今日は母の日!世界で一番のお母さん
2025/05/11
5月11日は「母の日」。
お母さんたちへ、あらためて感謝を伝える日です。
私たちヒトも含め、動物はその大半が、お母さんから生まれてきます。
特に、赤ちゃんを母乳で育てる哺乳類にとって、母親はこの上なく、偉大で尊い存在。
仔がおとなになってからも、母子の絆を長く大事にする野生動物も珍しくありません。
母系家族の群でくらすアフリカゾウは、その代表といえるでしょう。

アフリカゾウの赤ちゃんは、産まれた時の体重が90~130kgもあります。オスの仔は12歳を過ぎると、群を離れて単独で暮らすようになりますが、メスはそのまま群に残り、母親と共にくらします。
陸上最大の動物であるアフリカゾウのお母さんが産むのは、体重100kg前後もある、これまた陸上最大の赤ちゃん。その後は毎月20kg以上大きくなっていきます。
妊娠期間も22カ月で、これも陸上動物では世界最長!授乳期間も2年におよびます。
お母さんゾウのご苦労が偲ばれるところですが、そこは賢く、仲間意識の強いゾウのこと。群のメンバーで育児をサポートすることも知られています。
とはいえ、仔ゾウにとっては、野生の世界は厳しいもの。生まれた直後から、群の一員として、おとなたちと一緒に移動しながら暮らすことになります。
水が乏しくなる乾季には、力尽きて命を落とす仔ゾウも少なくありません。

乾季、干上がった水辺の地面を掘り、水を探すゾウ。乾季は毎年繰り返しやってきますが、気候変動はこれを長期化させ、野生動物の命を脅かす原因になっています。
気候変動(地球温暖化)がもたらす干ばつは、こうした危機をより一層深刻なものにしています。
自然とは、多くの命が世代を重ねていく中で、育まれ、続いていくもの。
そのリズムを、私たちヒトは、「環境問題」という大きな負の働きによって、地球のあちこちで乱しています。
この問題を自ら解決していくこと。
それは、卵であれ、赤ちゃんであれ、新しい命を育んでくれるお母さんの頑張りに、感謝し、応える、一つの孝行といえるかもしれません。
本日の「母の日」、そんなことにも是非、思いを向けてみていただければと思います。

住民の生活圏に姿を現したゾウたち。象牙を狙った密猟により数を減らしてきたアフリカゾウですが、現在はそれよりも、生息環境の変化や減少にともなう、人との「あつれき」による脅威が、より深刻な問題となっています。