石垣島・白保サンゴ礁での調査概要と結果まとめ(詳細)


No.1 赤土堆積調査
No.2 ウミガメ上陸・産卵調査
No.3 サンゴ定点調査
No.4 水温調査
No.5 生物多様性調査
No.6 サンゴ群落地図調査

No.1 赤土堆積量調査

海に流れ出た赤土は、海水の透明度の低下を引き起こし、サンゴをはじめとする様々な生きものたちに打撃を与えます。
また、赤土がサンゴに堆積すると、白化や壊死を引き起こしてしまうこともあり、沖縄ではサンゴ礁環境の大きな問題となっています。
「しらほサンゴ村」では、センターオープン当初から白保のサンゴ礁内に堆積した赤土の調査を行なってきました。

調査方法

しらほサンゴ村では、2000年8月から、春季、夏季、秋季、冬季の4季(およそ3ヶ月に1度)で赤土の採取を実施しています。
2000年夏季(8月) ~2004年冬季(2月)の15回は白保のアオサンゴ群落から通路川までの32ポイントを、2004年春季(5月)~はモリヤマグチから白保集落前までの27ポイントで調査を行っています。
それぞれのポイントの浜側を1、礁池中央を2、リーフ側を3としています。

各ポイントにはGPSを使って行き、シュノーケルによる潜水で海底表面の砂を採取します。
赤土堆積量の測定には、底質中懸濁物質含量(Content of Suspended Particles in Sea Sediment:SPSS)簡易測定法を用いました。
調査には市民ボランティアの方々に協力いただきました。

また、前回の調査実施日から新しい調査実施日までの降水量を算出し(降雨データは石垣島気象台における実測地を使用)、SPSS値との比較を行いました。

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2004年2月まではA~Lまでの32ヶ所、2004年2月からはA、C~G、X~Zの27ポイントで調査を実施。

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まとまった雨が降ると流れ出る赤土。海が赤く染まる。

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2004年2月までは3班に分かれ、中央とリーフ側の赤土採取はカヌーで移動していた。

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赤土を巻き上げないように気をつけながら、海底表面の砂をすくう。

調査結果

SPSS簡易測定法で出た数値により、底質中の懸濁物質含量と底質状況の関係を8つのランクに分類しました。
ランク5b(SPSS値30 kg/m3~50 kg/m3)以上でサンゴに悪影響が現われはじめるとされ、ランク6(SPSS値50 kg/m3~200 kg/m3)以上で明らかに人為的な影響があるとされています。

2003年春季までの12回分の調査結果では、轟川から流出した赤土は、礁池内における北向きに卓越する海流によって河口の北部域に堆積する傾向が強く、最も堆積量の多い轟川河口周辺4地点では平均値がランク6を超えている状態が続いていました。
これらの4定点での堆積量は秋に最も高く、冬から夏にかけて低下する傾向がみられました。

2003年夏季以降の調査においては、冬から春にかけてSPSS値が高くなる傾向に変化しています。
一方で、年間を通じて河口周辺から北側でランク6以上が恒常的に出現する状況は改善されていません。
陸域での水質保全事業等の対策の効果は十分現れているとはいえず、依然としてサンゴへの負荷は高い状態が続いています。



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分析方法は、小学校高学年であれば出来る簡単な作業。授業でも赤土調査を体験。

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赤土が堆積したハマサンゴ。中央の黒い所は赤土堆積により壊死した。

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赤土堆積量の変貌。棒グラフは各年度の最大値、折れ線グラフは各種平均値を示している。
河口付近4地点とはSPSS値が恒常的に高いE-1、E-2、F-1、G-1の4地点。

2011年秋季からは、白保魚湧く海保全協議会が中心となり赤土調査を行っており、しらほサンゴ村も調査のサポートをしています。今後も結果はHPにUPしていく予定です。

No.2 ウミガメ上陸・産卵調査

八重山諸島ではアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類の産卵が確認されています。これらはすべて世界的に数が減少しており、保護が必要です。しらほサンゴ村では2002年から石垣島ウミガメ研究会と一緒に、上陸・産卵状況の調査をしました。

