© WWFジャパン

山の日にユキヒョウへ思いを馳せる


今日は山の日。登山を予定している方もいることでしょう。

私は一足早く、アジアの大山脈ヒマラヤへ行って来ました。WWFジャパンが支援をしている西ヒマラヤのプロジェクトフィールドを訪ねるためです。

WWFインドが行っているこのプロジェクトは、様々な脅威にさらされているユキヒョウの保全と地域の人々の生活の両立を目指すものです。

「幻の動物」とも呼ばれるユキヒョウは、ヒマラヤ山脈から中央アジアのアルタイ山脈という広い地域に生息します。しかし、個体数は成獣で約3,000頭と非常に少なく、IUCNのレッドリストでは危急種(VU)とされています。

© Martin Harvey / WWF

ユキヒョウの棲息を脅かす原因は、気候変動による生息域の変化や人との衝突、毛皮や骨目的の密猟など多様です。

インド北西部ラダックで共同首都・カルギルへ向かう道中、いかにもユキヒョウの好みそうな岩山があり、寄り道をすることになりました。標高3000メートルを超える谷合いを登ると、ユキヒョウの足跡やフンがいくつも。でも、その姿は見られません。

先導するWWFインドのシャルマ博士が大きな岩の前でしゃがみ込み、私たちを呼びました。「まだ新しいマーキングがあるよ!」。

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ユキヒョウのマーキングについて説明するWWFインドの専門家。

更に「ユキヒョウのオシッコは良い匂いがするんだ」と続けます。曰く、香り米を炊いた時のような匂いだそう。私たちもこぞって岩に顔を寄せてオシッコ跡を嗅ぎました。冷静に考えるとかなりおかしな姿ですが、皆夢中でくんくん。確かにちょっと甘さを感じるようなにおいでした。

© WWFジャパン

一生懸命に嗅ぐWWFジャパンのスタッフ

今回は、痕跡しか見つけられませんでしたが、それでも私にとってユキヒョウは「The ghost of mountain(山の幻)」ではなくなりました。

ユキヒョウが早く“普通”の野生動物になるよう、日本でも取り組みを進めます。
(野生生物グループ 若尾)

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森林・野生生物室 野生生物グループ TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

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