地球環境を守る活動


「環境保全」の活動とは、実際にどのようなことを行なっているのでしょうか。なかなか具体的に想像しにくいものです。そこで、WWFのような環境保全団体をはじめ、研究者、市民グループなどが近年、主にどんなことに取り組んでいるかをご紹介します。

1. 調査する、研究をする

調査する、研究をする
©WWF Japan

地球環境保全に向けて活動する際の、いちばん基礎となるものです。
例えば、ある動物の数が減ってきたとき、その動物が何を食べているか、どこに巣を作るか、子どもを産んで育てるにはどのような環境が必要か…などがわからなければ、効果的な保護計画は立てられません。近年は特に、地球温暖化が自然界にどのような影響を及ぼすのか、などより大きな視点での調査・研究も注目されています。
生き物や自然環境が、どのような危機に陥っているのかを知るには、普段から定期的にモニタリング調査を行なっていることが重要になります。
そのほか、起きてしまった問題の原因を調べる原因調査や、「ここに道路を作ったら自然環境にどのくらい影響が及ぶだろうか?」といったことを調べる影響調査(環境アセスメント)なども行なわれています。
さらに、シーフードや紙、象牙やペットなど、海や森、野生生物に由来する自然資源や産物が、どれくらい取引されているか、そのために密猟や密輸などが行なわれていないかを調べることも、大事な調査活動の一部です。

例えば...WWFの活動

2. 環境への関心を高める

© WWFジャパン

WWFジャパンでは、次世代を担う高校生を対象に、気候変動とエネルギー問題を議論する特別ワークショップ「選ぶ!私たちの未来とエネルギー」を開催しました。

地球環境を守るために行動する人の輪を広げる活動です。
知らないことには、誰も関心を持ちません。環境保全に関心を持ち、環境保全のために行動する人を増やすには、多くの人が気づいていない環境の危機を広く知らせ、自分の問題として感じてもらうことが必要です。
特に子どもたちを対象にした環境教育は、生活の中で環境のことを考える習慣を自然なかたちで育む大切な機会となっています。
環境問題に取り組むさまざまな団体などでは、ウェブサイトやSNSを使った発信、ニュースレターやパンフレットなどの配布を始め、雑誌・新聞等への投稿、セミナーやシンポジウム、写真展などのイベント開催など、多彩な普及活動を展開しています。また同時に、情報を知識として得るだけでなく、自然環境を直に体験し、その大切さを心で感じることも必要です。このための参加型の活動としては、自然観察会、クリーンアップ、絵画や作文のコンクールなどがあります。

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3. 意見を言う、代案を出す

環境に悪影響を及ぼす事業に対し、見直しを求めていく活動です。
誰も環境を壊すために事業を計画する人はいません。しかし、もし、その事業によって、生態系が大きく損なわれるおそれがある場合は、事業を実施しようとしている人たちと話し合い、計画の見直しや、対策を求めることが必要になってきます。
さらに、政府がかかげた環境保全のための政策が不十分であった場合などにも、足りない部分はどこか、なぜ足りないのかを指摘し、とるべき政策案を提出することもあります。
「気候変動枠組み条約」や「生物多様性条約」など、環境保全にかかわりの深い国際会議にNGOや市民グループが参加し、政府代表団に対して積極的に意見を言うことも、最近では盛んに行なわれるようになってきました。こうした活動は一般的に「ロビー活動」と呼ばれています。
また、環境保全に取り組む意思を持つ企業や自治体に対し、協力しながら、その取り組みをより良い、効果のあるものにするために、提案やアドバイスを行なうことも、大事な環境保全活動の一部です。一つの企業であっても、業界全体に影響力を持つ企業であれば、1社の変化が、より大きな社会の変化につながることも珍しくありません。

