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施行から50年、ワシントン条約その役割と日本の責任:CoP20を終えて

この記事のポイント
2025年11月24日から12月5日にかけて、野生生物の国際取引を規制する「ワシントン条約(CITES)」の第20回締約国会議が開催されました。施行開始から50年を迎える同条約では、締約国が180を超え、規制の枠組みが浸透しています。一方で、各締約国が効果的に運用していくための仕組みづくりが進み、新たな課題が出てきています。今会議では、どのような議論と決定がなされたのか、日本に関わる議題を中心に、解説します。
目次

ワシントン条約第20回締約国会議の概要

2025年11月24日から12月5日まで、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:CITES)の第20回締約国会議(CoP20)がウズベキスタンで開催されました。

中央アジアで初の開催となった、今回のCoP20には、164の締約国の政府代表ら約3.500名が参加し、114の議題が話し合われました。

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CoPで最も注目される議題の一つであり、締約国が影響を大きく受ける、取引規制の対象を掲載した「附属書」の改正については、50の提案について採否が決まり、82分類群の動植物が新たに規制対象として加わったり、規制が変更されました。

各動植物の附属書改正の採否は、今後の種の保全と、野生生物取引の持続可能性を担保する上で、最も注目されるポイントです。

また、これと同時に、ワシントン条約の規定を各締約国が施行する上の手引きとなるルールや定義などを定めている「決議(Resolution)」や「決定(Decision)」の決議もとても重要です。

CoP20では、こうした運用上の規定が353採択されました。

日本に関わりの深い議論の行方

ウナギに関わる議論:附属書改正提案

今回最も注目の集まった議論のひとつに、「ウナギ属全種」を附属書Ⅱに掲載する、という附属書改正提案がありました。

ヨーロッパウナギ[Anguilla anguilla、IUCNレッドリスト:CR]
© Erling Svensen / WWF

ヨーロッパウナギ[Anguilla anguilla、IUCNレッドリスト:CR]

ウナギ(Anguilla)属17種のうち取引による影響が高いとして2007年、ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)が附属書Ⅱに掲載されました。国際取引の規制は2009年より開始され、また、ヨーロッパは2010年以降EU域外への輸出を禁止しました。

その後、アフリカ地域からの過剰な輸出や、違法行為(違法な採捕や密輸)が横行していることが指摘され続けてきました。

資源量の回復に懸念が大きいこと、また、商業レベルの完全養殖が確立できていないことや、稚魚や加工品におけるヨーロッパウナギとそれ以外のウナギ属の種の識別が困難なことも背景に、CoP20では、日本が多く消費しているニホンウナギ(Anguilla japonica)やアメリカウナギ(Anguilla rostrata)を含む、ウナギ属17種全部を規制対象にする、ということが提案されました。

ウナギに関わる議論:ワシントン条約の効果的な運用とは

ワシントン条約の運用上の規定として「類似種」という考え方があります。

ワシントン条約の規制を逃れるため、掲載種が、規制されていない種と偽って輸出入される例があります。外見で種の違いが判別しにくい場合、そのリスクが高まります。

こうした違法取引を防ぐには、輸出入の要である税関によるチェックが重要となりますが、外見による種の識別が困難な場合に備えて、条約には「類似種(look-alike)」として、規制対象種と「類似」の種について附属書IIに掲載できるという規定があります。

また、ワシントン条約の附属書Ⅱ(対象種のおよそ96%を占める)については、取引を禁止するのではなく、輸出国が合法性と持続可能な取引であることを確認した上で許可書を発行し、モニタリングできる仕組みを構築しています。

ワシントン条約の規定に則って、取引実態を把握することに意義があります。

しかし、CoP20におけるこの「ウナギ属(Anguilla)全種を附属書Ⅱに掲載する」提案は、反対多数により否決されました。

CoPの審議では、各締約国が提案への賛成、反対などを理由と共に見解を示し提案の採否を決めていきます。

今回、ウナギの附属書改正提案に対しては、アフリカ諸国が「アフリカ地域」の統一した見解として反対を表明するなど、まとまった意見の統一が図られる場面もあり、審議の舞台裏で交渉が進んでいたことがうかがえます。

ウナギに関わる議論:今後求められること

今回、ワシントン条約の附属書にウナギ(Anguilla)属全種の掲載はされませんでしたが、一方で、運用上の規定を定める「決議(Resolution)」が新たに策定・採択されたことは、保全の観点で一歩前進したと言えます。

