© Martin Harvey / WWF

レスキューと言う勿れ!サーバルの違法取引事件


先だって、WWFアメリカの仲間が、米国の司法省が公表した野生生物取引に関する事件について教えてくれました。

“ExoticCubs.com”というサイトを通じて事業を行なっていたニューヨーク州在住の男が、野生のサーバルとカラカルの幼獣を違法に販売した罪で逮捕・起訴され、1年半の懲役の判決が出たというものです。

事件を伝えるニュース動画のスクリーンショット。
救命活動とは名ばかりである証拠に販売されたサーバルとカラカルのうち複数頭が、犯人の手元で、または販売直後に死亡したそうです。
無事に保護された個体は、認定保護施設に収容されました。 出典:ABC News

子どもの時のサーバルとカラカルは愛らしいですが、いずれも成長すれば大きな個体で体重20Kg近くの大きさになる肉食の野生動物です。

犯人は、多数のサーバルとカラカルの幼獣をイエネコとの雑種であるサバンナキャットやベンガルと偽称して違法に輸入し、1頭7,500~10,000米ドル(日本円で100万円前後)の価格で無許可販売していました。

© Martin Harvey / WWF

カラカル(Caracal caracal)はアフリカからインドにかけて生息しています。開発による生息地の減少や家畜を襲った報復に殺されることなどがこの種の脅威となっています。国内でのペット飼育は2020年6月より禁止されています。

© Martin Harvey / WWF

某アニメで知名度と人気が高まりました。現在、国内でのペット目的のサーバル(Leptailurus serval)の飼育は動物愛護管理法で禁止されています。

悪質なのは、こうした野生動物の取引・所有に対する州の規制をすり抜けるために、取引を「サーバルやカラカルを守るためのレスキュー活動だ」と偽っていたことです。
野生動物の子どもさらっておいて、よくもいけしゃあしゃあとレスキューなどと言えたものです。

残念ながらこうしたペット目的の野生動物の違法取引は海の向こうだけの話ではありません。

日本でも毎年何頭もの野生動物が税関で差し止められたり、国内で押収されたりしています。ペットを取り扱う事業者がこうした違法行為に関わっていた事例もあります。

みなさんの周囲にもこうしたエセレスキュー行為がないか、一緒に目を凝らしてください。かわいい、かわいそうの気持ちだけで野生動物を飼育することはできませんし、購入して飼うことは野生動物を守ることにもつながりません(野生生物グループ・若尾)。

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淡水・教育・PSP室
若尾 慶子

水田多様性PJのコミュニケーションを中心にTRAFFICの仕事も少し。

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界への賛同者を増やしたいと願う酒好き四十路です。

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