調査方法

しらほサンゴ村では、2002年より毎年4~9月にかけて、カラ岳東~白保集落の海岸のウミガメ上陸・産卵を行いました。調査範囲をカラ岳東~空港ビオトープ入り口、空港ビオトープ入り口~轟川河口、海垣~白保集落船着場の3つのエリアにわけ、それぞれの浜を歩いて調査しました。

期間中は大体週に1度のペースで浜を歩き、カメの足跡およびピット(産卵の為に掘った穴) を見つけたらGPSにて位置を登録し、足跡の様子から上陸日の推定を行いました。約60日後に巣穴を掘り返し、卵殻や死亡個体数から産卵数及び孵化数を計測しました。

また、巣穴に取り残されてた子ガメや死亡個体から種を確定しました。調査には石垣島ウミガメ研究会メンバー、市民ボランティアの方々が協力してくれました。調査をするにあたり、石垣島ウミガメ研究会を通じて沖縄県に特別採補許可をうけています。

調査結果

ウミガメは約2週間間隔で年1~5回、2~3年毎に産卵すると言われています。白保海岸では、石垣では珍しくアカウミガメが多く上陸・産卵することが分かりました。毎年上陸・産卵があるものの、数にばらつきが大きく、2006年以降は上陸・産卵数が多い年、少ない年という様に交互になっています。

八重山諸島が北太平洋のアカウミガメ産卵の最南端であることを考慮すると、産卵数は多くないものの、白保のアカウミガメ産卵場としての意味合いは重要であると言えます。2010年にはタイマイの上陸・産卵も確認しました。

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種が特定出来なかったものは、足跡の形から、アカウミガメ・タイマイと思われるものは
「アカ型」、アオウミガメと思われるものは「アオ型」で表した。

 

白保海岸はサンゴレキが多く浜も砂利っぽいため、親ガメが卵を産むための穴が掘りにくく浅くなるため、温度が上がりすぎて孵化に影響を与えたり、大きなサンゴレキが脱出の際の妨げの一因となっていて孵化率や脱出率を下げたりしている可能性があります。

また、ウミガメの産卵・孵化に悪影響を与えるとされる車の走行も多く、砂が踏み固められている所や深い轍が目に付きます。過去には産卵巣の上で火を熾すなど、浜でのキャンプ、バーベキューなどのレジャーによる被害もありました。新石垣空港に隣接した浜はウミガメの上陸・産卵が多く、今後空港共用使用による照明や騒音による阻害が心配されます。

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産卵に来る親ガメは光や音に敏感で、産卵せずに海に帰ることも多い

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1人~数人で浜を歩いて調査。

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アカウミガメの上陸跡。台風や大雨がなければ、1ヶ月以上跡が残っている場合もある。

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卵殻の総数を計測し、孵化率を算出。

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漂着ゴミにより行く手を阻まれるアカウミガメの子ガメ。

No.3 サンゴ定点調査

しらほサンゴ村では、2002年からサンゴの方形区の定期的な写真撮影を実施し、それらの変化からサンゴ礁環境のの変遷とその変化の要因を推定する調査を行いました。

調査方法

赤土堆積状況調査の調査地点の一部で、環境の異なる4地点(G-3、G-2、C-3、C-2)に、サンゴ被度が比較的高く、かつ多様なサンゴ種群が含まれるような場所をそれぞれ5個選び、合計20個の永久方形区を設け、2002年12月から1~数ヶ月毎に写真撮影をしました。

2007年9月からは大規模白化の影響を受けてG-3、G-2、C-3の3ヶ所でさらに3個増やし、合計29個の方形区の写真撮影を行いました。

方形区の大きさは1m×1mで、写真から目測でサンゴ被度を測定しました。

サンゴ類の被度に大きな変化が見られた場合、画像の変化等から環境負荷とサンゴ類の減少要因を推定しました。

調査結果

ほとんどの方形区でサンゴが減少し、中には消失した所もありました。

方形区の撮影画像より推定された減少要因で、13例の不明を除くと、総計でもっとも多く確認されたのが白化の13例で、次いで台風11例、疾病8例、その他6例、人為的破壊2例となりました。