採択された決議は「ウナギ種の取引、保全および管理(Trade, Conservation And Management Of Anguillid Eel Species (Anguilla spp.)」として、既存の附属書掲載種であるヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)に留まらない、ウナギ(Anguilla)属全体の取引に対する取り組みを締約国に求める内容になっています。


【CITES CoP20の結果】
新たに採択された「決議(Resolution)」に盛り込まれた内容抜粋:
締約国への推奨事項

  • トレーサビリティと執行措置向上のために、関係国間での情報共有強化をすること
  • 資源状況を関連機関と共有し、定期的に評価・更新すること
  • 国内・地方・流域レベルでのウナギ管理計画を策定すること
  • 生息地の喪失、汚染、寄生虫、疾病、外来種、気候変動など、漁獲以外の脅威に対応し、実施済または検討中の保全措置について共有すること

日本は、世界で一番ウナギを消費、輸入している国です。

最も多く消費しているニホンウナギ(Anguilla japonica)については、養殖用の稚魚(シラスウナギ)を輸入に頼り、過去10年間では16%から最大で76%を輸入でまかなっています。

また、国産のシラスウナギのうち、無報告の由来の不明なシラスウナギは10%から最大52%にのぼることが指摘されています。

今回、規制対象とならなかったことで日本は、より、各取引の合法性やトレーサビリティをしっかり担保する仕組みづくりを、関係国と連携して進めることが求められます。

■ウナギに関する最新の報告(WWFジャパンの取り組み)
https://www.wwf.or.jp/press/5981.html

ペット利用される動物に関わる議論:附属書改正提案

ペットとして利用される種は多様かつ、取引量の増加が顕著に見られ、中には野生由来の個体も多く含みます。

また、絶滅のおそれが指摘されている種や、密輸の押収報告がされている種が含まれていることが確認されています。

ガラパゴスリクイグアナ[Conolophus subcristatus、IUCNレッドリストVU]:CoP20で附属書Ⅱから附属書Ⅰに変更し、規制を強化する提案が採択された。ペットが主な脅威としての提案ではなかったものの、ペット利用による違法取引の懸念も指摘されている。
© Y.-J. Rey-Millet / WWF

ガラパゴスリクイグアナ[Conolophus subcristatus、IUCNレッドリストVU]:CoP20で附属書Ⅱから附属書Ⅰに変更し、規制を強化する提案が採択された。ペットが主な脅威としての提案ではなかったものの、ペット利用による違法取引の懸念も指摘されている。

前回のCoP19(2022年)では、提出された52の附属書改正提案の約半数の26が、ペットとして利用されている野生動物種についての提案でした。

CoP20では、提案数こそ多くなかったものの、日本でも流通実績のある4種・属を新たに附属書に掲載する提案、1種は規制を強化する(附属書ⅡからⅠへの移行)提案が出され、いずれも採択されました。

【CITES CoP20の結果】
新たに附属書Ⅱへ掲載:

  • ナキサイチョウ(Bycanistes)属
  • マウントエリオットリーフゲッコー(Phyllurus amnicola :オーストラリア固有のトカゲ)
  • リングテールリーフゲッコー(Phyllurus caudiannulatus :オーストラリア固有のトカゲ)

新たに附属書Ⅰへ掲載:

  • ハイチギャリワスプ(Caribicus warreni :ハイチ、ドミニカ共和国固有のトカゲ)

附属書ⅡからⅠへ移行(規制を強化):

  • ホームセオレガメ(Kinixys homeana )

特に附属書Ⅱから附属書Ⅰへ移行された種については、既に日本国内に輸入され流通している個体が存在するため注意が必要です。

日本の野生生物の取引を規制している法律、種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)では、ワシントン条約附属書Ⅰの動植物は原則取引が禁止されています。

ただし、ワシントン条約の規制が発効する前に輸入した個体、その個体から繁殖させた個体については、個体ごとに種の保存法に従った個体登録をすることで例外的に私的・商業的な取引が可能になります。

