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環境サステナ就活ナビ:先輩たちの就活ストーリー 【環境サステナ就活ナビ】先輩たちの就活ストーリー Vol.2:「“広める”立場から、環境に向き合う」川﨑湧太さん(豊田通商株式会社)

この記事のポイント
WWFジャパンが2024年5月に実施した調査では、「環境」を企業選びの大切な軸として就活をしている学生の約8割が、その思いとは裏腹に、どのように企業の環境の取り組みを調べ、評価すればよいかわからないと感じていることが判明しました。そこで、WWFジャパンは、環境を大切な軸として就活をしている学生を応援するWebサイト「環境サステナ就活ナビ」を公開。そのコンテンツのひとつとして、「先輩たちの就活ストーリー」と題し、環境を大切な軸として就活をした若手社会人の方々に、当時の就活の様子、悩みや工夫、これから就活する学生へのメッセージ等をうかがいました。
目次

川﨑 湧太さん
豊田通商株式会社 サーキュラーエコノミー本部 サステナブルケミカルズ部 サステナブル合成樹脂グループ (2025年入社)
神戸大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 修了

「どう関わりたいのか?」を考え尽くし、思わぬ進路へ

────まず、環境を大切な軸として就職活動をしようと思ったきっかけを教えてください。

私の地元の奈良県には海がなかったため、幼少期には祖父の家の近くの海に遊びに行くのをいつも楽しみにしていました。
砂浜で遊んでいると、漂着したたくさんのゴミをよく見かけました。当時はその意味を深く理解していたわけではありませんが、幼いながらに違和感を覚え、その記憶が今でも残っています。
そのような思い出もあり、大人になるころには自然と「環境に関わる仕事がしたい」と考えるようになりました。もともと理系科目が好きだったこともあり、プラスチックの研究をしてみたいと思い、神戸大学大学院の応用化学専攻に進学しました。

──大学院ではどのような研究をされていたのでしょうか。

プラスチックの物性に関する研究をしていました。異なる素材を混ぜたときにどのように硬さや柔らかさが変わるのか、温度に対する耐性はどう変化するのかといった、材料としての特性を分析する研究です。
研究室には60名ほど所属していて、その7〜8割が研究職に就くという環境でした。自然と自分もその道に進むのだろうと思い、就活当初はメーカーの研究職を中心に見ていました。

──最終的には研究職には進まず、総合商社の営業職という道を選ばれています。その背景にはどのような考えがあったのでしょうか。

大きな転機になったのは、修士1年の夏に参加したインターンシップでした。
環境問題をテーマに、その企業の技術や事業を活かした新規事業を考えるという課題をいただいたのですが、自分でアイデアを生み出し、それがどう社会に活かされるのかを考えるのがとても面白かったんです。
特に印象的だったのは「スピードが速い」と感じたことでした。研究のように時間をかけて知見を積み上げるアプローチだけでなく、比較的短い時間軸で社会に働きかける方法もあるのだと初めて知り、視野が開けたような感覚を抱きました。
もともと「環境関連の仕事がしたい」という想いに加えて、「海外で働きたい」「人と関わる仕事がしたい」という希望もぼんやりと持っていました。そう考えると、研究職という選択肢にこだわりすぎなくてもいいのではないかと気づきました。
その後は研究職と並行して、ITや金融などさまざまな企業を見ることに。同時に、「自分にとって環境に関わるとはどういうことなのか」を改めて考え直しました。
結果的に、「プラスチック研究で培った知見を活かして、製品や素材などの“モノ”に携わる仕事がしたい」という想いは変わりませんでした。
ただ、人と関わることが好きな自分には、“つくる側”よりも“広める側”のほうが向いているのではないかと思ったんです。
誰かが開発した優れた素材や技術を社会に届ける。その役割に魅力を感じ、「商社」という選択肢が浮かび上がってきました。

