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生物多様性条約COP17会議について

この記事のポイント
2030年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せることを目指す「ネイチャーポジティブ」。その実現に向けた国際目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(KM-GBF)」が採択されてから4年がたち、2026年は、2030年目標に向けた折り返しの年にあたります。アルメニア・エレバンで2026年10月19~30日にかけて開催される生物多様性条約締約国会議(CBD-COP17)では、世界的な進捗と今後の行動を議論する初めての「グローバルレビュー」が実施されます。生物多様性の損失が続き、気候変動の影響も深刻化する中、このグローバルレビューを資金動員や自然を損なう資金フローの転換、社会・経済システムの変革を含めた行動強化につなげられるかが最大の焦点となります。
目次

ネイチャーポジティブの世界目標の中間評価にあたるCOP17

基礎情報:CBD-COP17

会議名:生物多様性条約第17回締約国会議(CBD-COP17)、カルタヘナ議定書第12回締約国会議(COP-MOP12)、および名古屋議定書第6回(COP-MOP6)同時開催
開催期間:2026年10月19日~30日
議長国:アルメニア
開催地:アルメニア・エレバン(Yerevan)

世界の生物多様性保全を話し合う国連会議

生物多様性の損失が過去50年以上にわたって続いています。近年は、深刻化する気候変動の影響も相まって、食料、水、防災など、人々の暮らしや経済を支える自然の基盤が各地で脅かされています。

WWFがCBD-COP17に先駆けて公開した『生きている地球レポート2026』では、世界の生物多様性の豊かさが1970年から2022年までの間に約73%減少したことが示されました。

1970年から2022年までの間に、調査対象となった5,790種の野生生物(脊椎動物)の個体群の大きさの変化の平均を示したもの。

1970年から2022年までの間に、調査対象となった5,790種の野生生物(脊椎動物)の個体群の大きさの変化の平均を示したもの。

世界のGDPの約半分以上が自然に依存しているとされるにもかかわらず、自然を損なう経済活動への資金は年間約7.3兆ドルと推定されています。一方、自然の保全や回復に向けられる資金はわずか約2,200億ドルにとどまり、その差は30倍以上にのぼります。

そんな中、アルメニアのエレバンで、2026年10月19日から30日までCBD-COP17(生物多様性条約第17回締約国会議)が開催されます。ホスト国アルメニアは、CBD-COP17のテーマに「Taking Action for Nature(自然のために行動する)」を打ち出しています。

2030年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の世界目標の達成が危ぶまれる中、CBD-COP17は各国が行動を大幅に強化できるかどうかを左右する重要な節目となります。

CBD-COP17の議論のポイント

「ネイチャーポジティブ」は民間分野で広く使われる用語ですが、国際的には、196か国・地域が加盟する生物多様性条約(CBD)において2022年に採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組(KM-GBF)」の2030年ミッションがこれに相当します。

KM-GBFは2030年までに達成すべき23のターゲットで構成され、生物多様性の保全、自然の持続可能な利用と公正・衡平な利益配分に加え、それらを実現するための政策や資金動員など幅広い分野を対象としています。

このうち実現手段に関するターゲットには、あらゆるレベルの意思決定における生物多様性の主流化(ターゲット14)、ビジネスによる情報開示や負の影響の削減(ターゲット15)、生物多様性に有害な補助金などのインセンティブの見直し(ターゲット18)、資金動員(ターゲット19)といった目標も含まれます。

このようにKM-GBFは、ネイチャーポジティブの実現に向けた具体的な目標と実施の道筋を示す包括的かつ野心的な国際枠組みです。各国には、政府横断的な体制のもと、民間企業や地域社会などの多様な主体の参画を確保しながら、その達成に取り組むことが求められています。

KM-GBFの2050年ビジョンと4つのゴール(A~D)および23の2030年ターゲット(WWFジャパン作成)。

KM-GBFの2050年ビジョンと4つのゴール(A~D)および23の2030年ターゲット(WWFジャパン作成)。

今回のCBD-COP17は、このKM-GBF実施の中間評価にあたる初めての「グローバルレビュー」の場となります。2030年ターゲットの達成に向けた進捗不足が指摘される中、グローバルレビューをいかに行動の強化につなげられるかが最大の焦点です。

