10月23日は「世界ユキヒョウの日」


急こう配の山を駆け回るのに適した太い手足と長い尻尾、そして美しい毛皮を持つユキヒョウ。

ヒマラヤから中央アジアにかけて連なる山岳地帯に生息するユキヒョウは、世界で最も高地にすむネコ科の野生動物です。

しかし密猟や、生息環境の悪化などにより過去20年間でその個体数を減らし続けてきました。

ユキヒョウが生息する高山は特に地球温暖化の影響を
受けやすく、生息地の減少も懸念されています。

現在の推定個体数は3,920~6,392頭で、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでも、絶滅危惧種(EN)に指定されています。

今日、10月23日はそんな「ユキヒョウの日」。

これは2013年の10月23日に、「世界ユキヒョウ保護フォーラム」が開催されたことを受け、制定された記念日です。

今年のこの日、私たちWWFとトラフィックは、ユキヒョウの密猟の実態を調査した報告書「AN OUNCE OF PREVETION: Snow Leopard Crime Revisited」を発表しました。

ここでは、2008年から現在までに221~450頭のユキヒョウが密猟により命を落としている実態を報告しています。

密猟の最大の目的は、美しい毛皮!と思われるかもしれませんが、実は違います。

押収の記録や市場調査などの詳細なデータ分析によると、密猟件数の半数以上である55%を占めた目的は、家畜を襲われたことへの報復。

その数は108~219頭にも及んでいるということがわかりました。

これは毛皮などの違法取引を目的とした密猟の21%をはるかに上回る件数です。

ユキヒョウに襲われた家畜。ユキヒョウは自分の3倍の体重の獲物をしとめることができます。

ユキヒョウ生息地のWWF事務局やトラフィックでは、これまで取り組んできた調査活動を継続しながら、密猟件数の90%以上を占めるとされる中国、モンゴル、パキスタン、インド、そしてタジキスタンの各政府に、普及活動を含めた地域に密着した保護施策や、家畜を襲われた地域住民への補助といった対策を講じるよう訴えています。

地域の事情や状況を理解しなければ、野生動物の保護はできないのは日本も同じです。これからも海外の仲間たちの頑張りに注目したいと思います。(広報 山本)

関連情報

住民も家畜が襲われないよう防護フェンスを設けるなど対策をしています。貧しい地域では、1頭の家畜を失うことも、暮らしに大きく影響することがあります。

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C&M室 メディアグループ所属
山本 亜沙美

プレス担当。

海洋生物学が専門のリケジョな広報プレス担当です!この仕事に就くキッカケとなった海牛類のマナティとジュゴンなどモフモフよりもヌメッとした動物が好みですが、最近パンダに浮気中。『ゆるく完璧に』中立的な目線でWWFとみなさまをつなぐ仕事をしています♪

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