シリーズ:自治体担当者に聞く!脱炭素施策事例集 神戸市「公共交通の利用促進でCO2削減しながら子育て世帯を支援」


©神戸市交通局

エコファミリー制度

神戸市「公共交通の利用促進でCO2削減しながら子育て世帯を支援」

【施策部門】 運輸部門(交通局)
【施策タイプ】 新規事業
WWFの「ここに注目」
 
  • マイカー利用から公共交通利用への転換を促進し、CO2排出量を削減
  • 将来の乗客となる次世代の利用者も視野に入れ、親子で利用できる制度に
  • 交通局と環境局の部署をまたいだ取り組み

施策概要

©神戸市交通局

休日に買物などで増加するマイカーから公共交通への転換を図るため、子どもの運賃について、大人が同伴する場合に大人一人につき小学生以下2人まで市バス・地下鉄の料金を無料にする。公共交通の利用を促すと共に、将来の乗客となる子どもたちに、幼い頃から市バスや地下鉄に慣れ親しんでもらう。
平成15(2003)年10月~平成17(2005)年9月の実証実験を経て、平成17(2005)年10月から本格実施。 土日祝日、年末年始、夏季期間(平成22(2010)年度から)に適用する。

概要図

予算

《費用》
(1) 交通局は神戸市から独立した会計で事業を実施している。この取り組みにかかる、実証実験(平成15年度)の経費は、神戸市から200万円、国から200万円(※)、及び交通局200万円の600万円であった。

※《利用した国・県などの補助金制度》
国土交通省補助金200万円
「広域的な公共交通利用転換に関する実証実験」補助制度を活用。

(2) 実証実験終了後は交通局単独で実施
概ね20万円程度(ポスター・チラシ制作費等)

削減効果

実証実験期間中22ヵ月間で502トン。
その後、本格実施により令和2年度末で延べ約4,936トン。

その他効果

実証実験期間中、地下鉄都心周辺駅5駅での乗客数が1日あたり1,100人増加した。

施策上の教訓

<実施前の課題>
制度実施に伴う、小児の料金収入減(割引分)及び大人の料金収入増(制度実施による大人の乗客増)の予測。

<実施における課題や改善点>
利用者へのわかりやすさとスケールメリットを確保するために、相互直通運転を行っている鉄道事業者や共同運行を行っているバス事業者の理解・協力と料金制度などに関する調整が必要であった。
これらについては協議を続けた結果、一部の事業者(北神急行電鉄・神戸交通振興)は実証実験中から制度を導入している。
また、令和2(2020)年4月から、神姫バス(高速路線等を除く)でも導入された。(ただし、夏季の適用日は異なる。)

<施策のメリットとデメリット>
メリット:
① 公共交通の利用促進による環境負荷の低減
② 子育て世帯への支援
③ 将来の乗客となる子供たちに公共交通機関に慣れ親しんでもらえること

デメリット:
小学生への割引施策となるため、大人の乗客の増加がなければ全体としては減収となること。(制度PRに力を入れて利用者の増加を図っている)。

こんな自治体にオススメです

CO2排出量削減と共に公共交通の利用促進及び子育て世帯への支援が課題となっている自治体。

今後の方針

今後も継続予定。制度開始当時の目的である公共交通の利用促進による環境負荷の低減だけでなく、子育て世帯への支援策としても役割を果たしており、市の魅力のひとつとして、発信を続けていきたい。

神戸市交通局ホームページ内

自治体担当者からのコメント

神戸市環境局環境保全部環境都市(※)課長
甲本 博幸 さん

本市では、2050年CO2排出実質ゼロを目指すことを宣言しており、それに向かって様々な取り組みを行っています。その中の一つのポイントとして「脱炭素型ライフスタイルのへの転換」があり、家庭部門での積極的な省エネルギーの取り組みや再生可能エネルギーの導入などを推進しています。また、日常の生活においても様々な脱炭素な取り組みを推進しており、交通部門のCO2削減にも寄与できるマイカー利用から公共交通機関への転換を図る動機づけとなりうる「エコファミリー制度」なども継続し行い、さらに工夫してカーボンニュートラルの実現に寄与したいと考えています。

※令和4年4月1日から「環境創造課」に名称が変更されました。

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