© Klein & Hubert / WWF

【動画あり】ロシアでユキヒョウの調査を実施(2020年)


森林グループの天野です。

WWFロシアから年一回のユキヒョウの調査が2020年2月~3月に行われたという報せが入りました。

調査が行われたのはロシア、モンゴル、中国、カザフスタンの国境地帯に広がるアルタイ・サヤン山脈群のロシア側。周辺には砂漠や草原など多彩な景観が広がり、WWFではこの一帯をアルタイ・サヤン・エコリージョンと呼び、世界的にも重要な自然の一つと位置付けています。日本国土の2.6倍ほどの面積があり、この生態系の頂点に立つのがユキヒョウです。
© OpenStreetMap contributors

調査が行われたのはロシア、モンゴル、中国、カザフスタンの国境地帯に広がるアルタイ・サヤン山脈群のロシア側。周辺には砂漠や草原など多彩な景観が広がり、WWFではこの一帯をアルタイ・サヤン・エコリージョンと呼び、世界的にも重要な自然の一つと位置付けています。日本国土の2.6倍ほどの面積があり、この生態系の頂点に立つのがユキヒョウです。

ユキヒョウが生息する標高3,000-4,000mの山岳地帯
© Sergey Malykh/WWF-Russia

ユキヒョウが生息する標高3,000-4,000mの山岳地帯

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ユキヒョウは人を寄せ付けないような高地に生息するため、現在もあまり詳しい生態は分かっていません。

全個体数は約4000頭と推定されており、ロシアには70~90頭いるとされていますが、密猟や気候変動(地球温暖化)による生息地の減少で、絶滅の危機にあると考えられています。

ユキヒョウはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで、絶滅の危機が高いとされる「危急種(VU)」に選定されています。
©Ola Jennersten / WWF-Sweden

ユキヒョウはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで、絶滅の危機が高いとされる「危急種(VU)」に選定されています。

より正確な個体数や生息地の状況を把握するため、WWFロシアは国立公園局と現地NGOと協力して2016年から毎年ユキヒョウの調査をしています。

しかし、これが尋常でないほど過酷なのです!
専門家の数が足りないため、1人テント泊で雪山を100km以上踏査することも。

百聞は一見にしかず、そんな現場の様子を映像でご覧ください!

いかがでしたでしょうか?

今回の調査は、ロシアのモンゴル国境沿いにあるユキヒョウの6つの生息地で実施されました。

これまでは全てノートに記録してきましたが、今年からはWWFが開発したアプリによって、スマートフォンで迅速かつ正確な記録が可能となりました。

結果は後日発表予定ですが、調査中にさまざまな発見がありましたので、少しだけお見せします。

①2年ぶりにTerrible(酷い)という名前のメスが自動撮影カメラに写りました!しかも母親になっていた!

英語で良い意味ではない”Terrible”という名前が付けられた由来は、2014年と2018年の調査時に貴重な自動撮影カメラを2度もこのメスヒョウが壊したことから。もうこれ以上は壊さないでほしい。
© WWF Russia / Asia-Irbis working group

英語で良い意味ではない”Terrible”という名前が付けられた由来は、2014年と2018年の調査時に貴重な自動撮影カメラを2度もこのメスヒョウが壊したことから。もうこれ以上は壊さないでほしい。

②ユキヒョウが確認されていなかったエリアで初の確認!

ウコク高原の今まで確認されていなかったエリアで糞があったことから自動撮影カメラを設置し撮影に成功。今後映し出されたユキヒョウの写真を一枚一枚確認して個体識別をし、個体数を推定します。
© WWF Russia / Directorate of PAS of Altai

ウコク高原の今まで確認されていなかったエリアで糞があったことから自動撮影カメラを設置し撮影に成功。今後映し出されたユキヒョウの写真を一枚一枚確認して個体識別をし、個体数を推定します。

③密猟者が仕掛けた罠を撤去

以前ユンチと名付けられたオスのユキヒョウが確認された場所になんと罠が仕掛けられてあり、撤去しました。
©WWF / Alexey Kuzhlekov

以前ユンチと名付けられたオスのユキヒョウが確認された場所になんと罠が仕掛けられてあり、撤去しました。

このように、繁殖や新たな生息地の確認が出来た一方、密猟者の罠や暖冬の影響で川が凍らなかったため調査が難航するなど、ユキヒョウを取り巻く課題の報告も上がってきました。

過酷な現場で調査を続ける仲間からのさらなるニュースを待ち、日本からの今後の支援に役立てたいと思います。

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自然保護室 森林グループ所属
天野 陽介

ロシアとインドネシアの森林にて、自然と人が共生していくためのフィールドプロジェクトを担当

カエルが好きなのに、捕食者であるヘビをタイの保護区で研究していたとき、銃声が。 保護区になるまでこの地に住んでいた老人が密猟者となる負の連鎖を目の当たりにし、自然を守るには人間社会を理解する必要があると痛感。自然と共生していくためには!そして娘に嫌われない父になるためには!が人生のテーマ。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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