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4. 保護区を作る、失われた自然を再生させる

© WWFジャパン

自然環境や野生生物を保全するための領域を増やしていく活動です。
人間は、自然界について、ごく限られた知識しか持っていません。人間がまだ知らない、生き物どうしの複雑なつながりや、それによって保たれているバランスを守るためにも、人為的な影響が少ない自然保護区を、ある程度の規模で確保していくことが必要です。
保護区を作るということは、必ずしも「人の立入を禁止する」というような、一方的で厳しいものばかりではありません。
特定の行為(山を削る・川の形を変えるなどの開発行為や、希少動物の狩猟など)だけを制限するケースや、減少した漁業資源を回復させるために禁漁区を設けるといった例など、
状況に応じていろいろな保護区が作られています。
また、非常に長い時間がかかりますが、一度伐採された森林で植林を行なったり、堤防や水門を撤去して、開発された湿地を再生する取り組みも、自然環境を守っていく手段の一つです。国内各地では、人の手が加わることで保たれてきた里山など、身近な自然を復元しようという取り組みも行なわれています。
また、近年は自然保護区が果たす社会的な役割についても注目されています。森林の保全は気候を安定させ、川などの水源を守ることにつながり、海辺の景観の保全は、津波などの災害がもたらす被害を軽減する一助となります。また、海洋保護区は漁業資源を育む場にもなっています。こうした保護区の保全は、貴重な自然や野生生物を守るだけでなく、人の暮らしを守ることにもつながっているのです。

自然環境や野生生物を保全するための領域を増やしていく活動です。
人間は、自然界について、ごく限られた知識しか持っていません。人間がまだ知らない、生き物どうしの複雑なつながりや、それによって保たれているバランスを守るためにも、人為的な影響が少ない自然保護区を、ある程度の規模で確保していくことが必要です。
保護区を作るということは、必ずしも「人の立入を禁止する」というような、一方的で厳しいものばかりではありません。
特定の行為(山を削る・川の形を変えるなどの開発行為や、希少動物の狩猟など)だけを制限するケースや、減少した漁業資源を回復させるために禁漁区を設けるといった例など、
状況に応じていろいろな保護区が作られています。
また、非常に長い時間がかかりますが、一度伐採された森林で植林を行なったり、堤防や水門を撤去して、開発された湿地を再生する取り組みも、自然環境を守っていく手段の一つです。国内各地では、人の手が加わることで保たれてきた里山など、身近な自然を復元しようという取り組みも行なわれています。
また、近年は自然保護区が果たす社会的な役割についても注目されています。森林の保全は気候を安定させ、川などの水源を守ることにつながり、海辺の景観の保全は、津波などの災害がもたらす被害を軽減する一助となります。また、海洋保護区は漁業資源を育む場にもなっています。こうした保護区の保全は、貴重な自然や野生生物を守るだけでなく、人の暮らしを守ることにもつながっているのです。

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5. 法律を整備・改正する

WWFジャパンは、G20大阪サミットを所管する外務省の河野太郎外務大臣に、海洋プラスチック汚染問題の解決に向けて提言書を手渡しました。

環境保全に関係する法律が、きちんと効果を発揮するようにする活動です。
日本を含め、世界のほとんどの国は法治国家。
また、その国がどのような方針に基づき、自然保護を含めた「環境行政」に取り組むかは、その国が定めた法令に基づいて定められます。
国立公園などの国の保護区も、全て法律に基づいて設置されていますし、地球温暖化に直結する国のエネルギー政策なども、環境保全を進める上で、大きな影響力を発揮します。また、生態系に影響を及ぼすおそれのある開発事業を行なうべきか、それとも計画を見直すべきなのかどうかも、最終的には法律に照らして判断される場合が少なくありません。
そのためにはまず、環境保全のための法律が、きちんと作られ「成立」していることが必要です。しかし、法律があるだけでは足りないこともあります。法律があっても、経済や治安上の問題などにより、それが十分に執行されず、効果を発揮しない場合があるためです。法律そのものの不備な点や、その執行の体制については、常に改善してく意識を持つ必要があります。

