進化する気象業界、防災と環境・エネルギー分野を統合してさらなる貢献! 日本気象協会訪問記[前編]
2026/02/20
私は空を見上げて、風や光に移ろう雲や、漆黒から紫色、橙色に変わっていく明け方に魂が震える気象予報士の一人です。その天気予報が、温暖化の切り札である再生可能エネルギーの有効活用に役立つと気づいたのは、今から15年ほど前。当時日本は気象予測の発電量予測はまだあまり知られていませんでした。
天気次第の不安定な電気といわれていた太陽光や風力は、気象予測を使うと明日の発電量が予測できて、ちゃんと使えるエネルギー源になる!と知った私は、その現場を見るために、風力の発電予測が発達していたスペインに取材に行っていました1。
1小西雅子:天気59 (10), 967-974, 2012-10(日本気象学会)再生可能エネルギーの大幅導入に成功したスペイン―その背景に「気象予測」を活用した独自の挑戦
それが日本でも再エネが増えた今、国内でも当たり前に行なわれるようになりました!その最前線である日本気象協会さんにこのたび取材に行かせていただきました。日本の気象コンサルティングサービスのパイオニアである気象協会は、実は2025年に大きな組織改革をして、「カンパニー部門」を新設し、気候変動に伴う気象リスクを背景に、AIやIoTビジネスなどを活用して時代に即応する体制を整えています。しかもそのカンパニー部門には、「防災・気象DX本部」と「環境・エネルギー本部」の二つの本部を置いて、二つの業務が相乗効果を上げられるように統括されているのです!インタビューに応じてくださった執行役員・最高執行責任者の小玉亮氏は、その両方を統括されていて、エネルギー分野が今や気象業界の重要な業務の一つなっていることを実感しました!!

もともとニュースキャスターとしてキャリアをスタートさせ、気象予報士でもある小西(左)。最新技術を用いた気象予測の取り組みについて日本気象協会 執行役員・最高執行責任者 小玉亮氏(右)による説明は、興味深い話の連続で質問が尽きませんでした。
夏の長引く猛暑、深刻化する洪水、冬の乾燥による相次ぐ森林火災といった温暖化によってより激甚化している災害には、進化する気象予測が欠かせません。従来の洪水予測に加えて、たとえば河川のダムに据え付けられているカメラからの映像で、AIが河川の水位を判断したり、道路にある監視カメラで、アンダーパスの水没状況を判断したりと、新たなデータを使ってさらに精緻な予測が可能となっているそうです!監視カメラって道路から鉄道まで街中の色々なところに付いていますものね。これまでのインフラがAIで気象予測のための新たなツールになることにワクワクしました!
防災ではこれまでは何百ミリ以上の予想だったら、鉄道や道路通行を止めるとか、雨量の値だけで規制がかかっていたのですが、実は重要なのはこれまでに降った雨で土の中にどれほど雨量がたまっているか。その土壌雨量指数を使って規制が判断されるように進化しているそうです!土壌の中にタンクがあるイメージで、たとえば1日たてば空になるけれども、5時間後だとまだタンクに水が残っているので同じ量の雨が降っても土砂災害が発生する可能性が高くなりますといった具合です。それらを規制値に使っていこうという機運が高まって、一部では使い始めているそうです。激甚化する災害に備えも進化させていかねば、ですものね!
書ききれないくらいワクワクする情報満載だった取材について、ぜひ記事もご覧ください!
小西雅子インタビューシリーズ paint a future (一財)日本気象協会 前編~持続可能な未来をつくる主役たち(PDF)
※この記事は、日報ビジネス株式会社のご許可を受けて「隔月刊 地球温暖化」から転載しています。(記事の前編は2026年1月号に掲載されています。)
(気候・エネルギーグループ 小西)



