世界ユキヒョウの日
2025/10/23
今日10月23日は、ユキヒョウファン待望の世界ユキヒョウの日です!
日本でもおなじみになったこの日をユキヒョウ三昧で過ごしたいという方のために、ユキヒョウトリビアをお届けします。
まずは、この植物。ミリカリアという灌木です。標高3000mを超える場所にも生えていて、私が数年前の6月にフィールドを訪問した際にはかわいらしいピンクの花で目を楽しませてくれたギョリュウ科の植物です。
イエネコがネコ草を食べるように、ユキヒョウもこの植物を食べるそうです。その理由は、植物繊維を補うためとも、空腹を紛らわすためとも言われています。

京大の研究者がカザフスタンで行なった調査によると、調査対象としたユキヒョウ(Panthera uncia)のフンの45%から、ミリカリア属の植物が検出されたそうです。
お次は、こちら、ユキヒョウの幼獣です。

飼育下のユキヒョウの生後三か月の幼獣。他のネコ科動物と同様に虹彩はキトゥンブルーです。この後、虹彩に色素が定着して、成獣の眼の色になります。
生まれたユキヒョウの目が見えるようになるまで一週間程度を要するというのは、スポンサーズの皆さんはご存知の情報ですね。では、親離れするまでどのくらいの時間がかかるか知っていますか?ユキヒョウの幼獣は18~22か月、母親と一緒に過ごします。独り立ちするまでこの期間、母親から狩りの仕方を学びます。

主要な獲物であるブルーシープ(Pseudois nayaur 、別名バーラル)を捕獲したユキヒョウ
完全な肉食動物であるユキヒョウが必要な肉の量は、2.5kg/日と考えられています。これは、年間1t近い肉を得られるだけの獲物を狩らなくてはならないことを意味します。
WWFジャパンがみなさんのご支援を受けて活動を展開している地は、西ヒマラヤ。
この過酷な地では、ユキヒョウの主な獲物である有蹄類の生息密度は、非常に低く、ユキヒョウ1頭が生きていくのに必要な面積も広くなります。昨年、フィールドチームが、カメラトラップや痕跡調査などから導き出した、ユキヒョウの占有率は0.52頭/100km2でした。
1頭当たりの面積は、約200km2となります。これは、約6千万坪、東京ドーム4,278個分に相当する広さです。

2023年から2024年にかけて行なった調査でカメラトラップに撮影されたラダックのユキヒョウ
ユキヒョウトリビア、いかがでしたか?WWFジャパンでは、今後も皆さんにユキヒョウの情報をお届けする機会をつくっていきたいと思います。乞うご期待!