(2030年に1990年比で40%削減)、アメリカ(2025年に2005年比で26~28%削減)が示した「なぜ自国の目標が野心的で公平だと考えるのか」の理由を具体例として、日本に当てはめて見ました。

そして、各国の研究機関がこれまでに発表してきた様々な考え方・評価手法をもとに、考え方や指標の違いによる各国の削減目標の幅を見ていきました。

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■参考情報

第1回 2015年はじめての気候変動に関する国連会議「ダーバンプラットフォーム作業部会外2回会合第8セッション(ADP2.8)」の結果と2015年のスケジュール(2015年3月6日)

いよいよ2015年、気候変動の国際交渉にとって非常に重要な年が始動しはじめました。年末にフランス・パリで開催されるCOP21において、2020年以降の新しい温暖化対策の国際枠組みが合意されることになっていますが、交渉の行方は、さらに複雑化している195か国間の対立を背景に予断を許しません。

昨年12月にペルー・リマで開催されたCOP20では、新枠組みの目標について、どんな内容を提出することが求められているのかが決定されました。早々と目標案を公表した欧州連合(2030年に1990年比で40%削減)、アメリカ(2025年に2005年比で26~28%削減)、中国(2030年にピークアウト)の他にも、提出を準備している国々があります。

今や交渉の焦点は、いよいよ実際の新枠組み作りとなってきました。そんな中、開催された2015年第1回目の準備会合ADP2.8では、意外と進展がみられ、新枠組みのドラフトが正式に形作られ始めたのです。つまり、新しい国際条約の文書に合意するための交渉のベースとして、各国の言い分を取り入れたドラフトが、各国が納得して受け入れる形で作られたということで、国際交渉の歩みとしては重要なステップです。もちろん各国の言い分にはそれぞれ大きな隔たりがあり、困難な交渉を予測させるものではあります。

第1回目のスクール・パリは、ADP2.8の結果について、会合に参加したWWF山岸尚之が詳しく解説しました。これまでの交渉についての概要の解説を行う基礎編も開催しました。

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