冷血なお母さんのあたたかさ ~「母の日」に寄せて
2026/05/10
巨大なワニの口からのぞく、小さな頭。
食べられてしまったか可哀そうな獲物!とも見えますが、これ実は、親子のほのぼのしたお散歩中の光景です。
アフリカ大陸に広く生息するワニ、ナイルワニは、全長が5mを超えることもある、世界でも屈指の大型のワニの一種。
生息している河川の生態系の頂点に立つ野生動物であり、その水辺を利用するあらゆる生きものにとって、危険きわまりない存在です。

川を渡るヌーを襲うナイルワニ。大型の有蹄類も、ワニにとっては格好の獲物です。
でも、卵や生まれて間もない小さな赤ちゃんは、他の肉食動物にとっては格好の獲物。大きく育つことができる個体は、ごくわずかです。
そんな仔たちを守るのが、この頼もしいワニのお母さん。
優しくしっかり見守りながら、時にはこうして、大きな口の中に仔を入れて、安全な場所や水のある場所に運んであげるのです。

卵からかえったばかりのナイルワニの赤ちゃん。ナイルワニは絶滅危惧種ではありませんが、西アフリカなどでは特に数が減っており、地域的な絶滅が心配されています。
ワニなどの爬虫類は、恒温動物といわれる私たち哺乳類の多くと異なり、体温の調整を日光など外の熱源に大きく頼る動物。
そのためかつては、冷血動物などとも呼ばれていましたが、仔を守ろうとする強さと優しさ、そして温かさは、まぎれもなくお母さんのものといえそうです。
「母の日」の本日。人類のお母さまたちへの感謝の気持ちをあらたにしながら、世界中で頑張っている自然界のお母さんたちにも、目を向けて敬意を表したいと思います。





