© WWF-Japan

15年目の3月11日を迎えて


WWFジャパン事務局長の東梅です。

今年も3月11日がやってきました。東日本大震災から15年が経ちましたが、犠牲者の方々、親しい方を亡くされた皆さまの、ご無念、お悲しみは、今も変わらないところと思います。今日この日、事務局を代表し、あらためて心よりお見舞いを申し上げます。

これまでの15年を振り返ると、日本はもちろん、国際社会全体でも、さまざまな出来事や変化がありました。

その一つは、世界の各地で頻発するようになった自然災害です。
この中には、地震のような完全な自然現象に由来するものもあれば、気候変動(地球温暖化)の深刻化がもたらす気象災害のように、人為的な原因であろうことが科学的に証明されている自然災害もあります。

殊に、気候変動は今や、気候災害とも呼ばれるようになりました。
石油や石炭などの化石燃料の利用が主因となっているこの気候変動は、特にエネルギーにも直結する問題です。

近年は原発の再稼働が盛んに行なわれ始めていますが、そこには15年前の震災で示された重大なリスクがあることを忘れてはいけません。そして、その教訓からは、私たち自身、社会が必要とするエネルギーを、再生可能な自然エネルギーで100%まかなうことの重要性をあらためて痛感しました。

この再生可能な自然エネルギー100%、すなわち「脱炭素」に向けた動きは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を2050年までにゼロに抑え、将来原発に頼らない未来を創る上でも欠かせないものです。

また、エネルギー源を輸入に頼る火力発電や原発ではなく、地域の中で生み出せる自然エネルギーを、地域住民や自然や生きものにも配慮した形で活用し、利用を広げることも重要です。これは長期的に見れば、エネルギーの自給率とレジリエンスを高め、自然環境を回復させていく「ネイチャーポジティブ」にもつながる、一つのステップとなるでしょう。

日本と被災地が歩んできた復興の道のりの中で、私たちWWFジャパンは、こうした気候や自然、生きものたちに関連した取り組みに挑戦し続けてきました。

3月11日は、私たちWWFジャパンが、自らがその役割と、目指すべき取り組みを振り返る、大切な一日です。

東日本大震災から15年。環境問題だけを見ても、まだまだ解決されていない課題は数多くありますが、諦めることなく、歩みを止めることなく、私はここから始まる新たな未来に向けた挑戦の道を、皆さまと共に歩んでいきたいと思います。

この記事をシェアする

事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP