© Sascha Fonseca/ WWF-UK

ネパールのユキヒョウ


今日は、大寒。一年で最も寒さが厳しい時期です。最も寒冷地に適応したネコ科動物、ユキヒョウは、日本などよりもっと寒い中央アジアの高山帯に生息しています。生息国は、12カ国に跨りますが、ユキヒョウには国境など関係ありません。
今日は、私たちWWFジャパンが現地オフィスと供にユキヒョウ保全活動を行なうインドのお隣、ネパールのユキヒョウに関する話題です。
2025年、初めてネパールが国レベルでの信頼性の高いユキヒョウの推定個体数に関する調査報告書を出しました。これによると397頭のユキヒョウがネパールにいるとみられます。

GPS首輪発信機を付けられたユキヒョウ。
© DNPWC / WWF Nepal

GPS首輪発信機を付けられたユキヒョウ。

GPS、カメラトラップなどを用いた今回の調査により、ネパールのユキヒョウはしばしば隣国の中国やインドへ移動し、そこで10%~34%の時間を過ごしていることが分かりました。ユキヒョウの行動範囲は、従来考えられていたよりも6~97倍も広いことも明らかになりました。

カメラトラップが捉えたユキヒョウの姿。一般にユキヒョウは、標高3,000~4,500mの場所を好みますが、今回の調査で、これまででもっと標高の高い5848mの地点でユキヒョウが確認されました。
© SPNP DNPWC / WWF Nepal

カメラトラップが捉えたユキヒョウの姿。一般にユキヒョウは、標高3,000~4,500mの場所を好みますが、今回の調査で、これまででもっと標高の高い5848mの地点でユキヒョウが確認されました。

こうした新たな知見は、ユキヒョウの生態への理解を深め、より適切な保全活動を進めるのに極めて重要です。
WWFネパール代表のユキヒョウ博士ことグルン博士は、調査結果の公表に際し次のように語りました。「WWFは、この取り組みを支援できたことを誇りに思います。政府機関、保全団体、地域の人々の協力こそが、今回の成功の鍵でした。そして、気候変動や急速なインフラ開発に直面するユキヒョウの未来を守るためにも、このような協働が欠かせないのです。」
今回の調査結果は、国境や組織を越えたユキヒョウの保全活動の重要性を示すものでもあると言えます。WWFは、引き続き、世界的なネットワークの強みを生かした活動に力を注ぎます。

来たる2月、グルン博士と同じようにユキヒョウのエキスパートであるWWFスタッフが登壇するイベントを円山動物園と共催することが決まりました!詳細は、こちらをご覧ください!

ユキヒョウの画像
WILDCTAS その瞳に映る危機

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、青年海外協力隊(現 JICA海外協力隊)を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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