こうした種については、日本の市場で取引をする際にはしっかりと、その由来の合法性を確かめるなど、事業者や消費者が認識していくことが重要となります。

ペット利用される動物に関わる議論:ワシントン条約の効果的な運用とは

また、ワシントン条約の運用上の課題としても、飼育下繁殖個体の創始個体(繁殖させるために野生から捕獲した個体)の合法性をどう確認し、担保していくか、という問題があり、仕組みづくりの議論が進んでいます。

特に、既に絶滅のおそれが高いとされている附属書Ⅰの種や、取引圧など環境変化に脆弱な固有種の野生捕獲個体を飼育下繁殖個体と偽って取引されるケースが散見されています。

こうしたことから、CoP20においては、いくつかの推奨事項が新たに採択されました。

【CITES CoP20の結果】
新たに採択された「決定(Decision)」の内容抜粋:
事務局への指示事項

  • 飼育下繁殖の追跡および管理データベースを開発し、試験運用や維持することを検討すること
  • 締約国から固有種に関する懸念事項などの情報を収集して情報提供を行なうこと

締約国への推奨事項

  • 原産国からの情報がない固有種の取引について、輸出に関する許可書や証明書を発行・受理する前に原産国と協議すること

ペット利用される動物に関わる議論:今後求められること

ワシントン条約や日本の法律による規制が強化されれば、保全において高い効果が期待できますが、それらが成立するまでには時間を要します。

野生生物の生息国において、密猟や密輸出の防止などを含めた、保全の対策が確実に行なわれる必要がありますが、消費国においても、由来の合法性の確認など、持続可能な取引を担保する責任があります。

また、日本を含む消費国において、大規模に行なわれるペットの流通を賄なえる繁殖個体のストックがあり、飼育下の繁殖技術が確立されている動物種の例は多くありません。

野生からの捕獲が続く限り、絶滅や生態系の劣化のリスクは高まり続けることになるのです。

野生動物をペットとして求める消費者や販売する事業者、それぞれの立場からこの問題を考えて、取り組むことが重要です。

■ペット取引最新の調査報告(WWFジャパンの取り組み)
https://www.wwf.or.jp/activities/lib/6007.html

アフリカゾウに関わる議論:附属書改正提案

ワシントン条約の中でもアフリカゾウ、そして象牙に関する議論は、条約設立時(1973年)から注目されるテーマの一つです。

アフリカゾウ:2020年、IUCNでサバンナゾウ[Loxodonta africana、IUCNレッドリスト:EN]とマルミミゾウ[Loxodonta cyclotis、IUCNレッドリスト:CR]2種に分類が分けられた後、ワシントン条約での分類について議論されていたが、2種として分けることがCoP20で採択された。
© Eric Baccega / naturepl.com / WWF

アフリカゾウ:2020年、IUCNでサバンナゾウ[Loxodonta africana、IUCNレッドリスト:EN]とマルミミゾウ[Loxodonta cyclotis、IUCNレッドリスト:CR]2種に分類が分けられた後、ワシントン条約での分類について議論されていたが、2種として分けることがCoP20で採択された。

アフリカゾウはアフリカ37カ国に生息し、それぞれに個体数の推移や、抱える課題に違いが生じており、統一した見解を持つことが難しい状況にあります。

その一つに、アフリカゾウの附属書分割掲載があります。

アフリカゾウの個体数は全体的には減少傾向にありますが、70%以上が生息するアフリカ南部には安定、または増加傾向にある地域があります。

そして、現在のワシントン条約では、このアフリカ南部のボツワナ、ナミビア、南アフリカ、ジンバブエの個体群だけが附属書Ⅱに掲載され、その他の個体群は附属書Ⅰに掲載され、分割された掲載状態にあります。

ただし、附属書Ⅱに掲載されている個体群に対して付された注釈による規定によって、未加工の象牙取引はできない状況にあります。

このため、CoPが開催される度に、アフリカ南部の国から象牙取引再開に向けた提案が出され、議論が繰り返される状態が続いています。

取引再開を望む国は、象牙の在庫管理にかかる費用や、アフリカゾウの保全資金を捻出するのに苦労しているといった背景もあり、取引から得られる利益に期待している向きがあります。

実際、今回のCoP20においては、ナミビアが自国の未加工象牙(政府が管理する密猟由来ではない象牙のみを対象とする)の取引再開を求める提案をしていましたが、否決されました。