一方、7月27日から8月12日にかけてケニアのナイロビで開催された準備交渉では、資金不足や今後の資金動員のあり方をめぐって意見の隔たりが見られました。また、CBD-COP17ではグローバルレビューに加え、資金メカニズムやカリ基金など条約の重要なルール形成に関する議論も予定されており、各国がどこまで協調的な成果を目指せるかが問われます。

以下にWWFジャパンがCBD-COP17で特に注目している3つのポイントをご紹介します。

注目点① 「グローバルレビュー」~2030年目標達成に向けた行動の加速につなげられるか
注目点② 交渉の難所、資金動員で前進ができるか
注目点③ 自然を損なう資金フローの転換 ~補助金などのインセンティブと企業・金融の役割

注目ポイント①「グローバルレビュー」~2030年目標達成に向けた行動の加速につなげられるか

2030年までのKM-GBFの実施は、各国がKM-GBFを踏まえて「生物多様性国家戦略(NBSAP)」や国別目標を策定し、実施することを通じて進められます。

また国際的には、2年に一度開催されるCOPを通じて「計画・モニタリング・報告・レビュー(PMRR:Planning, Monitoring, Reporting, and Review)」と呼ばれる、KM-GBFの実施状況を確認し、改善につなげる仕組みが設けられています。

今回CBD-COP17では、このPMRRの中核的な要素のひとつとして、枠組採択後初となる世界全体の進捗評価である「グローバルレビュー」が実施されます。

KM-GBFのレビューメカニズム(COP15決定(Decision 15/6)および COP16決定(Decision16/32)をもとにWWFジャパン作成)

KM-GBFのレビューメカニズム(COP15決定(Decision 15/6)および COP16決定(Decision16/32)をもとにWWFジャパン作成)

グローバルレビューの仕組みと構造的な制約

グローバルレビューは、国連気候変動枠組条約のパリ協定における「グローバルストックテイク」に似たような仕組みと言えますが、重要な違いがあります。

ひとつ目は、各国におけるフォローアップの義務的な仕組みが無いことです。パリ協定では、グローバルストックテイクの結果を踏まえながら、各国が5年ごとに「NDC(国が決定する貢献)」をより野心的な内容へ更新することが求められているのに対し、KM-GBFのグローバルレビューでは、その結果を受けたNBSAPや国別目標の見直し・強化は任意にとどまっています。

このためCBD-COP17では、グローバルレビューを各国の行動強化につなげるための共通の取り組みやフォローアップ措置について、どこまで合意できるかが焦点となります。

もし十分な成果が得られなければ、グローバルレビューは単なる進捗確認に終わり、明らかになった課題を行動につなげられないおそれがあります。KM-GBFの前身である愛知目標では、その実施が各国の自主性に大きくゆだねられた結果、達成が不十分に終わりました。

そうした意味で、初のグローバルレビューは、歴史上最も野心的な生物多様性枠組として採択されたKM-GBFの実効性を問う試金石となります。

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二つ目の違いは、わかりやすい「ものさし」の欠如です。パリ協定には、「温室効果ガス排出量」と「世界の平均気温」という共通の指標があり、各国の目標やその積み上げによって、世界全体でどの程度のギャップがあるのかを比較的明確に可視化することができます。

一方、本質的に複雑な生物多様性を対象とするKM-GBFでは、各国の目標や進捗を単一の尺度で比較したり、それらを積み上げて世界全体の達成状況や不足分をわかりやすく評価したりすることは困難です。

もちろん、KM-GBFにおいても、モニタリング枠組み(進捗評価の指標群など)が整備され、各国から提出されたNBSAPや国別目標、進捗報告をもとに、各ターゲットの目標の積み上げや進捗状況の丁寧な評価が行われています(後述の「グローバルレポート」参照)。

しかし、グローバルレビューでは、どの国がどの分野でどの程度の取り組みを行なうべきなのか、また、各国の目標や取組が世界全体の目標達成に照らして十分な水準にあるのかを明確に比較・評価することはできません。さらに、非介入的・非懲罰的な仕組みとして設計されているため、特定の国の取組不足を可視化したり改善を促したりすることも想定されていません。