その他の内訳として、砂の被覆による死亡1例、テルピオスによる被覆3例、石灰藻による被覆1例、群体性ホヤによる被覆1例、赤土の影響1例でした。

ただし、石灰藻及び群体性ホヤに関しては、生物による被覆がサンゴの死亡の原因であるか、サンゴの死亡によって生じたものかの区別はついておらず、後者である可能性も高いと思われます。

 

 


C-3-d

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※方形区の地図上での相対的位置や長さは実際とは異なります。

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撮影風景。方形区には、50cm×50cmもしくは1m×1mのコードラートを置いて撮影した。

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2002年11月撮影。この時のサンゴ被度は40%前後と高い値。枠は50cm×50cm。

2005年3月撮影。2年半の間に、疾病、台風、人為的な被害にあい、サンゴが壊れる。この時の被度はすでに10%を切っている状態。枠は50cm×50cm。

2009年6月撮影。2005年の夏の台風で数%まで被度が下がるものの、その後緩やかに増加していたが、2007年の白化で再び数%の被度となる。枠は100cm×100cm。

2007年のサンゴの大規模白化から回復していく様子も撮影されました。

G-2-g

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2007年9月撮影。ごく僅かな部分を残して、ほとんどが白化したハマサンゴ。

2008年1月撮影。まだ白化した所が見られるものの、大部分で褐虫藻が戻ったと考えられる。

2009年1月撮影。すっかり元に戻ったサンゴ。

 

No.4 水温測定

しらほサンゴ村では、センターオープン時からサンゴ礁の海水温データを記録し、サンゴ定点調査や測線調査時のサンゴ変化の環境要因として利用してきました。潮の干満による水温の変化や、白化を引き起こした高水温の記録、台風による海水の拡散により水温が下がる様子など、海を状況を知る上で大事なデータとなっています。

調査方法

赤土堆積状況調査の調査地点の一部で、環境の異なる4地点(G-3、G-2、C-3、C-2)に、水温ロガー(自動計測記録機)(HOBO Water Temp Pro及びHOBO Water Temp Pro2)を設置しました。C-3は2000年8月、他の3ヶ所は2002年7月から10分間隔で計測し(C-3の2000年8月~2002年5月の期間は30分間隔にて計測)、方形区撮影と併せて、1~数ヶ月毎に水温計を交換しました。

設置場所の水深は、G-3が約-1m、G-2が約1~2m、C-3が約-3~5m、C-2が約1mとなっています。

調査結果

2007年夏季の八重山海域で見られた大規模な白化現象は、白保サンゴ礁にも大きな影響を与えました。水温ロガーは白化が起こった要因である水温変化を刻々と記録していました。その時のC-3の様子が右のグラフです。一般にサンゴの白化は水温が30℃以上の状態が長く続くとおこるとされています。6/27に30℃を越えてから、水温は徐々に上昇し続け、7/13まで常に日最高気温が30℃以上を記録し続けました。台風4号で一旦下がるものの、十分な効果はなく、その後水温は上昇を続け、23日には日最低水温が30℃を越え、1日を通じて30℃を下回らなく なりました。この状態は30日までの8日間続き、このころ白化が急速に拡大し、礁池内の深い場所まで影響がおよんだのではないかと考えられます。30℃以上の積算時間をみると、6月は平年(2003~2006年)並みですが、7月になると急激に増加し、平年の4倍以上となっています。7月における水温の大幅な上昇は降水量の少なさと台風の接近数の少なさに原因があると考えられています。8月には台風6号、7号、8号が相次いで接近したことにより、その後は日平均水温が30℃を下回る状態となりました。

2007年以降も30℃を越える時間が多くなっていますが、これも台風の接近数が少なかったことが考えられます。

他にも、2011/1には低温白化の要因となる水温18度を下回る時間がG-3で150時間を越えているのも記録されています。

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(図2) 水温ロガーを設置した中で一番水深の深いC-3のデータからグラフを作成。
台風が来るたびに水温が下がっているのが分かる。クリックすると拡大します。

