世界カメの日に寄せて
2026/05/23
5月23日は、米国のカメ保護団体の提唱により設定された世界カメの日です。
カメに関する神話は世界中にあり、多くの地域で長寿の象徴として親しまれ、信仰の対象にもなっています。その一方、カメ目の多くの種が深刻な危機に直面しています。生息地の劣化に加え、薬用・食用、ペットとしての需要も一因です。日本はペット目的のカメの輸入大国であると同時に、輸出国でもあります。特に南西諸島の固有種などは人気が高く、海外市場で高値で取引されています。

沖縄島北部といくつかの離島にのみ生息する絶滅危機種リュウキュウヤマガメ(Geoemyda japonica)は、国の天然記念物であり、国内希少野生動植物種にも指定されています。殺傷や捕獲はもちろん、移動させるにも個別に許可を得る必要があります。運よくやんばるで野生の個体を見つけても、そっと観察するだけにしましょう。
高い需要を背景に、固有のカメは、密猟・違法取引のターゲットにもなっています。今月も国内のペット事業者が「文化財保護法」や「種の保存法」で保護されているリュウキュウヤマガメを密猟し、違法に外国人に販売した容疑で逮捕される事件が起きました。こうした行為は野生個体の減少を招き、種の存続を脅かします。
では、飼育下で繁殖された個体であればペット利用することに問題ないか、と言えばそうではありません。野生捕獲であれ、飼育下繫殖であれペットとして飼われていたカメが遺棄される、または逃げ出すことで、外来種となり在来の生態系へ影響を与える問題も起きています。

アカミミガメ(Trachemys scripta)は、2023年6月に条件付特定外来生物に指定され、輸入、取引(含無償頒布)、野外への放出が厳しく規制されました。どんな種でも飼育している動物を遺棄するなんてもっての外ですが、本種の場合は、遺棄や不適切な管理による逸走に対し、法律で3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方という罰則が規定されています。
カメは長寿な生きものです。一度飼い始めたら、何十年にもわたり命と向き合う責任があります。飼いたいと思ったカメの生息環境や保全の課題を理解した上で、本当にそのカメの生涯にわたり適切に世話ができるかを見極めることが必要です。

エキゾチックペットガイドには、ペット利用される哺乳類、鳥類、爬虫類及び両生類の生態やペットの適否に関する情報が掲載されていて、種名や分類群で検索できます。
WWFジャパンのエキゾチックペットガイドには、現在、人気の高いカメ6種が掲載されています。
カメを飼いたいと思っている人もそうでない人もカメという生きものを知り、その未来を守る行動を考える世界カメの日にぜひサイトを見てみてください。



