APP社は設立を支援したトラ保護区までもパルプ原料のために伐採


記者発表資料:2011年12月14日(仮訳)

APP社の環境広告の裏側を明かす
アイズ・オン・ザ・フォレストの調査により明らかに

【スマトラ島ペカンバル】スマトラの森林減少・違法伐採を監視するNGO、アイズ・オン・ザ・フォレスト(Eyes on the Forest:EoF)の調査により、アジア・パルプ・アンド・ペーパー社(APP社)に木材を供給する会社が、スマトラ島のセネピス・タイガー・サンクチュアリー(Senepis Tiger Sanctuary)内部の熱帯林を皆伐していることが明らかになった。このトラ保護区は、APP社が謳う、トラを保護するという自らのコミットメントの一部として、世界的に宣伝されている場所である。

「これは、APP社は積極的にトラを保護しているという世界的な宣伝が事実と異なり、非常に誇張されていることの明らかな証拠である」とWWFインドネシアのアンオー・プルオト(Anwar Purwoto)は言う。

本日発表された新たな報告書「APP社、グリーンウォッシュの裏側『The Truth Behind APP’s Greenwash』」にてEoFは、シナール・マス・グループ(SMG)の一部であるAPP社は、1984年の操業開始以来、200万ヘクタール以上ものインドネシアの熱帯林を伐採し、パルプの原料として利用してきたことを詳細に伝えている。また、EoF は、2011年6月と10月の現地調査と2011年6月までの経年的な衛星画像分析に基づき、APP社が、自ら宣言したセネピス・タイガー・サンクチュアリーの内部の森林を伐採して原料調達を始めたと報告する。

「これは、APP社がトラ生息地として保護すると自ら世界に公言した、ほんの小さな森林さえもパルプにしてしまっているという酷い話だ」とEoFに加盟するNGO、ワルヒ・リアウ(WALHI Riau)のハリアンシャ・ウスマン(Hariansyah Usman)氏は言う。

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EoFの最新報告書「APP社のグリーンウォッシュの裏側
『The truth behind APP’s greenwash』」

この報告書は、APP社によって謳われている、このプロジェクトを含む他の「環境保全プロジェクト」の実態を明らかにしている。EoFによれば、APP社は、自らの原料供給予定地となっているトラの住む森林を「セネピス国立公園」として保護するという政府提案を中止させようと試みたようであるが、その後、2006年より、106,000ヘクタールのセネピス・タイガー・サンクチュアリーを設立するという、自社のとりくみを宣伝し始めた。

しかし実際のところ、APP社は、トラ保護には何の追加的貢献もしていない。EoFはAPP社が設定した保護区のほとんどが同社の管轄地の外にあることを明らかにしている。APP社が設定した保護区の86%は、APP社とは関係がないダイアモンド・ラヤ・ティンバー社(PT. Diamond Raya Timber)が管理するFSC認証林であり、保護区同様の機能を既に有している。その上、APP社が設定した保護区への貢献の一つとして自ら保護すると公言したわずかな同社の管轄下にある森林でさえも、皆伐したのである。

「私たちは、このレポートを読むSMGのバイヤー、投資家、許認可を与える政府担当者たちに気がついてほしい。どれほどAPP社のメディアキャンペーンが、人々のインドネシアに関する知識や経験のなさを利用しているか、どのように現場での悲惨な現実に関し顧客たちを欺いているかを。APP社の関心は、自社の巨大工場に熱帯林からの木材をできる限り多く供給することだけにあり、顧客や投資家が自分たちの非常識な環境保全へのコミットメントと広告を信じ続けるよう願っているのだ」とハリアンシャ・ウスマン(Hariansyah Usman)氏は言う。

既に、いくつかの世界最大規模の紙のユーザー企業を含め多くの世界的バイヤーが、契約を打ち切っている。オランダでは、政府のメディア監視機関が、SMGの製紙企業が虚偽的広告を出すことを阻止するという行動に出ている。

「私たちは、世界的なバイヤーや投資家たちに対して、APP社が継続する恥知らずなインドネシアの熱帯林とスマトラの最後に生き残るトラの生息地の破壊にこれ以上加担しないよう求める。そして増え続けるSMG/APP社との関係を絶つ責任ある企業たちの仲間に入ることを」とNGOネットワーク、ジカラハリ(Jikalahari)のムスリム・ラシッド(Muslim Rasyid)氏は言う。

Notes to editors:

EoFの最新報告書「APP社のグリーンウォッシュの裏側『The truth behind APP’s greenwash』」は以下より入手できます(英語のみ)

新たな報告書は、この他にも多くのAPP社による人々を欺く主張を調査し、SMG/APP社の利益主義と環境破壊行動を明らかにしている。それらは、スマトラ固有の森林破壊、トラ、ゾウ、オランウータンの生息地の破壊、APP社が守っているというユネスコ生態圏保護区内部での皆伐、温室効果ガスの大量放出を伴う違法な泥炭地からの排水などである。温室効果ガスの排出量については、APP社1社での温室効果ガス排出量よりも国家としての排出量が少ない国が156カ国にのぼる。

APP社との取引を停止している企業:
Office Depot, Staples, Kraft, United Stationers, Target and Mattel (USA); Idisa Papel (Spain); Metro Group, KiK and Adidas (Germany); Woolworths and Metcash (Australia); Tesco, Sainsbury and Marks & Spencer (UK); Nestlé (Switzerland); Unilever (Netherlands); Ricoh and Fuji Xerox (Japan); Zhejiang Hotels Association (China); Gucci Group (Italy); Lego (Denmark); Leclerc (France). Many others have cancelled their contracts quietly or have committed to avoid buying from the company.

For further information please contact:
Muslim Rasyid, Jikalahari ph: +62 812 7637 233
Hariansyah Usman, WALHI Riau ph: +62 812 7669 9967 Nursamsu, WWF Ilndonesia, Riau-based ph: +62 812 7537 317 Afdhal Mahyuddin, EoF Editor ph: +62 813 8976 8248

アイズ・オン・ザ・フォレスト(Eyes on the Forest)は、スマトラ島リアウ州を中心に森林伐採を監視する、ジカラハリ(Jikalahari "Riau Forest Rescue Network")、ワルヒ(Walhi (Friends of the Earth) Riau Office)、WWFインドネシア、リアウプログラムのNGOの連合体。2004年からスマトラ島リアウ州に残る自然林の状態の調査や、情報発信を行なっています。


 

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