──さまざまな商社がある中で、豊田通商に惹かれた理由を教えてください。

決め手になったのは、先輩社員の話に感銘を受けたことです。
豊田通商はいわゆる“5大商社”と比べると規模はややコンパクトなのですが、先輩は「だからこそ、あらゆる領域を網羅する戦い方ではなく、環境のような特定分野に注力することで価値を発揮しているんだよ」とおっしゃっていて。
特に印象的だったのは、「環境」を単なるイメージ戦略として扱うのではなく、事業として成立させる領域として本気で向き合っていることでした。環境ビジネスを独立した強みとして育て、そこから新しい価値を生み出していく。その考え方に触れて、「すごいな、かっこいいな」と素直に感じたんです。
また、そうした話を、いち就活生の私に対しても熱を持って語ってくださる姿から、社員の環境保全に対する本気度も伝わってきました。
「ここなら自分も本気で挑戦できる」。そう思えたことが、最終的な決め手になりました。

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──就活において、一番悩んだのはどのようなことでしたか?

改めて振り返ると、「自分は何をやりたいのか」が見えていない時期が一番不安だったように思います。
共感してくれる就活生の方も多いと思いますが、当初は「環境に関わりたい」という想いこそあれど、どの領域に、どのような形で関わるのかまでは明確にイメージできていなかったんです。
「環境問題」と一口に言っても多様なテーマがありますし、アプローチの仕方もさまざまです。
たとえば「フードロス」ひとつとっても、賞味期限を延ばすための研究開発によって削減に貢献する方法もあれば、小売の仕組みを工夫して食品が売れ残らないようにすることで解決に導く方法もあります。
数多の選択肢がある中で、果たして自分は何に、どう関わりたいのか。それを明確にするプロセスが、一番苦しかったですね。

──苦しかった時期を、どのように乗り越えたのでしょうか。

研究室の先輩や企業の採用担当の方々など、とにかくたくさんの方に自分の悩みを率直に伝えたことで、前に進むことができました。
「こういうことに興味があるけれど、どのような仕事が向いているかわからない」と話すと、「それならこういう働き方がいいんじゃない?」「こういう人に話を聞いてみたら?」など、自分では思いつきもしなかった新しい選択肢を示していただけることが多くありました。
私は長期インターンなどで実務経験を積んでいなかったぶん、ビジネス視点が不足している自覚がありました。そのような中でも、自分の考えをぶつけてフィードバックをもらう経験を積み重ねたことが、今の選択につながっていると思います。

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自分の「原点」を見つけることが、選択の軸になる

──実際にお仕事をされてみていかがですか。

まだまだ若手の立場ではありますが、夢だった海外のお客さまとのやりとりを担当させていただく機会も増えてきました。
お客さまに自分の言葉でモノの価値を伝え、「それなら導入してみよう」と言っていただけたときに大きなやりがいを感じます。「広める」という役割を選んでよかったと実感する日々ですね。

────今後の社会人人生の中で、叶えていきたい野望はありますか?

ずっと胸のうちにあるのは、いつかはプラスチックごみ問題の解決に近づく大きな一手となるような、新たなビジネスを生み出したいという想いです。
そのためにも、今は少しでも早くプラスチック市場への理解を深めていきたいと考えています。

──最後に、環境を軸に就活を考えている学生にメッセージをお願いします。

まずは、自分より広い視野を持つ先輩たちに、臆することなく相談してみてほしいと思います。そして同時に、自己分析もとても大切です。
たとえば「フードロス削減に取り組みたい」と思ったときに、なぜそう思うのかを掘り下げていくと、「食べ物を無駄にすることに違和感を覚えた経験がある」「身近なところで廃棄されている現場を見たことがある」といった、自分の原体験が見えてくるはずです。その原点が、自分に合った企業や職種を選ぶための軸になります。
また、できる限り現場を見る経験もおすすめしたいです。私自身、社会人になってから「もっと実態を見ておけばよかった」と感じることがありました。
たとえば、海洋プラスチックごみの漂着が多い地域として知られる対馬に足を運んでみるなど、実際に現地に行き、人と話すことで、課題意識や実態への理解は一段と深まると思います。
就職活動は悩むことも多いと思いますが、自分の本音と向き合える貴重な機会でもあります。
そして、環境問題はどのようなアプローチであっても最終的には社会に貢献できる分野です。だからこそ、「どう関わりたいのか」という自分なりの答えを見つけながら、一歩ずつ選択を重ねていってほしいと思います。

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