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水温ロガーは、定点調査用に設置した杭に取り付けた。

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白化したサンゴ。2007/8/4撮影

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2007年の大規模白化の時にはイソギンチャクやギーラ(シャコガイ) も褐虫藻が抜け出て、真っ白になった。

No.5 生物多様性基礎調査

サンゴ礁域では赤土問題などの環境負荷の増加によるサンゴ礁生態系への悪影響が懸念されており、しらほサンゴ村では、2002年から主要な環境汚染源と考えられる赤土の堆積量と礁池内におけるサンゴ被度の関係性と、あわせて底質、底生生物や魚類の調査を行いました。

調査方法

赤土堆積状況調査の調査地点の一部で、環境の異なる4地点(G-3、G-2、C-3、C-2)に、それぞれ50mの測線をほぼ南北方向に2本、20~30m程度はなして設置し(計8測線)、東側の測線をEast、西側の測線をWestとしました。予備観察から礁池中央(C-2、G-2)より礁嶺(しょうれい(サンゴ礁の海側のもっとも高い緑))付近(C-3,G-3)でサンゴ被度が高く、C-3とG-3、C-2とG-2はそれぞれ同程度のサンゴ被度でした。

調査は2002~04年、09年、10年は秋に1度、2005~2008年は春と秋の2度調査を行ない、台風シーズン前とシーズン後のサンゴ被度の比較も行いました。

サンゴ、底質、底生生物は測線を中心とした2m幅の範囲を、魚類は移動性の高さを考慮して幅5mの範囲を対象とし、それぞれ1mごとに測定する潜水調査を年1~2回行い、サンゴ礁環境の変遷とその変化の要因を推定しました。サンゴおよび底質は、10cm間隔に細分し100等分した1m四方の方形枠を指標として、垂直方向から観察を行い、サンゴ及び底質の各群の被覆面積を目測で評価しました。底生生物は可能な限り種レベルまで分類し個体数を数え、群体性の種については被度を評価しました。魚類は他の調査員による攪乱(かくらん)を避けるため単独でかつ他の調査と15分以上の時間間隔をあけるか他の調査に先行して行い、原則として種レベルまで分類し個体数を数えました。

また、2007年の大規模白化の時には、G-3、C-3のサンゴ白化状況と被度変化を調べました。
調査には研究者をはじめ、市民ボランティアの方々の協力のもと行われました。

調査結果

すべての測線でサンゴの減少が確認されましたが、礁池中央よりサンゴ被度の高い礁嶺付近の測線で減少率が大きく、それは赤土の平均堆積量の大小に関わりはありませんでした。
また、サンゴ被度の減少は主にミドリイシや枝状コモンサンゴが減少することによって引き起こされており、その多くが2004年から2005年にかけて引き起こされていることが判明しました。これらの減少の要因は2004年、2005年に多数襲来した台風の波浪によるものと考えられます。底質は全測線で一貫した傾向は見られませんが、砂の移動や死サンゴの増加による礁嶺の増加を示しています。

一方、底性生物は測線によって異なりますが、被覆性海綿類、被覆性群体ホヤ類など、着定基盤をめぐってサンゴと競合関係にある生物の増加が見られたことから、サンゴの減少とも何らかの関連があるものと思われます。魚類は、優占する一部のスズメダイ類などサンゴ被度と正の相関が見られましたが、経年変化は検出されませんでした。これは、これらの種が必ずしも生サンゴに依存せず、立体構造が維持される限りは生息場としての機能を果たすためかもしれません。
また、2007年の大規模白化に行った臨時調査では、6月~8月の間の底質の変化や群体の破壊の様子等から、台風による攪乱の影響があったと考えられ、2007年春季調査時から平均34%の減少が確認されました。

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No.6 サンゴ群落地図調査

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※測線の地図上での相対的位置や長さは実際とは異なります。

