アルメニア・エレバン、生物多様性COPの現場から
2026/10/27
アルメニア・エレバンで開催されている生物多様性条約会議CBD-COP17に、WWFインターナショナル代表団の一員として参加しています。
2週間にわたって開催される会議には、1万人を超える参加者が世界中から集まっています。
いろいろな国のWWFからも多くのスタッフが現地入りしており、各国政府への働きかけを行なう政策担当、記者対応や情報発信を担うコミュニケーション担当、イベント運営スタッフ、代表団全体の調整を担うコーディネーター、そして開催国であるWWFアルメニアのスタッフに加え、WWFインターナショナルの総裁や事務局長も参加。それぞれの役割で、CBD-COP17で野心的な成果が得られるよう活動しています。
今回、WWFジャパンからの参加は私1名です。日本に向けた発信や提言活動、メディア向けの情報提供を主な業務としながら、WWFインターナショナル代表団の政策チームの活動にも参加しています。

会場にあるWWFアルメニアのブース。毎日、夕方に行なわれるポリシー・ハドル(政策担当ミーティング)に関係スタッフが集まる。
政策チームの活動の中でも、非公開で行なわれる交渉の議事録作成(note-taking)は、地味ですが重要な役割のひとつです。これは単なる記録ではありません。どの国がどのような発言や修正提案を行なったのか、その背景にある考え方を整理し、今後の働きかけや戦略に活かしていくための重要な情報となります。
議事録作成は1時間ごとの交代制です。各国の発言や交渉文書の修正案を聞き漏らさず記録するには、高い集中力が求められるためです。特に夜遅くまで続くコンタクトグループでは、英語での議論を追いながら要点を記録するのはなかなかの緊張感で、耳とタイピングの手が追い付かず焦ることもしばしばです。
一方で、ベテランのスタッフたちは、議事録作成こそが交渉のダイナミズムを学ぶ最良の方法だと言います。確かに、各国交渉官や議長の発言を一つひとつ追いながら記録することで、交渉のルールや慣行、発言の背景にある立場や考え方が自然と頭に入ってきます。

CBD-COP17コンタクト・グループ(非公開交渉セッション)の様子
長年、生物多様性条約の交渉を担当してきたWWFのベテランスタッフたちが、交渉の動向を分析し、各国への働きかけや発信を行なう姿を間近で見られるのは貴重な経験です。
2年に1度の生物多様性会議は、国際交渉とアドボカシーの現場を学ぶ、まさに“武者修行”の場。今回の経験もしっかり活かしながら、ここでの知見を持ち帰り、日本での生物多様性保全に活かしていきたいと思います。

