「風の谷のナウシカ」、「HUNTER×HUNTER」・・・マンガから読み解く生物多様性を大学で紹介


2024年6月に公開した「コミック・ダイバース」のウェブサイトでは、マンガに通じた研究者、編集者、アーティスト、書店員など計12名の選書者が、馴染みあるマンガのワンシーンから生物多様性を読み解き、それぞれの視点で書き下ろしたエッセイとともに推薦図書を紹介しています。

2025年10月には、東洋大学附属白山図書館が主催する「図書館でSDGs誘学」ワークショップで、大学生を対象に「コミック・ダイバース」についてお話ししました。

東洋大学では、全学的にSDGsに関する取り組みを推進しており、図書館でもSDGsイベントを毎年継続して実施しているとのこと。本年度は「地球温暖化防止・環境問題への意識向上」と「SDGsを自分ごととして捉える」をイベントの目的としたことから、「コミック・ダイバース」にお声がけくださいました。

当日は2~4年の社会学部や経済学部などの学生が参加。参加の理由を聞くと、生物多様性の変化の大きな反動がいずれ人にも及ぶだろうと思い参加した方や、学内でSDGsアンバサダーとして活動しているからといった声が聞かれました。

ワークショップではまず、少人数のグループに分かれて「コミック・ダイバース」で扱っている漫画作品を実際に手に取っていただき、作品に描かれている印象的なシーンや選書者のエッセイを読んで感じたことを思い思いに話しました。

その後、WWFジャパンから、生物多様性の危機と原因、解決に向けた動きについてお伝えしたうえで、再度グループに分かれ、「生物多様性が失われると、私たちの暮らしにどう影響すると思うか」「生物多様性を守るために、私たちにできることは何か」について意見交換しました。

© James Morgan / WWF-US

参加した学生からは、「なかなか同世代の人と環境問題やSDGsについて話す機会がないため新鮮だった」「生物多様性はどこか自分からは遠いことだと思っていたため、マンガをきっかけに興味を持って学ぶことができた」といった声が寄せられました。

ワークショップの他、図書館では1か月にわたって「コミック・ダイバース」のパネル展、および対象の漫画作品の貸し出しも実施されました。

一連のイベントを通じて、あたりまえの日常生活の裏側でどのように生物多様性の恩恵を受けているのか、この先ますます危機が深刻化すると暮らしがどうなるのかを想像し、身近な人たちとの会話を増やすきっかけになることを願っています。

なお、「コミック・ダイバース」のパネルは随時貸し出しを受け付けています(送料など一部有料)。展示にご関心のある方は、social@wwf.or.jpまでお問合せください。(広報・増本)

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ブランドコミュニケーション室(ソーシャルモビライゼーション グループ長)
増本 香織

一橋大学社会学部卒、在学中にオーストラリアメルボルン大学に留学し環境学を専攻。在学中に国際保健系NGOでインターン、卒業後は国内オーガニック食材流通の草分け的なソーシャルビジネスでマーケティングを担当。2013年にWWFジャパン入局、広報部門でWeb・SNSの戦略的運用やキャンペーン業務、資金調達部門でのサポーターリレーション業務に従事し、2020年度より現職。ひとりでも多くの方が、地球や生きものたちのためにアクションを起こしたくなるような、気持ちが動くコミュニケーションを目指しています。森林インストラクター、薬膳インストラクター。

大学時代のインターンや前職を含め、ずっとNGOに携わっています。心から貢献したいと思える仕事に就けるありがたさを感じつつ、1歳と3歳の子育てにも奮闘中。上の子は「なんで?」「どうして?」真っ盛りの時期で、「お母さんはどんなお仕事をしているの?」「パンダのお世話?」と聞いてきます(笑)子どもたちの世代にどんな地球が残せるかは、今を担う私たちにかかっています。

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