資料案内『流域治水でめざすネイチャーポジティブポイントブック』
2026/04/24
- この記事のポイント
- 近年、各地で異常気象の増加に伴う水害が多発しています。そうした状況の中、河川環境を「流域」という広い観点で保全する取り組みが、治水や防災につながる大きな要素として注目されています。WWFが制作したこのポイントブックは、現在各地で取り組みが進められている「流域治水」の中で、ネイチャーポジティブ(生物多様性の回復)を実現するためのアイデアを、九州北西部の事例に基づき整理したものです。持続可能な地域づくりをめざす自治体の担当者・流域にかかわる「あらゆる関係者」の皆さまにぜひご活用いただければ幸いです。
流域治水でネイチャーポジティブを実現するために
気候変動に伴う豪雨災害に対応するため、国土交通省は2020年に「流域治水」の考え方を打ち出し、流域全体での治水対策へと舵を切りました。これは、山地や平野部の農地、都市域など、流域のあらゆる構成要素において、あらゆる関係者が協働し、しなやかに氾濫を受け止め、災害への強靭性と持続可能性を高める、という発想です。
この考え方は、気候変動への適応の観点から理にかなっている一方で、各地域の現場では、自然環境、特に生物多様性の保全において、さまざまな課題があるのが現状です。
そこで、WWFジャパンは2026年4月、これまでに共同研究を行なってきた研究者の皆さまとともに、九州北西部における研究・実践事例を整理し、治水施策の中でネイチャーポジティブ、すなわち「生物多様性の回復」を実現する6つのアイデアを、ポイントブックにまとめ、発表しました。

WWF『流域治水でめざすネイチャーポジティブポイントブック』より
九州北西部における治水対策と生物多様性
また、ポイントブックと連動して、ショートドキュメンタリー「The Journey of Water」シリーズを制作し、WWFジャパン公式YouTubeで公開しました。本作品は、ともすると対立しがちな治水と生物多様性保全の両立に向けて、流域に関わるあらゆる人々が、それぞれにできることを考え、対話するための素材として制作したものです。
The Journey of Water~有明海へそそぐ水の旅~(16分35秒)
https://www.youtube.com/watch?v=0rtHvr8atqw(YouTubeサイトに移動します)
The Journey of Water~矢部川流域の知恵とつながり~(5分41秒)
https://www.youtube.com/watch?v=QPECf1odpes(YouTubeサイトに移動します)
(注)
・本映像には、平成29年九州北部豪雨の水害を含む災害映像を一部使用しています。精神的な負担となる可能性がありますので、ご自身のご状況に合わせて、無理のない範囲での視聴を選択いただきますようお願いいたします。
制作:EXIT FILM
ポイントブックの配布について
こちらのポイントブックは、特に自治体の担当者、研究者、流域治水と生物多様性の共生活動に資する皆さまに、優先的に配布を行なっております。
PDFファイルで配布いたしますので、下記よりダウンロードください。
WWF『流域治水でめざすネイチャーポジティブポイントブック』(PDF形式:70MB)
必ず下記の「ご注意」をご確認ください。
ご注意
写真、イラストなどの著作物のコピーや二次使用は禁止いたします。
もし、文章を引用される場合は、著作権法が定める引用の要件を満たしていただくようお願いします。また、引用の際には、出典として下記をご明記ください。
タイトル:『流域治水でめざすネイチャーポジティブポイントブック』
著者:鬼倉徳雄、鹿野雄一、小山彰彦、田中 亘、中島 淳、林 博徳
企画編集:公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
発行:2026年4月
※引用の範囲を超えるご利用(転載を含む)は、たいへん恐縮ながら、基本的にお断りをしております。
※本制作物は、米国The Coca-Cola Foundation助成金プロジェクト「有明海流入河川流域を対象とした減災と淡水生態系保全の両立プロジェクト」の活動の一環として制作されました。
ご執筆いただいた研究者の皆さま
このポイントブックの作成にあたっては、さまざまな分野の研究者の皆さまに、多大なご尽力をいただきました。(敬称略、50音順)
○鬼倉徳雄
九州大学大学院生物資源環境科学府附属水産実験所(動物・海洋生物資源学講座アクアフィールド科学研究室)
○鹿野雄一
九州大学大学院工学研究院環境社会部門(流域システム工学研究室)
○小山彰彦
九州大学大学院生物資源環境科学府附属水産実験所(動物・海洋生物資源学講座アクアフィールド科学研究室)
○田中 亘
長崎大学大学院工学研究科システム科学部門(社会環境デザイン工学コース)
○中島淳
福岡県保健環境研究所
○林博徳
九州大学大学院工学研究院環境社会部門(流域システム工学研究室)
また、といのきデザイン事務所には、細部にまでこだわったイラストレーションと、内容を分かり易くお伝えするデザインをお引き受けいただきました。
この場をお借りし、あらためてお礼を申し上げます。




