©WWFジャパン

【COP26】首脳級会合が始まりました


イギリス北部のグラスゴーで開催されている国連の気候変動会議COP26では、11月1日、世界120か国の首脳が参加する首脳級会合「ワールドリーダーズサミット」が開幕しました。

首脳級会合が開催されるのは、パリ協定が採択されたCOP21パリ会議以来6年ぶり。今回はなんとしてもCOP26を成功させようとする議長国イギリスの強い意思によって実現しました。

登壇したイギリスのジョンソン首相

登壇したイギリスのジョンソン首相

開会式で口火を切ったイギリスのジョンソン首相は、先進国は2030年までに、途上国は2040年までに石炭火力を廃止し、「緑の産業革命」を起こそうと訴えました。

続いて登壇したチャールズ皇太子も、カーボンプライシングを導入し、先進国から途上国への資金問題を解決して、石炭火力から再生可能エネルギーに転換するよう主張しました。

臨席したチャールズ皇太子

臨席したチャールズ皇太子

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、排出量が増加し続けている現状を「自分で自分の墓を掘っている」と表現。すべての国、あらゆるセクターが連帯して対策を強化するよう求めました。

どの演説にも共通していたのは、1.5度目標を守るために、石炭火力を廃止し、途上国の脱炭素化に欠かせない資金を拠出すること。

自分の言葉で気候危機の現実を伝え、具体的な解決策を示し、対立ではなく連帯による解決を呼びかける姿には、リーダーとしての責任と決断がみなぎっています。

アントニオ・グテーレス国連事務総長

アントニオ・グテーレス国連事務総長

さらに、BBCのプロデューサーとして自然をテーマにしたドキュメンタリーの名作を制作してきたデイビッド・アッテンボローも登壇。この94歳の科学者は厳選した映像を駆使した圧巻の演説を、次の言葉で結びました。

「私たちは気候危機を解決することができる。気候危機に取り組む動機は、恐怖ではなく希望でなければならない」

アメリカのバイデン大統領の姿も

アメリカのバイデン大統領の姿も

COP26に参集した120か国の首脳が持続可能な未来への希望を示せるか、世界が注目しています。

★WWFジャパンは現地からの最新情報をTwitterで発信しています。
https://twitter.com/wwfjapan

この記事をシェアする

専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP