ナイロビ国連事務局、国際交渉の現場から
2026/08/06
ナイロビで開催されている生物多様性条約(CBD)の国際会議に、WWFインターナショナル代表団の一員として参加しています。
3週間にわたる長丁場の会議には、入れ替わりも含めて約30人のWWFスタッフが世界各地から参集します。
会場では朝から晩まで、各国の政府代表や関係者が廊下や会議室の外でも議論を続けています。交渉日程も深夜までびっしりと組まれており、議論が途切れることはありません。

ナイロビでのプレナリー(本会議)の様子。今回の会議は、今年10月に開かれる条約の締約国会議(CBD-COP17)の前哨戦にあたる予備会合です。世界の生物多様性保全の進捗レビュ―に向けた、大事な役割を担っています。
今日は、あまり知られていない、「WWFが国際交渉でどのような役割を担っているのか」を少し紹介したいと思います。
国連条約の会議の主役は、各国政府です。オブザーバーであるNGOには発言の機会は多くなく、決定権もありません。
しかし、私たちは、単に会議を傍聴しているわけではありません。むしろその逆で、数か月前の準備段階から会期間中にかけて、積極的な働きかけを行なっています。
会議前には、重要議題に関するWWFの提言をまとめ、各国政府に共有します。多くの政府と直接対話も重ね、提言が国の方針の検討材料として活用されたり、提案内容に反映されたりすることもあります。
WWFスタッフが政府代表団の一員として参加している国もあります。
会議本番では、交渉中の文書に対するWWFの提案を政府代表へ共有し、意見交換します。このほか、関係国の対話を後押したり、サイドイベントを主催したりもします。

掲示板で表示される会議予定。重要な交渉は「コンタクトグループ」で行なわれます。WWFも参加していますが、非公開会合のため、交渉内容を記事にすることはできません。
WWFがこうした役割を担える背景には、世界約100か国で活動するネットワークと、環境課題や現場の実践に関する専門性があります。
国際交渉では、各国が自国の利害だけでなく、共通の目標に向けて前進することが求められます。そうした中で、国際NGOの存在は欠かせません。
ここでの議論と合意が、生物多様性の未来を拓くものとなるように、世界のWWFの仲間たちと一緒に、残りの会期を走り抜きたいと思います。



