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使い道のなかったもみ殻が再エネ資源に?―秋田銀行の再エネ施策②―


残暑厳しい9月の青空の下、お伺いしたのは秋田県大潟村。地域経済に役立つ再エネの姿を知るために、秋田銀行の取り組みについて、株式会社秋田銀行 地域価値共創部 地域産業創出支援グループ チーフ 冨樫拓様、および大潟村 生活環境課 環境班 主査 近藤航太様にインタビューさせていただくとともに、現場の見学をさせていただきました。

大潟村では、村と秋田銀行が共同出資した株式会社オーリスによって、バイオマス熱供給事業が実施されています。

その燃料になるのは、「もみ殻」! 大潟村の基幹産業である稲作から、毎年大量に生じます。これまでは水田の排水対策や畜産の敷材への使用が中心でしたが、本事業ではバイオマス資源として活用しているとのことです。

年間1,800~2,000トンものもみ殻が集められたうえで、燃焼されます。
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年間1,800~2,000トンものもみ殻が集められたうえで、燃焼されます。

今回伺った事業では、化石燃料の代わりにもみ殻を燃焼させることで地域内のカーボンニュートラルを目指しているとのことです。村内のホテル、温浴施設および小中学校等に、お湯や暖房向けの熱を供給しています。

ボイラーの中で燃やされるもみ殻の様子。
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ボイラーの中で燃やされるもみ殻の様子。

田んぼの中にそびえたつカントリーエレベーターの横に、もみ殻保管庫やボイラーなど関連施設が設置されており、とてもシステマティックな印象でした。

日本最大級のカントリーエレベーターからオーリスへ「もみ殻」が供給される。
© 大潟村役場

日本最大級のカントリーエレベーターからオーリスへ「もみ殻」が供給される。

大量のもみ殻を集めたり、全体として効率的に運用させたりする必要があるため、安易に横展開するのは難しいかもしれないとのお話でしたが、その土地の環境だからこそできるエネルギー利用のあり方は、非常に勉強になりました。

また、大潟村の目指す再エネ100%の村づくりビジョンに沿うものであったり、同村の持続的な農業が前提だと考えられていたりする様子は、まさに地域と二人三脚。

「地域経済の旗振り役として地銀がいる」、「脱炭素の機運を高めていく」という力強い言葉とも相まって、地域と共にある再エネの1つの形をうかがうことができたように感じます。

大潟村の広大な水田。その副産物を用いてバイオマス熱が作られます。
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大潟村の広大な水田。その副産物を用いてバイオマス熱が作られます。

この度、インタビューおよび現場視察に快く応じてくださいました秋田銀行と株式会社オーリスの皆さまに、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました!

(気候・エネルギーグループ 吉川)

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自然保護室(気候・エネルギー)
吉川 景喬

公共政策修士(専門職)(京都大学) 大学院では環境政策、公共ガバナンスを中心として公共政策学を専攻。修了後は、大手物流企業でコーポレートガバナンスに関する業務に従事。2021年にWWFジャパンに入局。気候変動・エネルギーに関する国内政策アドボカシーを担当。

学生時代には季節のおいしいものを食べ歩き、度々近所の川べりを散歩していました。皆さん一人ひとりに身近な自然があるかと思います。それを根底から揺るがす気候変動。その対処に向けて社会の全てのアクターの方々と一緒に取り組んでいきます!

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