また、時には必要に応じて新しい法律を作ることも必要です。そのために、環境保全団体や市民グループは、違法行為が起こる背景や原因を調べ、行政に対して解決策を提案するだけでなく、新しい法律の案を作り、国会議員にそれを国会で定義してもらい、成立させる、といった活動にも取り組んでいます。
一般の市民や団体は、違法な行為を見つけても、摘発や逮捕をすることはできませんが、そうした法律の執行を強く求め、そのための提案や、法案の提示といった取り組みを通じた活動は、さまざまな形で実施することが可能なのです。

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6. 環境に配慮して生産された商品を増やす

©WWF Japan

自然から得ている資源の使い方を、持続可能なものに改善していく活動です。
海で獲れる魚介類や、山林に産する樹木、山菜、薬草などは、使いすぎないように気をつければ、いつまでも利用し続けることができる、「自然の恵み」です。
再生のスピードを考え、過剰に利用をしないよう適切な資源の管理を行ない、また、周囲の環境を破壊しないように配慮することが必要です。
実際、世界では、こうした配慮のもとで生産された水産物や木材製品を作る取り組みが、すでに始まっています。そして、それが環境配慮型の製品であることを認証し、消費者の誰にでもわかる認証ラベル(エコラベル)をつける制度が今、広がりつつあります。
こうした動きは、コットン(綿)やパームオイルなどの農産物についても行なわれています。農薬で大地や川が汚染されたり、自然林が次々と伐採されて畑になったりするのを食い止める必要があるからです。
人の消費行動を変えるのは、地球環境の保全を進める上でとても重要なポイントです。 モノを買うとき、選ぶときに、環境に配慮して作られた製品に認証ラベルがついていれば、消費者は、それを選ぶことで環境保全に協力できます。こうしたエコラベルの制度を普及させ、誰もが環境保全に寄与できる社会を作ることも、大事な活動の一つです。

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7. 環境を守るコスト、しくみを社会の中に組み込む

©WWF Japan

「持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム」の設立会合の様子

環境保全が、産業の中の必要経費として位置づけられるようにする活動です。
地球環境に大きな負荷を与えている先進諸国のほとんどが、資本主義経済で動いています。そのため、環境保全が必要だとわかっていても、保全のためにコストをかけたり、生産量を制限したりすると、競争に勝てなくなると懸念する声が出てきます。
しかし、それは将来の資源を食いつぶし、環境保全のコストを未来へ押しつけていることの裏返しでしかありません。また近年は、自然やそこから生み出される資源を大切に守り、持続可能な形で利用しながらビジネスを行なうことは、産業を守っていく上でも、重要なことと見なされ始めています。森や海の資源が枯渇してしまえば、そうした産品を扱ったビジネスは成り立たなくなり、温暖化が進んで災害が増えれば、これまでと同じサービスは提供できなくなるためです。
これからは、環境を守り、資源を持続可能な形で利用していくためのコストを、きちんと経済活動の中に組み込み、環境保全に配慮した持続可能なビジネスを推進していく必要があります。
実際、環境保全に配慮して生産や流通を行なっている企業が、社会的な評価だけでなく、税金の優遇や、付加的な利益を得られるようにするしくみづくりが各地で始まっているほか、そうした取り組みを行なう企業に対する「ESG投資」も盛んになっています。
こうした側面からも、世界の環境保全を推進していくことが可能なのです。

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WWFだからこそ、地球の未来のためにできることがあります。

©NASA

46億年をかけて生み出されたこの多様性あふれる美しい地球の姿を守るため、WWFは地球の自然環境の悪化を食い止め、人類が自然と調和して生きられる未来を目指し活動しています。

WWFは世界中にネットワークを持つ国際的な環境保全団体です。
さまざまな国の専門スタッフが時に力を併せ、国境を越えた立場から、地球の未来を考え、行動する。それが、WWFの強みです。

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WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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