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CoP18で議論!どうなるコツメカワウソのペット取引!


8月17日からスイスのジュネーブでワシントン条約第18回締約国会議(CITES-CoP18)が開幕しています!
アフリカゾウ、カワウソ、ヤモリ、ローズウッドなどCoP18で議論される種はさまざま。8月28日までの12日間、附属書の改正や条約を施行するためのルールなどが政府の代表団によって話し合われます。

Photo by IISD/ENB | Kiara Worth

オープニングセッションの様子  Photo by IISD/ENB | Kiara Worth

テロの影響で開催国がスリランカからスイスに変更となったCoP18。オープニングではテロの犠牲者に黙とうが捧げられました。
Photo by IISD/ENB | Kiara Worth

テロの影響で開催国がスリランカからスイスに変更となったCoP18。オープニングではテロの犠牲者に黙とうが捧げられました。  Photo by IISD/ENB | Kiara Worth

さて、この締約国会議には政府の代表団だけでなく、NGOも数多く参加しています。
NGOは会場でサイドイベントを開催することができ、政府の代表団や関係者に向け、CoP18で提案されている議題について情報共有し、議論の行方に影響を与えることができます。

そして、開幕早々17日に、World Animal Protectionらによるカワウソのサイドイベントが実施されました。

イベントの様子
©TRAFFIC

イベントの様子

CoP18では、インドやネパールなどがコツメカワウソとビロードカワウソを附属書Ⅰに掲載し、商業目的の取引禁止を求める提案を提出しています。

このサイドイベントでは、日本と東南アジアでのカワウソのペット人気が引き起こす密猟、密輸問題を取り上げた短編映画が上映され、附属書Ⅰ掲載の支持が呼びかけられました。
短編映画には日本のカワウソカフェやペットとして飼育されるカワウソの様子も取り上げられ、野生生物をペットとして利用する日本社会の在り方にも疑問が投げかけられています。

World Animal Protection「Pet otters: the truth behind the latest wildlife craze(日本語字幕)」

カワウソの附属書Ⅰ掲載に関する議論は、会議の中盤に行われる予定です。
附属書Ⅰに掲載されることが決定すれば、カワウソの輸出入だけでなく、日本国内のペット取引にも大きく影響します。
ぜひ注目してください!

カワウソカフェで展示されているカワウソ
©TRAFFIC

カワウソカフェで展示されているカワウソ

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自然保護室(野生生物)
北出 智美

修士(生物学、生物多様性マネジメント)
国際的な自然保護に携わることを目指し、カナダのブリティッシュコロンビア大学で生物学を専攻。遺伝子レベルの進化と多様性に魅せられアルバータ大学でシカの遺伝子の研究を行なった。国際NGOでの就職を目指しオックスフォード大学で生物多様性マネジメントを履修し、帰国後外務省任期付職員として環境条約に携わる部署に勤務した後、2013年にWWFジャパンに入局。WWFでは野生生物取引に特化した活動を行うTRAFFICで活動し、2020年より現職(2018年からTRAFFICジャパンオフィスの代表も務める)。

「野生生物取引」の問題は、SNSで話題のカワイイの野生動物ペットから、犯罪組織と巨額のマネーがからむ密輸の問題まで本当にダイナミックで、活動の切り口も様々。日々、新しいことを学びながら、今、自分たちがやるべきことは何かを考え抜き、行動したいと思っています。

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WWFは100カ国以上で活動している
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