このことの大きな弊害として、生物多様性の損失の多くがグローバルなサプライチェーンや金融など、経済システムによって引き起こされているにもかかわらず、各国が比較的取り組みやすい自国領域内の保全目標(例えば、陸域と海域の30%を保全する「30by30」を掲げるターゲット3)に重点を置きがちなことが挙げられます。実際に、こうした社会・経済システムの変革に関するターゲットの遅れが指摘されています。

本来であれば、世界全体の目標達成に向けて優先的に強化が求められる分野を踏まえ、各国がNBSAPや政策に反映させていくことが重要です。

しかし、グローバルレビューの公式な決定だけでそれを具体的に推進することには限界があります。このため、各国の自主的な目標や政策の強化に加え、政府、企業、金融機関、市民社会などによる国際的なパートナーシップやイニシアティブを通じて、分野ごとの取り組みを加速させていくことが重要になっています。

グローバルレビューを行動強化につなげるために

したがって、CBD-COP17で問われるのはグローバルレビューの決定そのものだけでなく、その結果をいかに行動強化につなげるかです。このために必要なCBD-COP17の成果は、大きく次の3つに整理できます。

  1. グローバルレビューを含む重要なCOP決定において、進捗の遅れや優先課題への対応を促す野心的な合意を採択すること
  2. グローバルレビューの結果を踏まえ、各国が行動強化への政治的コミットメントを示すこと
  3. 行動の加速につながる国際的なイニシアティブを打ち出すこと
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「グローバルレポート」が示す優先課題と準備交渉から見られる争点

グローバルレビューに向けて、KM-GBFの世界的な進捗を取りまとめた「グローバルレポート」が作成され、ナイロビの準備会合で議論が行なわれました。

グローバルレポートのキーメッセージは、KM-GBFの採択以降、世界的に政策や行動の進展は見られるものの、現在のペースでは2030年目標の達成は困難であることを伝えています。

レポートでは、その背景として、2つのギャップを指摘しています。ひとつは、各国が設定した目標を積み上げてもKM-GBFの目標水準に達していない「目標設定のギャップ」です。もうひとつは、各国が設定した目標に対して実施が十分に進捗していない「実施のギャップ」です。

各国の目標設定(Ambition)と実施状況(Implementation)が、KM-GBFの世界全体の進捗にどのように貢献しているかを示した概念図。【緑】目標水準・実施とも十分(2050年ビジョン達成の軌道)/【黄】 実施は進むが目標水準が不十分/【赤】目標水準・実施とも不十分。グローバルレポートから抜粋(Figure 4)

各国の目標設定(Ambition)と実施状況(Implementation)が、KM-GBFの世界全体の進捗にどのように貢献しているかを示した概念図。【緑】目標水準・実施とも十分(2050年ビジョン達成の軌道)/【黄】 実施は進むが目標水準が不十分/【赤】目標水準・実施とも不十分。グローバルレポートから抜粋(Figure 4)(CBD/COP/17/INF/7)

この分析はKM-GBFの達成に向けて「目標の強化」と「実施の強化」の両方が必要であることを示しています。しかし、準備会合では、特に前者については支持しない国が多く見られました。

とりわけ、多くの途上国は、先進国による資金、能力構築、技術などの「実施手段」の提供が国内実施の前提であると主張しており、実施手段が十分に提供されていない中で、追加的な目標の強化を求めることには否定的です。

また、国内実施は国の自主性に委ねられるべきとの立場から、グローバルレビューを追加的な行動要請につなげることに一貫して否定的な国も見られました。

こうした状況の下で、CBD-COP17において実効的なフォローアップ措置や行動強化に関する合意を得るためには、資金動員をはじめとする実施手段の議論においても進展が得られることが重要となります。

