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イリオモテヤマネコ無事故記録更新中


世界自然遺産登録候補地になっている沖縄県・西表島。

ここに生息する絶滅危惧種イリオモテヤマネコにとって脅威の一つとなっているのが、ロードキル、自動車事故による殺傷です。

このイリオモテヤマネコのロードキルは、2020年以降ゼロとなっており、2021年に入った今も無事故記録を更新中です。

これは、コロナ禍による交通量減少の影響もありますが、現地の皆さんの弛みない地道な取り組みの成果といえます。

先日西表島でお会いしたトラゾウ基金やまねこパトロールの皆さんは、10年前から、夜間は事故防止パトロール、昼間は路肩の草刈りによるヤマネコを目視しやすい環境整備、ヤマネコをどうしたらまもれるかをテーマにした島内小学校での環境授業などを実施されています。

この活動の詳細については、下記の支援キャンペーンサイトをご覧ください:
https://camp-fire.jp/projects/view/347281

路上に出てきたイリオモテヤマネコの仔
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路上に出てきたイリオモテヤマネコの仔

環境省西表野生生物保護センターでも、イリオモテヤマネコ運転注意マップを毎月作成され、注意を呼びかけています:
https://iwcc.jp/iriomotecat/map/

イリオモテヤマネコ運転注意マップ
環境省西表野生生物保護センターウェブサイト https://iwcc.jp/より

イリオモテヤマネコ運転注意マップ

世界自然遺産に登録されれば、観光客のさらなる増加が見込まれる西表島。

そのような中でも、イリオモテヤマネコの交通事故ゼロの記録が、今後も更新されていくことを心から願っています。

(野生生物グループ 小田倫子)

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自然保護室(野生生物)
小田 倫子

弁護士として10年間稼働後、家族の転勤に伴い沖縄県名護市に居住したことを契機に、自然保護の仕事を志し大学で保全生態学を専攻、2013年WWF入局。法人パートナーシップ担当として生物多様性保全・気候危機対策に関する企業との協働プロジェクトの提案・実施業務を担当後、野生生物グループに異動、今は国内希少種を保全するフィールドプロジェクトを担当。
学士(法学・農学 東京大学)
法学修士(カリフォルニア大学バークレー校)

国内希少種の宝庫である南西諸島で主に活動しています。フィールドで生き物に出会い、その美しさ・不思議さを仲間と分かち合える瞬間が至福の時。趣味は里山散策と水生生物の観察。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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