AIは膨大なデータを保有してこそ進化に貢献!日本気象協会様の挑戦 訪問記[後編]
2026/04/09
気象予測はもともと膨大なデータを活用しているので、まさにAIの力が無限に発揮される世界ですよね!でもそこには従来のビジネスの隙間をついていく人の知恵があってこそだと、日本気象協会さんを取材させていただいて強く感じました!
中でも天気で変動する太陽光・風力の発電量予測という新しい分野では、これまでの日照や風の予測から発電量を予測することから、さらに進化して、いつ高く売れるかなどの再エネの売電価格の予測にまで広がっている点です!たとえばクーラー用の需要が高くなる夏の日中に発電する最エネの価格は高くなり、週末に工場が稼働していないときには電気の需要が減るので、再エネの価格は安くなる、といった具合に売電価格は変動するのですが、その価格の予測までしてくれるんです!

天気記号がデザインされた日本気象協会オフィスの曇りガラス。みなさんはいくつわかりますか?
さらに需要予測もできるんじゃないかということで需要予測も手掛けられ、最近では電力の入札予測、入札額の予測、買取価格の予測まで広がっているそうです。実はこれまでは電力の需要予測は、気象会社ではなく、重電企業が手掛けていて、日本社会にとって電力需要予測が外れたのは、提供された気象予測が悪かったで終わり、原因追求がなかなかされてこなかったそうです。気象会社そのものが気象予測のみならず需要予測まで手掛けることによって、予想が外れた時にはなぜ外れたか、それを直すにはどうすればよいか、といった検討が盛んに行われるようになり、どんどん需要予測も進化しているそうです。というのも予想を大外しすると、火力一基分の電力が無駄になったりするので、予測の向上は経済的にも非常に重要だからです。
気象協会さんでは、複数のモデルを使っておられるのですが、モデルにはそれぞれ得意分野があります。そのため状況に応じてどのモデルをどれくらい使うか、そしてモデル同士の間の予測幅をうまく使えるように工夫ができるそうです。それらをお客さまと一緒に考えてあらかじめ運用の基準を作っておくといった作業が増えているそうです。これはまだ自動でAIにまかせられるものではなく、機械学習を使って、きょうはこのモデルを何割、独自モデルは何割とか、毎日試してみて精度を上げていくそうです。
なんと人間くさい作業であることか。AI使うというのは、実は非常に人間による調整と工夫が詰まっていることなのですね。いずれにしても、AI使うにはデータをいかに持っているかが重要であるため、過去からの膨大なデータを持っている気象会社にとっては、それこそが宝の財産。「ニーズをくみ取って工夫していく隙間産業なんです」とおっしゃっておられた担当者のお話が身に沁みました。
進化する気象業界の現場について、取材記事もぜひご覧くださいませ!
小西雅子インタビューシリーズ paint a future (一財)日本気象協会 前編~持続可能な未来をつくる主役たち(PDF)
※この記事は、日報ビジネス株式会社のご許可を受けて「隔月刊 地球温暖化」2026年3月号から転載しています。(記事の前編は1月号に掲載されています。)
(気候・エネルギーグループ 小西)