一方で、グローバルレポートは、KM-GBFの中でも特に進捗が遅れている優先課題を明らかにしています。

そのため、CBD-COP17の関連議題や交渉外のイニシアティブを通じて、これらの分野で具体的な行動強化につながる成果が得られるかどうかも重要な焦点となります。

特に進捗が遅れているターゲットには、生物多様性の損失の根本要因となっている社会・経済システムや資金フローに関するターゲットが多く含まれています。

グローバルレポート(CBD/COP/17/INF/7)もとにWWFジャパン作成

グローバルレポート(CBD/COP/17/INF/7)もとにWWFジャパン作成)

注目ポイント②交渉の難所、資金動員で前進ができるか

資金支援の停滞が生む先進国・途上国間の緊張

KM-GBFは2050年のゴール(ゴールD)に、年間7,000億ドルの生物多様性資金のギャップを埋めること、そして、2030年までにあらゆる資金源から年間2,000億ドルを動員することを掲げています(ターゲット19)。あらゆる資金源には、先進国から途上国への資金供与、各国内の財政支出、民間資の国際・国内資金が含まれます。

このうち、先進国から途上国への資金供与ついては数値標が定められており、2025年までに200億ドルまで増加させるというマイルストーンが掲げられています。

しかし、近年は各国の財政制約や国際援助を取り巻く厳しい状況の中で、この達成が困難であるとの見方が強まっています。

さらに、CBDにおける主要な資金メカニズムであるGEF(地球環境ファシリティ)の第9次資金補充(2026年7月~2030年6月)の拠出規模も前回期間比で27%減少しており、途上国の間では、先進国による資金支援の約束が十分に履行されていないとの不満が高まっています。

こうした先進国からの資金供与の不足が、グローバルレビューでさらなる行動強化を求めるのであれば、まず資金支援の強化と既存の約束の履行が必要であるとする途上国の主張の背景となっています。

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一方、準備会合で最も大きな対立を招いたのは、条約のもと途上国への資金供与責任を負う資金供与国(contributor base)の見直しに関する議論でした。

すでに拠出を行なっている先進国の多くは、現在の資金供与国だけでは国際援助資金の拡大には限界があり、資金提供国の基盤拡大が必要だと主張しています。

他方、現在資金供与国と位置付けられていない国の多くは、そうした見直しが条約上の責任の再定義や追加的な拠出への政治的圧力につながることを懸念し、慎重な検討を求める国から、強硬に反対する国まで、立場には大きな隔たりがあります。

このため、CBD-COP17においても資金動員をめぐる最も大きな対立点のひとつになることが予想されます。

条約の資金メカニズム

さらに、先進国と途上国で長年大きな立場の隔たりが存在する論点が、条約の「資金メカニズム」です。

GEFがこれまで暫定的なメカニズムとして機能してきましたが、途上国はGEFのガバナンスや資金へのアクセスの難しさなどの課題を理由に、CBDの管理下に新たな資金メカニズムの設置を求めています。一方、先進国は既存のGEFの活用を支持しており、双方の隔たりは依然として大きい状況です。

CBD-COP16では、2030年目標期間の終了時にあたるCOP19までに「恒久的な資金メカニズム」を整備することなどを盛り込んだロードマップに合意しました。しかし、それを新設するのか、あるいは既存のGEFを活用・改革する形で実現するのかという判断はCOP18に先送りされています。COP17では、その検討に向けて、恒久的な資金メカニズムが満たすべき要件(クライテリア)が議論されます。

このように資金動員をめぐっては、複数の対立点が存在しており、CBD-COP17でも難しい交渉が予想されます。しかし、グローバルレビューを踏まえた行動の強化を進めるためには、資金面での前進が不可欠です。

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注目ポイント③自然を損なう資金フローの転換~補助金などのインセンティブとビジネス・金融の役割

資金の交渉では、先進国から途上国への資金支援が争点となりがちです。しかし、KM-GBFの達成に必要な資金が先進国からの公的支援だけ賄われるわけではなく、それは生物多様性ファイナンスの一要素にすぎません。

CBD-COP16で採択された「資金動員戦略2025-2030」では、国際資金と国内資金について、それぞれ公的資金と民間資金の両面から取り組みの方向性が示されており、さらに、生物多様性のための資金の拡大と、生物多様性に有害な資金フローの転換の両方が重要な構成要素となっています。

