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奄美大島にて第1回サンゴ礁調査を実施!


7月13日、奄美大島大和村国直で、この海域では初となるサンゴ礁調査を実施しました!サンゴ礁生態系保全プロジェクトのベースラインデータを収集するため、地域から2名、外部専門家3名、私1名のチームで海に潜りました。

一つのエリアで水中調査が終わるごとに、船上でサンゴの被度や白化後の状況、病気や食害の様子について情報を記録します。
© WWF-Japan

一つのエリアで水中調査が終わるごとに、船上でサンゴの被度や白化後の状況、病気や食害の様子について情報を記録します。

礁池から礁斜面を6エリアに分け、うち5エリアでスポットチェック法によるサンゴ礁調査と、生息するサンゴ種の特定に必要なデータの収集も行ないました。

水深が浅い場所のサンゴは、2024年夏の高水温で大規模かつ深刻な白化を経験したと見られ、死んでしまった群体も多く見られました。

しかし、一部のサンゴには生残・回復の兆しが確認できました。

また、水深10メートル以深の深場では、さまざまな種のサンゴが白化の影響を受けることなく、よい状態で残っていました。

サンゴ礁に続く砂地では、このエリアならではの生きものが見られ、生息地が限られるスツボサンゴやワレクサビライシといった珍しいサンゴも見つかりました。

今後、深場や周辺海域のサンゴが産む卵を受けとめ、礁池内のサンゴが再生することに期待し、モニタリングを続けていきます。

甚大な被害を受けつつも生き残ったサンゴが確認され、回復に期待がもたれます。(中央の枝状サンゴの白っぽい先端部分)
© 興克樹

甚大な被害を受けつつも生き残ったサンゴが確認され、回復に期待がもたれます。(中央の枝状サンゴの白っぽい先端部分)

海も人間の暮らしも、昔と比べて大きく変わるなかで、この美しいサンゴ礁の生態系やサンゴの多様さを守り、海の恵みを次の世代につないでいきたいと感じた調査でした。

国直のサンゴ礁は危機に直面していますが、動けば希望につながるはず。

今後、調査結果を基に、保全や利用の観点で集落住民や地域外の方々がどう関わっていけるかを国直集落の住民の方々と共に考え、実践していきます!

今回の調査をもって、本プロジェクトが正式に開始となり、とてもうれしく、これまで準備や調整にご協力いただいた皆さんに心から感謝します。
本プロジェクトに関するリリースはこちらをご覧ください。
担当:佐々木

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自然保護室(海洋水産)
佐々木 小枝

学士(社会学)。民間企業、青年海外協力隊、国際NGOで上下水道整備や水と衛生、サステナビリティに関する業務に従事。2021年12月、WWFジャパンに入局。

日本国内とコーラル・トライアングルを対象に、サンゴ礁生態系保全活動を担当しています。

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