ムササビを見た!


突然ですが、日本産のネズミ目の動物で、最も大きな動物は何だと思いますか?

答えは、「ムササビ」です。

頭から尾までは最大で80センチ、体重も1キロ以上になり、小柄なネコくらいあります。

最大の特徴は何と言っても、前足と後足の間にある飛膜を広げ、グライダーのように飛ぶ(滑空)こと!

そんなムササビの観察会に参加するため、先日、事務局の仲間たちと山梨県の都留市に行ってきました。

大木にあったムササビの巣穴

夜行性のムササビを観るには、まず明るいうちに大木にある巣穴を探し、近くに糞やかじられた樹皮、木の実などが落ちていないか確認します。新しい痕跡があれば、その穴の中で寝ている可能性が高いからです。

そして、赤いセロファンを貼った電灯を手に、待ちます!

日が暮れてから15分。
穴を照らす赤いライトの中に、2つの光が現れました。

ムササビの眼です。

ムササビが樹皮を食べた痕。葉や木の実など、さまざまなものを食べます

最初は顔だけを覗かせ、ジッと下の様子をうかがっていましたが、やがて素早く穴から出ると、木を登り始めました。

ライトを消して眺めていると、突然音もなく座布団のような影が、さーっと頭上を滑空!向かいの木立へと姿を消しました。

一瞬でしたが、夜空を切り取ったようなムササビの姿に皆、感激!「うわぁ~」と歓声を漏らしていました。

この夜、3頭もムササビが見られたのは、嬉しくもあり、驚きでしたが、ムササビを見つける子どもたちの眼の早さにも驚かされました。

「あ、あそこにいる!」「上にのぼった!」「目が光ってる!」

彼らの声が上がるたびに、大人も大興奮でした。

昔は身近な場所でもよく見られたというムササビ。

それはまぎれもない、私たちが次の世代に引き継いでいきたいと願う、自然の姿です。

そんな自然を、実際に見て、感激し、興奮する、観察会の素晴らしさ。

子どもたちに気付きを与え、大切な「自然観」を養ってくれるこうした機会を、私たち自身もまた創ってゆきたいと思います。

穴から顔を出したムササビ

ムササビの飛影。長い尾が分かります

観察会で活躍したパンダショップのソーラーランタン。こちらで売ってます!

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企画管理室・ITグループ長
谷野 要

大阪府立大学・社会福祉学部にて児童福祉・発達心理学を専攻。
社会人になってからはIT畑一筋、前職まではプログラマーとして、数多くのシステム開発プロジェクトに従事して参りました。
生きもの好きの世界に飛び込んだのは40年以上前。昆虫写真家の海野和男さんの写真に興味をひかれたことがきっかけです。
以来、虫好きにはじまり、魚・両生・爬虫・鳥・哺乳類と、いろいろな野生動物たちを観察してきました。
趣味は乗馬と、2000kmを旅するアサギマダラの飛来調査、野鳥・ムササビの観察会。
ライフワークは、「自然保護」と「ICT」を繋げる方法をあれこれ考えること。
技術書よりも動物図鑑をこよなく愛するIT担当者です。

IT畑一筋、前職まではプログラマーとして、数多くのシステム開発プロジェクトに従事。 WWFでは、広く「ICT」の運用管理を行っています。 趣味は乗馬と、アサギマダラの飛来調査、野鳥・ムササビの観察会。 技術書よりも動物図鑑をこよなく愛するIT担当者。

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