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ボランティアによるサンゴ被度調査。

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ナマコなどの低生生物なども調査しました

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移動性の高い魚類のカウントはなかなか大変

白保サンゴ礁と言えば、北半球最大級のアオサンゴ群落が有名ですが、2004年の猛烈な台風により海底から大量のサンゴ礫がアオサンゴ群落に覆いかぶさり、広域におよぶサンゴ礁が被害を受けました。このことをきっかけに、アオサンゴ群落の範囲の分布状況を確かめ、被害状況を明らかにすることや適正な海の利用をする上で重要になるサンゴ群落の地図作りが2006年に行われました。

また、2007年8月には白保海域も海中公園地区に指定され、2007年にはアオサンゴ群落のある海域と並んで観光利用が盛んなエリアの調査も実施しました。

2006年から5年後の2011年には、地元の白保魚湧く海保全協議会が中心となってアオサンゴ群落の地図更新も行いました。

調査方法

あらかじめ測量を行ない、2006年はアオサンゴ群落海域、2007年は観光利用が盛んな第2ポール周辺の補正した航空写真をもとに、調査用地図を作成し、実際に海に行って、見られるサンゴの種類や、被覆密度(一定の広さの海底に、どれくらいの生きたサンゴが見られるか)が同様の場所を1つの範囲をして区切り、図面に書き込んでいきました。

また、範囲を代表している場所で写真を撮りました。調査シートを元に、航空写真に反映させて、地図を作成しました。

2006年はWWFのエコ・パートナーズ事業、2007年はWWFの委託事業として研究者に調査をお願いしました。

2007年はサンゴの大白化が起こったこともあり、第2ポール周辺エリアの調査と併せて、白化している造礁サンゴの被覆密度も記録しました。

2011年のアオサンゴ群落地図更新の際には、2006年の地図を元に、新たに範囲をくくり直すなどして地図を更新しました。調査には、06年に実施した研究者を講師に招き、白保魚湧く海保全協議会と共同で行いました。

調査結果

<アオサンゴ群落エリア>

この調査により、以前よりも正確なアオサンゴの分布域が明らかになりました。アオサンゴは南北約300m 東西150mにわたって分布していますが、その生育密度は一様ではなく、ユビエダハマサンゴや塊状ハマサンゴなど、他のサンゴが混在している場所も見られます。
その中心部のアオサンゴが優先して生育している範囲(図中の白線で囲んだ範囲)の面積を測定すると、およそ2万6,000 平方メートルということが分かりました。
サッカーグラウンド面積が7,140 平方メートルですから、およそ3.6 個分ということになります。

2011年のアオサンゴ群落地図更新までの5年の間、2007年の大規模白化や台風による被害などもあり、2011年の調査結果では全体の被度は5年前と比べて減少しているものの、アオサンゴの被度は変わらず、ユビエダハマサンゴやその他のサンゴの減少が寄与していると考えられます。
北部と南部で被度の増減に差が出ており、水深、海流、水温、地形等の環境要因の影響により成長や死亡率に差が出たと思われます。

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アオサンゴ群落エリア調査結果 左:2006年種構成、右:2011年種構成 2006年は多種のサンゴが見られたものの、2011年にはサンゴの種数が減り、単調化した様子が分かる。

<第2ポール周辺エリア>

アオサンゴ群落エリアとは違い、塊状ハマサンゴやユビエダハマサンゴが多く、次いでミドリイシやコモンサンゴ、シコロサンゴ、ハナヤサイサンゴ、キクメイシ等の多種混成の範囲が多く見られ、アオサンゴ群落エリアよりも様々な種のサンゴが混成して群集を形成していることが分かりました。

白化状況については、エリアを区分した範囲のほぼ全てでサンゴの白化が見られ、また、高い割合で白化が起こっていることが分かりました。

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目印となる第1ポールにて測量中

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サンゴの状況が類似した連続した範囲をくくりながら、サンゴ被度と種構成を記録。

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陸とは違い海は目印が少ないので、あらかじめ特徴的な地形をGPSに登録しておいて、随時場所を確認した。

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第2ポール周辺エリア 2007年種構成
アオサンゴ群落エリアとは違い、多種のサンゴが見られる。
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WWFサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」のサイトへ

 

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