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【COP26】日本が化石賞を受賞しました


イギリスで開催されている国連の気候変動会議COP26 。
首脳級会合が2日目を迎えた11月2日、日本が「化石賞」を受賞しました。

化石賞は、気候変動に取り組む世界130か国の1500を超えるNGOのネットーワーク「CANインターナショナル」が、その日の国際交渉の中で、温暖化対策に消極的だった国に与える不名誉な賞です。

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化石賞の受賞を受けて行なわれた日本への抗議

今年は感染拡大防止のために授賞式は行なわれませんが、例年、この授賞式は多くの参加者が詰めかける一大イベントで、国際メディアを通して世界中に発信されます。

日本の受賞理由は、首脳級会合に登壇した岸田首相が、水素やアンモニアを利用した「火力発電のゼロ・エミッション化」の名の下に、石炭をはじめとした火力発電の維持を表明したことでした。

世界は今、気温上昇を1.5度未満に抑えるという希望を維持できるかどうかの岐路に立っています。その希望をつなぐ重要な政策が石炭火力の廃止です。

だからこそ、グテーレス国連事務総長をはじめ主要国の首脳は、COP26が1.5度目標を実現する最後のチャンスだとして、石炭火力からの撤退を要請しているのです。

特に、議長国イギリスのジョンソン首相は、120か国もの首脳を集めてリーダーズサミットを開催し、「先進国は2030年までに、途上国は2040年までに石炭火力の廃止」と、期限を設けて確実な廃止を迫りました。

しかし岸田首相は、石炭火力の廃止にも、1.5度目標にも言及せず、むしろ火力発言が今後も必要であり、国内のみならずアジアにおいても火力のゼロエミ化で貢献すると主張したのです。

岸田首相の演説が終わると、世界の市民社会は1.5度目標の達成を危うくするとして、化石賞の授与という形で厳しい評価を下しました。

しかし、この化石賞の授与は、世界の市民社会からの日本への「期待」でもあります。この期待に対して日本がどう応えるのか。責任ある先進国としての対応が問われています。

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005年に国際NGOのWWFジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び環境・エネルギー政策。2002年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会持続可能性委員会委員、環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書「地球温暖化は解決できるのか~パリ協定から未来へ!~」(岩波ジュニア新書2016)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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