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与論島のサンゴ礁を守ろう!教育冊子『ヨロン島とサンゴ礁』

この記事のポイント
世界的にも貴重なサンゴ礁が残る、日本の南西諸島の海。九州南部から奄美、沖縄、先島諸島まで連なるこの島々のサンゴ礁は今、度重なる白化現象や陸域からの赤土の流出などにより、各地でサンゴが減少し生態系が劣化し続けています。その中で、WWFジャパンは、広大なサンゴ礁環境が広がる与論島で、地元の子どもたちに向けの環境教育用の教材『ヨロン島とサンゴ礁』を作成しました。この冊子は、島内の小学校で配布され、地域が主体となった、長期的なサンゴ礁の保全の取り組みの一環として活用されます。

与論島のサンゴ礁を守るために

鹿児島県の最南端に位置する与論島は、サトウトウキビ畑が広がる農業が盛んな島です。また、外洋に面した島の周囲が多くのサンゴ礁で囲まれた島です。

与論島の主な産業は農業。島はサトウキビ畑に覆われています。
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与論島の主な産業は農業。島はサトウキビ畑に覆われています。

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特に、島の東側には浅く広いサンゴ礁が広がり、かつては多くのサンゴと、魚や貝などの生きものたちの豊かなすみかとなっていました。島の人は、農作業の帰りにサンゴ礁へご飯のおかずとして貝や魚を採っていそうです。身近なサンゴ礁が豊かだった時代、人々とサンゴ礁の距離はとても近く、サンゴ礁の恩恵を受けながら暮らしていました。

しかし、40年ほど前からサンゴが減り始め、今ではほとんど見られなくなってしまいました。

原因は、島のサトウキビ畑などから地下水を通して、サンゴ礁に流れ出る肥料などの栄養分。これが、海水の水質を大きく変えてしまったことによる影響が原因の一つと考えられています。

与論島北沖に広がるサンゴ。水深12mほどのこの海域には、まだ多くのサンゴが生きています。
©WWF Japan /R.Suzuki

与論島北沖に広がるサンゴ。水深12mほどのこの海域には、まだ多くのサンゴが生きています。

サンゴが減ってしまったことで魚や貝が減り、人々とサンゴ礁との関係は次第に離れてしまいました。さらに島の人たちは自分たちが暮らす周り海への関心が薄れてしまいました。

この問題を解決するためには、身近なサンゴ礁への関心を高めるとともに、島の行政関係や農業者の方々に、問題の構造を理解し、サンゴ礁を守るためには、どのような対応が必要かを、共に考え、実施していただく必要があります。

そこでWWFジャパンでは、地元団体や、専門家の協力を得ながら、陸域からサンゴ礁の海域に及ぶ影響を減らす方法について検討を重ね、その結果を伝え、対策を呼び掛ける取り組みを行なってきました。

与論島のサンゴ礁を守るために

この対策の一つとして重視してきたのが、島内の子どもたちへの環境教育です。

地元の海を知り、その豊かさと大切さを理解して、未来を考えていく上で、こうした環境教育は大切なアクション。

実際、与論島では、地元のNPO法人「海の再生ネットワークよろん」が、長年にわたり、小学校でサンゴ礁の環境教育に取り組んできました。

しかし、こうした授業に使う教材がなかったため、WWFではこの教材づくりを支援。
2020年3月に、これまでの授業の内容をまとめた教材用の冊子『与論島とサンゴ礁』を作成しました。

環境教育冊子『与論島とサンゴ礁』。この冊子は住友生命保険相互株式会社よりご支援を頂き、WWFジャパンが制作しました。

環境教育冊子『与論島とサンゴ礁』。この冊子は住友生命保険相互株式会社よりご支援を頂き、WWFジャパンが制作しました。

この冊子は、サンゴ礁についての解説はもちろん、そこで見られる生きものを島の方言で紹介したり、今は失われてしまった昔のサンゴ礁の写真も掲載するなど、与論島の海の自然を、多角的に捉え、伝える工夫がこらされています。

また、与論島でのサンゴ礁保全の取り組みも紹介。
与論島のサンゴ礁を未来に向けて守っていく上で、何が対策として必要なのかを、子どもたちに考えてもらえる内容になっています。

この冊子は4月以降、島内の小学校に配布され、授業で活用されます。
WWFではこれを多くの子どもたちに読んでもらい、自分たちの島のサンゴ礁を大切に思う気持ちを育ててほしいと願っています。

©海の再生ネットワークよろん
与論町教育委員会への贈呈式の様子。

©海の再生ネットワークよろん

資料の閲覧

この冊子は、「ヨロン島とサンゴ礁」で閲覧することができます。

資料名:与論島とサンゴ礁
ファイル形式:PDF
ファイル容量:3.5MB
発行年月:2020年3月

引用や利用に際しての注意事項:本冊子記載内容の無断転載は固くお断りします。

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