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ジャガー保全が促進!ブラジル政府の政策決定


3月23日から29日にかけてカンポ・グランデで「移動性野生動物種の保全に関する条約(通称:ボン条約)」の第15回締約国会議(CMS COP15)が開催されました。

そこで、ジャガー保全に関係する重要な決定がなされました。

カンポ・グランデは、マトグロッソ・ド・スル州の州都。パンタナール湿原の端に位置し、ジャガーやカピバラ、オオオニバス(世界最大の葉をもつスイレン:写真)などの生息地です。
© Andre Dib / WWF-Brazil

カンポ・グランデは、マトグロッソ・ド・スル州の州都。パンタナール湿原の端に位置し、ジャガーやカピバラ、オオオニバス(世界最大の葉をもつスイレン:写真)などの生息地です。

COP15開幕の前日に開催されたハイレベル会合で、ブラジルのルーラ大統領が、保護区の拡大と新設を目的とした政令に署名。

これにより、ブラジルで法的に守られるエリアが、およそ14万5,000ヘクタール増えることになりました。

これは、沖縄本島に匹敵する広さです。

アマゾン熱帯雨林やパンタナール湿原など、豊かな自然が広がるブラジルは、世界最大のジャガーの生息国です。

ですが、森林伐採や、干ばつによる森林火災の大規模化など、深刻な脅威にさらされています。これらは、土地改変など人間活動にも起因しています。

ボン条約は国境を越えて移動する野生動物の保護を目的とした条約で、ジャガーや、中央アジアに生息するサイガ(写真)のような、多数の国に生息する野生動物の保全にも貢献するものです。ちなみに、日本政府は2026年3月時点で、この条約を批准していません。
© Wild Wonders of Europe / Igor Shpilenok / WWF

ボン条約は国境を越えて移動する野生動物の保護を目的とした条約で、ジャガーや、中央アジアに生息するサイガ(写真)のような、多数の国に生息する野生動物の保全にも貢献するものです。ちなみに、日本政府は2026年3月時点で、この条約を批准していません。

今回、保護区拡大の対象となったエリア(およそ10万4,200ヘクタール)は、世界で最も重要かつ多様な湿地帯のひとつパンタナールにあります。

今回の政令により、マトグロッソ州とマトグロッソ・ド・スル州にまたがる「パンタナール・マトグロッセンス国立公園」とマトグロッソ州にある「タイアマン・エコロジカルステーション」2カ所の保護区が拡大。総計およそ10万4,200ヘクタールが保護の対象となりました。(写真は、パンタナール・マトグロッセンス国立公園に広がる湿原)
© Andre Dib / WWF-Brazil

今回の政令により、マトグロッソ州とマトグロッソ・ド・スル州にまたがる「パンタナール・マトグロッセンス国立公園」とマトグロッソ州にある「タイアマン・エコロジカルステーション」2カ所の保護区が拡大。総計およそ10万4,200ヘクタールが保護の対象となりました。(写真は、パンタナール・マトグロッセンス国立公園に広がる湿原)

また、ブラジル南東部ミナス・ジェライス州に広がるセラードで「コレゴス・ドス・ヴァーレス持続可能開発保護区」(およそ4万800ヘクタール)が新設され、ここで伝統的に暮らす先住民の領土権の確保にも繋がりました。

WWFジャパンでも、ジャガーの重要な生息地でもあるパンタナール、セラード、そしてアマゾンにおいて、WWFブラジルと連携して活動を実施しています。
© Catarina Tokatjian / WWF-Brazil

WWFジャパンでも、ジャガーの重要な生息地でもあるパンタナール、セラード、そしてアマゾンにおいて、WWFブラジルと連携して活動を実施しています。

保護区の拡大は、そこに生息するジャガーなどの野生生物が安全に移動することができる範囲が拡がるということであり、同時に人権問題の解決にも寄与する、重要な保全の取り組みです。

自然と、そこに暮らす人々が守られ、共存して生きられる社会に向けて、こうした国の意思決定はとても重要です。

こうした政策を後押ししながら、活動を続けていきたいと思います!

ジャガーの画像

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自然保護室(野生生物 グループ長)、TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

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