©Kaname Tanino

アサギマダラと共に去りぬ


皆さんは「アサギマダラ」というチョウをご存知でしょうか?
羽の色はごく薄い藍色の浅葱色(あさぎいろ)、胸にはマダラ模様がある、非常に美しいチョウです。

先日、生きもの好きの仲間と共に、福島県・裏磐梯にてアサギマダラを観察してきました。

このアサギマダラ、本州の高山帯から九州、沖縄、果ては台湾まで、個体によっては2,000キロ以上もの旅をすることでも知られています。
コロナ禍もあり、実に3年ぶりの観察となりましたが、今年も、美しくもたくましい姿を見せてくれました。

ただ、前回の同じ時期に比べて飛来数が少ないことや、吸蜜のための「ヨツバヒヨドリの群落」が減少している印象を受けました。
近年は北限であった東北地方を越え、函館あたりでも姿が見られるほか、移動の時期が早まっているなど、温暖化の影響が懸念されます。

高山の草原には、アサギマダラ以外にもたくさんの生きものたちの姿が見られました。左はミドリヒョウモン。右はミヤマアカネ。

高山の草原には、アサギマダラ以外にもたくさんの生きものたちの姿が見られました。
左はミドリヒョウモン。右はミヤマアカネ。

私がアサギマダラの美しさやその生態の不思議さに魅かれ、最初にブログで紹介させていただいたのがちょうど7年前のこと。
秋になるとアサギマダラは南を目指して旅立ちますが、私もこの秋、WWFを旅立ちます。

WWFで過ごした7年間は、どこを切っても、きらきらと眩しい思い出で溢れています。
共に過ごした素晴らしいスタッフ達に、感謝とエールをおくりたいと思います。

そして、夏の暑さや風雨にも負けず、アサギマダラが力強く旅を続けるように、
私も精一杯、次のステージで力を尽くしたいと思います。

© Kaname Tanino

私はもうすぐWWFのスタッフではなくなりますが、私の中にある「生きものへの愛情」は、終生消えることはありません。
これからはひとりのWWFファンとして、その活動を応援したいと思います。

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企画管理室・ITグループ長
谷野 要

大阪府立大学・社会福祉学部にて児童福祉・発達心理学を専攻。
社会人になってからはIT畑一筋、前職まではプログラマーとして、数多くのシステム開発プロジェクトに従事して参りました。
生きもの好きの世界に飛び込んだのは40年以上前。昆虫写真家の海野和男さんの写真に興味をひかれたことがきっかけです。
以来、虫好きにはじまり、魚・両生・爬虫・鳥・哺乳類と、いろいろな野生動物たちを観察してきました。
趣味は乗馬と、2000kmを旅するアサギマダラの飛来調査、野鳥・ムササビの観察会。
ライフワークは、「自然保護」と「ICT」を繋げる方法をあれこれ考えること。
技術書よりも動物図鑑をこよなく愛するIT担当者です。

IT畑一筋、前職まではプログラマーとして、数多くのシステム開発プロジェクトに従事。 WWFでは、広く「ICT」の運用管理を行っています。 趣味は乗馬と、アサギマダラの飛来調査、野鳥・ムササビの観察会。 技術書よりも動物図鑑をこよなく愛するIT担当者。

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