モザンビークに、アフリカ最大の沿岸海洋保護区が誕生


アフリカの南東部に位置する国・モザンビークの北部沿岸に広がるプリメイラス・セグンダ諸島(Primeiras and Segundas)が、このほど、海洋保護区としてモザンビーク政府から正式に認定されました。多様な環境を持つ10の島々が連なるこの海域の保護区指定によって、アフリカ最大の沿岸海洋保護区が誕生することとなりました。

地元住民と政府の認識が一致

新たな保護区となったのは、モザンビーク北部の沖合に位置する多島海で、104万926ヘクタール以上(岐阜県より少し小さい面積)の広さがあり、さまざまな種類のサンゴが生育し、絶滅のおそれのあるウミガメ類も多く観察されています。

WWFは、この海洋保護区で8年にわたり、乱獲や無認可の観光事業などによって海洋生態系が脅かされる状況を改善するための活動を続けてきました。WWFモザンビーク地域のフロレンシオ・マレルア代表は、新しい海洋保護区の誕生に際し、次のように述べています。

「保護区の設立は、自分たちの資源を守ろうとする地元住民たちの訴えに対して出されたすばらしい結果です。また、モザンビークの海洋資源を保全しながら、持続可能な利用のための管理を実現していく上での重要な一歩でもあります」。

「新しく指定された保護区一帯は、世界的に重要な地域として、モザンビーク沿岸に存在するその他の海洋保護区の仲間入りをすることになるでしょう。特筆すべきは、政府と地元住民たちの両者が、この海域の海洋資源を守ることが有益であると認識していることです」。

「共に尽力した全ての関係者を称えたい」

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プリメイラス・セグンダ諸島の海岸線

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地域住民から水産会社まで、さまざまな人々が漁場として利用している

プリメイラス・セグンダ環境保護区には、モザンビーク沿岸でも最も丈夫で多様なサンゴの群落が見られ、豊かなマングローブ林、海洋生態系、深海峡谷や広大な藻場を有しています。

海底から海面に向かって流れる栄養豊富な冷たい海水のおかげで、他の海域で問題となっているサンゴ白化現象も見られません。そのため、地球上で最も繁殖力のある重要なサンゴ礁のひとつであると考えられています。

WWF海洋プログラムの責任者を務めるジョン・タンザーは、「政府によるこの保護区の選定は、住民たちの持続可能な資源利用を後押しするには、海洋資源の保護が必要であるという政府の理解と配慮を体現したものといえます」と指摘しています。

「このすばらしい場所の天然資源を守ることは、地域住民の長期的な食料と生活を確保するために大変大きな意味を持ちます。また、世界の海洋環境の未来を守るために、モザンビーク政府が多大なる貢献をしたともいえます。これを可能にするため共に尽力した全ての関係者を称えたいと思います」。

持続可能な利用のための重要な一歩

この海域は、経済的に大変重要でもあります。地元の漁業者から水産企業に至るまでが、同じ海域で操業してきたからです。そのため、この海域で行なわれる全ての漁業活動において、絶滅の危機にある生物を含む海洋生物の乱獲の兆候が見られることが懸念されています。

アフリカ最大の海洋保護区の誕生が、豊かな海洋生態系の保全と、持続可能な自然資源の利用の両立を実現させる布石となっていくことが期待されています。

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ツノメガニ

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アオウミガメ

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ヤシガニ

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