過去のCoPにおいても同様の提案が他のアフリカ南部諸国から出されてきましたが、いずれも否決されています。

否決の理由としては、象牙の密輸や、象牙目的のアフリカゾウの密猟が止まない状況下にあるということ。

また、近年消費国側で進む需要削減の観点から象牙市場を閉鎖するといった取り組みの努力を台無しにする、との見解が主流であり、他の締約国から賛同を得られていません。

アフリカゾウに関わる議論:ワシントン条約の効果的な運用とは

一方で、アフリカゾウにおいては、ワシントン条約の下、2つのモニタリングの仕組みが構築されているため、他の動植物と比較しても対策が進んでいると言えます。

一つは、ゾウの密猟の傾向を監視する「MIKE(Monitoring the Illegal Killing of Elephant)」、2000年から運用がされています。

密猟のレベルや地域ごとの懸念の度合いを明らかにして、生息国が適切な管理や施行ができるよう促すのに役立っています。

もう一つは、象牙の違法取引の傾向を分析する「ETIS(Elephant Trade Information System)」、1997年から運用がされています。

データの分析から懸念国を特定し、懸念度の高い国には、適切な措置を講じるための行動計画の策定が勧告され、進捗の確認を行なっていきます。

こうした運用面での仕組みが進んでいることから、近年、新たな課題が出てきています。

この、懸念国を特定するためのプロセスや手法について、疑義を唱える締約国が出てくるなど、現在、手法や選定基準の見直しをするなど仕組みの再構築が進んでいます。

CoP20では、新たな分析手法が提案されましたが、採択にはいたらず、引き続き検討していくことが決議されました。

こうした仕組みを支えるのは、各締約国が、対象となっているデータをしっかり記録し、適切に報告することが重要です。

アフリカゾウに関わる議論:今後求められること

MIKEやETISの分析などを経て、横行するアフリカゾウの密猟や象牙の違法取引の実態が明らかになっていき、懸念のピークを迎えた2013年頃から、取り組み強化の声が高まりました。

このことから、ワシントン条約では、2016年に「ゾウの密猟や象牙の違法取引に寄与する国内象牙市場については閉鎖を勧告する」決議を採択しました。

以降、国際取引に留まらず、国内の象牙市場の在り方が問われるようになり、自国内での象牙取引を禁止するなど、国内法を整備する動きが加速しました。

日本は、1989年以前に合法的に輸入をした象牙の在庫が多数存在することから、この在庫を利用した国内取引が認められており、法的にも合法的な形で現在も象牙の売買を行なうことができます。

そんな中、日本にある在庫象牙が違法に海外に流出する事件も発生し、国際的に日本の象牙市場が問題視されてきました。

CoP20においては、国内の象牙取引を禁止するための法的措置を講じるように促す勧告が、日本向けに提案されていました。

提案は否決されましたが、指摘を受けたこと自体を重く受け止める必要があります。

また、密猟や違法取引に寄与しない国内象牙市場を担保するための措置や取り組みについて報告する規定(決定:Decision)がCoP18(2019年)で採択されています。

決定はCoPごとに改訂・更新したり、削除したりするものですが、CoP19に続き、CoP20でも更新され、引き続き象牙市場のある国、日本には、この報告規定が課されていくことが決議されました。

2025年6月には、象牙をマンモスの牙と偽って販売した象牙取り扱い事業者が逮捕(不正競争防止法違反)される事件も発覚しています。

今後は、象牙を取り扱う事業者の実態や、国内で縮小する需要など、日本の国内象牙市場について適正な評価をして、象牙市場の在り方を見直す必要があります。

■日本の象牙取引の課題(2020年WWFジャパンまとめ)
https://www.wwf.or.jp/activities/project/3656.html

その他注目すべき会議の結果

保全上の進捗:附属書改正提案

CoP20では、保全上の成果が認められた進捗も確認できました。

附属書改正提案において、規制強化ではなく、逆に保全が進んだいくつかの野生動植物種について、取引規制を緩和するダウンリスティングや、附属書リストからの削除が合意されたのです。

国際取引規制が掲載種の保全の成功に貢献したことを意味する改正です。

【CITES CoP20の結果】
附属書Ⅰから附属書Ⅱへのダウンリスティング(規制緩和)

  • グアダルーペオットセイ(Arctocephalus townsendi)
  • ハヤブサ(Falco peregrinus)
  • マキ科の木材種(Podocarpus parlatorei)

