©Sascha Fonseca / WWF-UK

世界ユキヒョウの日:ユキヒョウの未来を守る女性たち


10月23日は世界ユキヒョウの日です。
この日に先立ち、私たちが応援するWWFインド・西ヒマラヤのユキヒョウ保全プロジェクトの活動サイトでは、地域の子どもや女性を招いて保全活動を紹介するイベントが開催されました。

©WWF India

WWFインドが地域の団体と共催で実施したイベントの様子。地元の映像作家によるドキュメンタリーの上映、クイズ大会やフィールド訪問とユキヒョウ満載の内容でした。

このプロジェクトではさまざまな活動を行なっていますが、そのひとつに毛織物をつくる女性たちのグループに対する支援があります。

彼女たちが作るヒツジやヤギの毛織物がより良い製品になるよう、工房の整備や流通への助言を行なっているのです。

©Rish Kumar Sharma /WWF

毛織物をつくる女性

なぜ環境保全団体が女性の支援をしているのか不思議に思われるかもしれませんが、実はこれ、ユキヒョウの保全に大きく関係しています。

©Theo/WWF/Center for Pastoralism

標高3,000~5,000mの高地に生息するユキヒョウ。インド国内の生息数は、わすか400~700頭と推定されています。

ユキヒョウは、気候変動や生息地の劣化などさまざまな原因で絶滅のおそれが高まっています。
特に、西ヒマラヤ地域では、ヒツジ等家畜の過剰な放牧に伴ない、ユキヒョウの獲物である野生の草食動物が減少。そのため家畜を襲うようになり、害獣として迫害・駆除される問題が、大きくなっています。

この問題を解決するには、地域の人々とユキヒョウの関係性を改善していかねばなりません。

そしてそのためには、人々がユキヒョウを害獣ではなく、共に生きていくべき存在として受け入れ、共に生きる工夫をしていくことが欠かせません。

過放牧に頼らず、毛織物の品質と生産性、収益性を上げ、地域全体で自然環境に対する意識を変えていく。女性グループへのサポートは、まさにそのための大事な取り組みの一環なのです。

いつか地域の人たちが、ユキヒョウの存在を心から誇りに思えるような、そんな未来を目指して、日本からも支援を続けていきたいと思います。

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森林・野生生物室 野生生物グループ TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

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環境保全団体です。

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