つまり、生物多様性ファイナンスや資金動員においては、保全に必要な資金を増やすことだけに着目しては不十分です。むしろ、それと同等かそれ以上に重要なのが、現在すでに生物多様性を損なう経済活動に流れている圧倒的に大きな資金フローを見直し、生物多様性に資する方向へ転換していくことです。UNEPによれば、2023年時点で自然を損なう活動への資金の流れは、資する活動への資金のおよそ30倍に上っています。

こうした資金フローには、補助金などの公的インセンティブ(ターゲット18)や、企業による事業投資や金融機関の投融資(ターゲット15)が含まれます。そして、財政・経済政策を含むあらゆる意思決定に生物多様性を組み込む「主流化」(ターゲット14)が進むことが必要です。

グローバルレポートでも遅れが示されている資金フローの転換は、ホスト国・アルメニアが重視するCBD-COP17のテーマのひとつです。各国のリーダー・ハイレベル代表が参加するイベントにおいて「生物多様性に資するポジティブ・インセンティブのためのエレバン・コール(Yerevan Call on Positive Incentives to Biodiversity)」や「ターゲット18有志国グループ(Friends of Target 18)」の立ち上げが予定されています。

生物多様性を主要な産業・経済分野に主流化する取り組み(Mainstreaming Biodiversity)に関しても、COP17で進展が期待されています。こうした取り組みは、環境行政だけでは実現できません。産業を所管する省庁を含む政府横断の「全政府的アプローチ(whole-of-government)」と、民間企業や自治体、市民社会などが参画する「全社会的アプローチ(whole-of-society)」の推進が不可欠です。

特に、企業による自主的な自然関連情報開示などの進展をさらに展開し、経済システムの変革につなげるためには、セクターごとにネイチャーポジティブな事業モデルへの移行を支える政策環境と金融システムの強化が不可欠です。

またCOPでは、ビジネスや金融分野の関連イベントに、国際的な取り組みをけん引する団体や先進企業が集結します。ここでも、ネイチャーポジティブへの移行を加速する政策や金融、企業行動のあり方について議論が深まることが期待されます。

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WWFのCBD-COP17への期待

WWFは、COP17で以下の点が達成されるよう、期待しています。

1. 2030年目標達成に向けた実施の加速

  • グローバルレポートで進捗不足が指摘されたターゲットを中心に、締約国によるNBSAPや国別目標の強化とKM-GBF全体の実施加速を促すこと。

2. 生物多様性損失の根本要因である経済・社会システムの変革

  • 食料・農業、金融、ガバナンス分野において、変革を妨げている制度や慣行の見直し、実践的な解決策の拡大、変化を加速させる好循環の創出を促すこと。

3. 資金動員と資金フローの転換

  • ターゲット19の達成に向けて、十分で予測可能かつ利用しやすい資金を確保するとともに、国際的な生物多様性資金の拡充や、生物多様性目標と整合した資金フローへの転換を進めること。
  • あわせて、生物多様性に有害な補助金などのインセンティブの改革、資金メカニズムの強化、能力構築や技術・科学協力、知識共有を促進すること。

4. 全政府・全社会による実施の強化

  • 生物多様性を政府全体の優先課題とするため、分野横断的な政策統合と国内実施体制の強化を促すこと(whole-of-governmentアプローチ)。
  • 先住民族や地域コミュニティを含む多様な主体の参画とリーダーシップを強化し、衡平で包摂的な実施を後押しすること(whole-of-societyアプローチ)。

5. 国際協力・実施・説明責任の強化

  • リオ条約をはじめとする関連条約・プロセスとの連携を強化し、生物多様性に関する取組の相乗効果を高めること。
  • マルチステークホルダーのパートナーシップ、相互学習、強力を通じた実施を後押しすること。
  • モニタリング、報告、レビュー、透明性を強化し、説明責任と継続的な改善につなげること。

【参考資料】WWF COP17 Expectations Paper

WWFジャパンは、CBD-COP17の現地にスタッフを派遣し、WWFネットワークとともに関係国政府への提案や働きかけを行ないます。また、会議の動向や議論の重要なポイントを本サイトやメディア関係者向けの情報提供を通じて発信していく予定です。

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