© Chris Gomersall / naturepl.com / WWF

ジャガーと人のより良い共生に向けて:ワークショップを開催!


WWFがブラジル・アマゾン地域に位置するアマパ州を中心に進めているジャガーの保全活動。

生態系の頂点に立つジャガーを守ることは、この動物が暮らす環境そのものを守ることにつながります。
多様な動植物が生息し、大量の二酸化炭素を吸収することから「地球の肺」とも呼ばれるアマゾンの熱帯雨林を維持することは、地球全体にとっても大きな意味を持ちます。

しかし、われわれが保全活動を進めるうえで、一つの大きな困難に直面しています。それは、ジャガーと現地に暮らす地域住民との衝突-いわゆる「あつれき」の問題です。

ジャガーが家畜を襲う害獣として駆除されてしまうことを減らし、保全施策を効果的に推進するためには、地元政府や地域住民の理解を得てあつれきの問題を解決する必要があります。

そこで、2026年6月17日・18日の2日間に渡って、WWFはアマパ州環境事務局と共同で「大型ネコ科動物による家畜被害の予防管理と対応」と題した研修型ワークショップを開催しました。

©WWF-Brazil

このワークショップには、中央政府・地元政府の職員、保護区の職員、研究者、そのほか野生生物の管理・保護に携わる専門家35名以上が参加しました。

また各種動物の足跡や捕食痕跡の特定、カメラトラップ(赤外線カメラ)の活用、予防措置、アマゾンの実情に沿った対応手順など理論と実践を組み合わせたセッションが行なわれました。
特に地域住民とのあつれきの大きな要因である家畜の捕食問題解決のため、痕跡から捕食した動物を正しく識別する能力向上や、ジャガーやピューマに対する報復行為の軽減に重点が置かれました。

家畜被害は、実際には飼い犬や野犬、その他の動物によって引き起こされているケースも少なくありません。しかしジャガーやピューマがやったに違いないと誤認する住民も多く、捕食動物の識別能力を高め理解を促すことが重要です。
© Jim & JinYoung Jayson/University of Arizona Wild Cat Research Center

家畜被害は、実際には飼い犬や野犬、その他の動物によって引き起こされているケースも少なくありません。しかしジャガーやピューマがやったに違いないと誤認する住民も多く、捕食動物の識別能力を高め理解を促すことが重要です。

本ワークショップ開催にあたっては、事前に地域住民のコミュニティを訪問。彼らのジャガーやその他野生動物に対する認識を確認すると共に、共存のための介入を行なうべき優先地域特定につながりました。
©WWF-Brazil

本ワークショップ開催にあたっては、事前に地域住民のコミュニティを訪問。彼らのジャガーやその他野生動物に対する認識を確認すると共に、共存のための介入を行なうべき優先地域特定につながりました。

ワークショップ終了時には各参加者の知識レベルは大きく向上し、今後それぞれの自治体や管轄地域での普及啓発が行なわれる見込みです。

また2日間に渡る活動を通じて、行政や研究者、法執行機関や保護区管理者の関係ネットワークが強化され、今後のジャガーの保全活動に活かされることが期待されます。

引き続き、こうした「あつれき」の問題も解決しながら、ジャガーを守る取組を続けていきます!

ジャガーの画像

この記事をシェアする

自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
岡元 友実子

獣医学修士(ソウル大学)/ 学芸員 / IUCN カワウソ専門家グループメンバー
学部から大学院に至るまで、野生動物について専門的に学ぶ。修了後、上野動物園など日本および台湾での動物園勤務を経て、2021年WWFジャパン入局。現在はペットプロジェクトに関連した業界変容を担当。

学生時代に海外で野生のカワウソを見たことをきっかけに、大のカワウソ好きに。「二ホンカワウソ絶滅」の悲劇を二度と起こしてはならない!の決意を胸に日々野生動物保全のため奮闘中。特技は語学(英語・中国語・韓国語)。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP