追悼:ジェーン・グドール博士を偲んで
2025/10/07
先日、ジェーン・グドール博士の訃報が伝えられました。
グドール博士は、若くしてチンパンジーの研究に挑み、その後世界的に名を知られることになった野生動物の専門家です。
しかし、グドール博士はそれ以上に、自然や野生生物の保全についても、大きな功績と、大切なメッセージを遺された方でした。
博士の訃報が伝わったその直後から、世界各国のWWFスタッフの間では、博士を称え、哀悼し、そして感謝するメッセージがいくつも交わされていました。
私自身も、自分が自然保護の仕事を目指そうと思ったその道のりの中に、博士の著作『森の隣人』という一冊の本があったことを、確かに覚えています。

一度限りでしたが、仕事をご一緒させていただく機会にも恵まれました。
1998年12月、来日されていたグドール博士をお招きし急遽、講演会を開催したのです。
当時のスタッフの先輩方が、どうお話をつけられたのか、相当に無理なお願いであったに違いないのですが、博士は快く登壇を引き受けてくださいました。

1998年12月、東京大学にて。
今思えば、博士は日本でも、一人でもたくさんの人に、動物たちのこと、自然のことを伝え、関心を持ってもらいたい、そう願われていたに違いありません。
生前、博士が遺された有名な言葉に、こんな言葉があります。
“The greatest danger to our future is apathy(私たちの未来を脅かす最大の危険は、無関心です)”
これは今も、昔も変わらない、私たちが忘れてはいけない真実です。
博士の志を継ぎ、人と自然が調和した未来を築いていく。そのための活動に向けた気持ちをあらたにしつつ、ご冥福を祈りたいと思います。
グドール博士、ありがとうございました。