附属書Ⅱから削除(規制解除)

  • ボンテボック(Damaliscus pygargus pygargus)

附属書Ⅱの一部個体群を除外(規制緩和)

  • サイガ・タタリカ(Saiga tatarica):カザフスタンの個体群(角に限定して取引が可能に)
サイガ・タタリカ[Saiga tatarica、IUCNレッドリスト:NT]:角が伝統薬の原料として利用されている
© WWF-Mongolia

サイガ・タタリカ[Saiga tatarica、IUCNレッドリスト:NT]:角が伝統薬の原料として利用されている

喜ばしい進捗:ジャガー保全

ジャガーは、1975年から附属書Ⅰに掲載されていますが、その生息域の森やサバンナはすでに50%が失われ、密猟や違法取引も継続した脅威となっています。

こうした危機的な状況を打開するため、2025年9月、ジャガー生息国と保全関連の国連機関が集まり会議が開催されました。

ここでは、ジャガー保全に関する長期的な施策が検討され、さまざまな取り組みに向けた文書が合意され、その一つが、ワシントン条約の決議(Resolution)案でした。

CoP20では、この決議案に対する審議が行なわれ、採択されました。

【CITES CoP20の結果】
新たに採択された「決議(Resolution)」に盛り込まれた内容抜粋:
ジャガー生息国への推奨事項

  • 国際取引の合法性担保を強化する措置を講じること
  • 法執行機関による違法取引対策を強化すること(遺伝子検査や法医学的技術、金融調査の導入など)
  • ジャガーと人との軋轢の問題について、報復的なジャガーの殺害を防止するための措置を講じること
  • ジャガーが商業目的で飼育されることがないようにより厳格な国内措置の適用を検討すること
  • 密猟を軽減させるための、需要削減プログラムや行動変容プログラムを実施すること
ジャガー[Panthera onca、IUCNレッドリスト:NT]:WWFジャパンがWWFブラジルと共に進めている活動では、ジャガーの生息状況の調査や、人との軋轢の課題解決に向けた取り組みをブラジル北部のアマパ州で実施している。
© Don Getty

ジャガー[Panthera onca、IUCNレッドリスト:NT]:WWFジャパンがWWFブラジルと共に進めている活動では、ジャガーの生息状況の調査や、人との軋轢の課題解決に向けた取り組みをブラジル北部のアマパ州で実施している。

■アマゾンでのジャガー保全(WWFの取り組み)
https://www.wwf.or.jp/activities/achievement/6085.html

条約の施行50年を迎えて:今後の課題

施行開始から50年を経たワシントン条約は、締約国・地域が185を数え、規制対象となる附属書掲載は4万種を超えました。

取引規制の枠組みは整い、運用レベルの検討が進む中、CoPでの議題の数は年々増加し、また、採択される決定や決議も非常に多くなっています。

規定が決議されていくことは保全施策の促進でもある反面、運用をしていく各締約国や、管理する条約事務局の作業量や負担が拡大していくことを意味します。

CoP20では、各決定の実施の優先順位をつけるアプローチの検討をしていくことが決まったほか、運用上の能力強化の必要性などから、各締約国から拠出される運営費予算を6.98%増額することが合意されました。

また、野生生物が生息する多くの発展途上国において、先住民族や地域住民などの声を議論に反映させる仕組みづくりや、自然資源を持続可能に利用していくことと保全強化の施策の間で、合意形成には時間がかかり、決議されなかった議題もあります。

さらに、各締約国の国内取引にかかる規定を設ける提案もあり、国際取引を規制するワシントン条約の範囲を超えるものとして反対する国と、保全施策を積極的に促進させる意欲のある国とで意見が割れてしまう場面も見受けられます。

ますます拡大、複雑化していく野生生物取引において今後は、国内取引と国際取引の繋がりを把握し、双方に効力を発揮する措置を講じることや、締約国間の協働が不可欠となっていきます。

日本は野生生物の輸入大国であり、多種多様な種を利用し、世界中の生物多様性に影響を与えています。

国際取引の規定を遵守するのはもちろんのこと、自国内の野生生物の流通の実態をモニタリングする仕組みづくりや、予防的な観点で措置を講じることを積極的に検討していくことが必要です。

WWFジャパンは、市場の実態把握や政策提言、関係する民間セクターへの働きかけを続けていきます。

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