レッサースローロリスのペット利用が招く”リスク”とは?
2026/09/30
東南アジアの森林に生息しているレッサースローロリス(別名 ピグミースローロリス)。
夜行性で、主に樹液や蜜を食べてくらす野生動物です。
日本では、他種のスンダスローロリスなどと共にペット市場に流通していることがありますが、スローロリス類は2007年以降、国際条約により商業目的の輸入は禁じられています。
また国内法によりその国内取引も原則禁止されています。
さらに、スローロリス類は霊長目(サル目)に属する動物であることから、動物由来感染症を媒介する可能性が高く、感染症予防法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)においても輸入は禁止されています。
このため日本では国内で繁殖させた個体が販売されていますが、日本向けの密輸も多数発覚。2007~2018年の12年間の間に、119頭ものスローロリスが税関により発見されています。

世界には現在、レッサースローロリスや写真のスンダスローロリスを含む8種のスローロリス類が生息しています。IUCNのレッドリスト上で全種が絶滅危機種かつ個体数が減少傾向にあるとされており、ほとんどの種でペット需要による乱獲が脅威として挙げられています。
レッサースローロリスをペットとして飼育することのリスクは、保全や違法取引、公衆衛生に関するものだけではありません。
実は大きな特徴として、スローロリス類は霊長目で唯一「毒」を持つことが知られており、人が噛まれると強い痛みを引き起こすだけでなく、アナフィラキシーショックで死亡することもあります。
このような性質を持つ一方、性格は繊細な動物で、人間との接触はストレスを与える可能性が指摘されています。
SNS等でよく見られる「バンザイ」ポーズは、人間に対して威嚇している様子だと言われています。
これら公衆安全、動物福祉に関するリスクに加えて、本種(しゅ)は樹液や昆虫が主食であるため適した餌を用意することは容易ではないなど、まさにペットには不向きな野生動物です。

噛みつかれた時に毒を取り込まないよう、ペットとして販売されるスローロリスは抜歯されていることがありますが、スローロリスの体内に毒の成分が残っているので100%安全とはいえません。また抜歯による歯牙感染などでスローロリスが死んでしまうこともあります。
動画サイトやSNSで見かけ、飼いたい!と思ってもすぐにペットショップへ走らないでください。そのペット需要が絶滅や違法取引の引き金となったり、公衆安全・衛生、動物福祉、外来種化のリスクを高めたりすることがあります。
エキゾチックペットガイドでは、専門家のコメントと共に、その種のペット利用が適切か考えていただくための情報を掲載しています。
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