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西表の多様性を調査!IT担当が考えたこと


IT担当の谷野です。
先日、西表島・浦内川流域でのフィールド調査に同行させていただきました。
目的は、南西諸島全域で危機的な状況にある湿地環境の再生を目的とした調査、およびその調査結果を地図上に表記する「GIS」マップの作成です。

この取り組みは、50年以上前に耕作放棄された水田跡を、生物相豊かな湿地に再生させる、環境省の事業の一環で行なわれたもので、私たちWWFもこの実施メンバーです。

かつての水田跡。ここには50年前まで、人の住む集落がありました。

かつての水田跡。ここには50年前まで、人の住む集落がありました。

調査の方法ですが、まず特別な許可を得て森林奥へと入り、当時住まわれていた方にヒアリングをしながら森に覆われた水路の痕跡を徒歩で辿り、GPSロガーで位置情報を記録しながら、地図上に当時の水路を再現するというものです。

道なき道を、水の流れを辿って歩きます

道なき道を、水の流れを辿って歩きます

地図に再現することで、かつて水路であったところが渇水や伏流により、複数個所で途切れていることがよく分かりました。
全体としては、人が住んでいた当時は小川が流れていたところも陸地化している場所が多く、かねてから指摘されている陸域水系の衰退を目の当たりにしました。

水生昆虫や「埋土種子」といった分野の研究者も調査に加わっていただくことで、今回、カエルなどの両生類や、ゲンゴロウなどの水生昆虫の繁殖地として非常にポテンシャルが高いことや、湿地を好む植物の種子(絶滅危惧種を含む)が、泥の中で多数休眠していることも新たに分かりました。

水生昆虫や「埋土種子」といった分野の研究者も調査に加わっていただくことで、今回、カエルなどの両生類や、ゲンゴロウなどの水生昆虫の繁殖地として非常にポテンシャルが高いことや、湿地を好む植物の種子(絶滅危惧種を含む)が、泥の中で多数休眠していることも新たに分かりました。

このような場所を、多様な生物に富む湿地として再生できれば、カエルなどの小動物を主食とするイリオモテヤマネコやカンムリワシが、ここを狩場として利用する可能性も広がるなど、今後への期待も膨らみます。

私は普段、オフィスの中でIT関連の業務に従事していますが、時に「IT」のスキルがフィールドで活きることもあります。
またWWFには、例えばかつてメディアで活躍していた方や弁護士といった、さまざまなバックグラウンドを持つスタッフもいます。

スタッフもまた「多様性」 に富んでいるわけですが、皆、思いは一つ。
専門性を活かし、出来ることを懸命に考え、日々、自然を護る為に力を尽くしています。

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