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メダカが育つ水田を取り戻そう!小田原市でメンバー募集中(3月22日)


今年も春の気配を感じられる季節になってきました。田んぼの周辺では、芽吹いた草花が畔を彩り、カエルや昆虫など水辺の生き物たちが姿を見せ始める頃です。

しかし、日本の原風景である水田のある里山は、耕作放棄地の増加や開発などにより、近年減少しています。かつては身近にいた野生生物の多くが、今、絶滅の危機に瀕しています。その代表例が、童謡にも歌われているメダカです。

神奈川県小田原市に生息するミナミメダカ。絶滅危惧ⅠA類 (CR)(東京都・神奈川県・群馬県・沖縄県)、絶滅危惧Ⅱ類 (VU) (環境省)。
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(冒頭のメイン画像ともに)神奈川県小田原市に生息するミナミメダカ。絶滅危惧ⅠA類 (CR)(東京都・神奈川県・群馬県・沖縄県)、絶滅危惧Ⅱ類 (VU) (環境省)。

全国でメダカの生息地が次々に失われていく中、童謡「メダカの学校」の舞台である神奈川県小田原市では「市の魚」に指定され、市内の鬼柳・桑原地区には、県内最後のミナミメダカ個体群の生息地が残されています。これは、水田を維持されてきた農業者の方々、「メダカをまもろう」という熱意にあふれた市民の皆さん、魚類研究者、そして小田原市役所の職員の皆さんの長年にわたる努力の成果です。

しかし、この小田原市のメダカ生息地も、コメ作りの継続が困難になったり、新たな開発の影響によって、今後の存続が危うくなっています。

こうした事態を受け、2024年に小田原市役所内に特命プロジェクトチームが設置され、産業用地の創出と自然環境が調和した保全と整備を目指し、様々な取り組みを進められています。

このたび、このチームの方々から、「フクデンジャー」募集のお知らせを頂きました。対象は子どもから大人まで、年間を通して農作業体験(田起こし、田植え、草取り、稲刈り等)に参加し、休耕田を復活する取り組みです。

最初の活動となる「春の田起こし」を3月22日に現地で開催される予定で、この日はスポット参加も可能とのことで、市内外から広く参加を募集中です。
申込み方法や詳細については、下記のチラシ(年間を通じた参加と当日スポット参加の2種類あります)をご参照ください。

「フクテンジャー」(年間参加)募集ちらし

「フクテンジャー」(年間参加)募集ちらし

「フクデンジャー」(スポット参加)募集ちらし

「フクデンジャー」(スポット参加)募集ちらし

問い合わせ先:
主催者:桑原農援会(代表 奥津洋一 連絡先:090-1790-3854)
協力:小田原市
経済部産業政策課 白井直士
   経済部農政課 内田涼大
E-mail:norin@city.odawara.kanagawa.jp
TEL:0465-33-1575/FAX:0465-33-1286

私たちWWFチームも対象地をご案内頂いたことがあります。東京から電車で日帰りできる距離ですが、そこには、日本国内で「絶滅危惧種」になりつつある里山の風景が広がっていました。酒匂川近くに位置する水田地帯は、空気は清澄で、富士山を望め、メダカなど水辺の生きものがすむ小川が流れる素晴らしい環境でした。

小田原市「フクデンジャー」募集中の休耕田周辺の冬の景色。
© WWF-Japan

小田原市「フクデンジャー」募集中の休耕田周辺の冬の景色。

この取り組みは、世界的に最も減少が著しい淡水生態系の保全につながる、まさにネイチャー・ポジティブの実践であり、SDGs(国連持続可能な開発計画。水資源、陸域・海域の自然資源の保全に関するNo. 6, 14, 15 Goals等 )の達成にも貢献するものです。

この重要な活動の輪が広がり、貴重な小田原のメダカ生息地が将来にわたりまもられることを心から願っています。

(野生生物グループ 小田倫子)

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自然保護室(野生生物)
小田 倫子

弁護士として10年間稼働後、家族の転勤に伴い沖縄県名護市に居住したことを契機に、自然保護の仕事を志し大学で保全生態学を専攻、2013年WWF入局。法人パートナーシップ担当として生物多様性保全・気候危機対策に関する企業との協働プロジェクトの提案・実施業務を担当後、野生生物グループに異動、今は国内希少種を保全するフィールドプロジェクトを担当。
学士(法学・農学 東京大学)
法学修士(カリフォルニア大学バークレー校)

国内希少種の宝庫である南西諸島で主に活動しています。フィールドで生き物に出会い、その美しさ・不思議さを仲間と分かち合える瞬間が至福の時。趣味は里山散策と水生生物の観察。

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環境保全団体です。

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