人にも環境にもやさしいカフェを!
2024/10/21
ここは愛知県稲沢市郊外の、農家カフェの建設予定地。
建物はまだ工事途中ですが、一歩踏み込むと清々しいばかりの木の香りに包まれます。
さもありなん、ここで使われている柱材は、岐阜県東白川村で生産された東濃檜(とうのうひのき)。
しかも、持続可能な林産物の国際認証である「FSC®認証」も取得した自然に配慮した木材で、壁面などもきちんと管理された山林のスギ材を利用しています。

建設中のカフェの内部を案内してくれた安田さん。認証を受けたヒノキ材にはFSCのマークも入っていました。断熱材にもグラスウールではなく、羊毛のウールを使用。建設現場にありがちな化学物質のにおいが、一切ありません。
カフェのオーナーは、地元で養鶏場を営む株式会社「歩荷(ぼっか)」の安田さんご夫妻。
お店の予定地の隣で、「平飼い」のみでの養鶏を手掛けられています。
鶏へのストレスを考慮し、鶏舎の飼育密度は通常の3分の1!与える飼料はもちろん、土壌も菌による自然の循環を利用した管理を徹底されており、鼻をつく臭いも全くありません。
健康と美味しさを追求する「歩荷」さんのこだわりが、このように五感に訴えてくる!というのは、とても新鮮な体験でした。

「歩荷」の鶏たち。約3,600羽が飼われています。ニワトリ本来の習性さながらに、高い場所に設けられた止まり木にも飛び上がり、自由に歩き回っています。鶏舎の間には中庭があり、そこも鶏たちの野外スペースになっています。
そんな卵を、もっとたくさんの人に届けたい、と安田さんがカフェの開店を決意されたのは2年前。
やるからには、「人だけでなく、環境にもよいものを!」と、木材にもこだわった店舗づくりを志向され、FSC認証材を積極的に使った建築を手掛ける愛知県一宮市の工務店「エコ建築考房」に設計・施工を依頼されました。
質にこだわりぬいたお仕事は、「エコ建築考房」の皆さんにも通じるところ。
ここまでの道のりは本当に大変だったそうですが、皆さんの不撓の努力とチャレンジによって、来年3月にいよいよ開店!とのことです。
SDGsや「ネイチャー・ポジティブ」にも通じる取り組みと素材、何よりその想いを満載したカフェの誕生を、心待ちにしたいと思います。

岐阜県東白川村のFSC認証林。「歩荷」のカフェでもここで育った材を利用しています。東白川では厳しい管理により、森や川の生物多様性保全と、良質の材の生産を実現しています。WWFは森林保全の一環として、FSC認証による持続可能な木材の利用を促進しています。
