中高生向けワークショップ 中高生向けエネルギーワークショップ2025開催報告
2026/08/24
- この記事のポイント
- WWFジャパンは2019年度より、次世代を担う若い世代を対象に、地球温暖化防止をテーマにしたワークショップを実施しています。2025年度は内容がさらにパワーアップ!再生可能エネルギー100%の実現に向けて、全国から集まった中高生が太陽光発電を社会に普及・拡大させるためのアイデアを考えました。
未来の地球を守れ!全国の中高生が熱く議論
WWFジャパンはこれまで、全国の中高生を対象として、地球温暖化の防止に関するワークショップを実施してきました。
2023年度までは、理想とする各エネルギー源の使用割合「2030年のエネルギーミックス」を考え、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)などの国際会議でも重要となる「交渉」を体験しました。
2024年度はこれを刷新し、WWFが目標とする「再エネ100%社会の達成」のキーとなる太陽光発電を、どう社会に普及・拡大させていくかを考え、その解決策を提案しました。
2025年度はステークホルダーのシミュレーションワークを行い、より実現可能な解決策を提案し、さらに深い議論ができるように、その内容をブラッシュアップして実施しました。
2025年度のワークショップは2025年12月と2026年1月、2月の3回行い、中学1年生から高校3年生までの合計55名が、全国各地から参加してくれました。
講義:地球温暖化に対する日本とWWFの取り組みを知ろう!
ワークショップが始まる30分前に受付が開始されると、全国からの参加者が続々と集合し始めました。少し緊張も見える中、笑顔のスタッフに迎えられ、参加者の表情もリラックスしたものに変わっていきます。同じテーブル内で自然に会話が始まり、ワークショップの開始に向けて期待感の高まりを感じました。
いよいよ開始の時間です。お互いの自己紹介を終え、WWFスタッフによる講義が始まりました。参加者たちは事前に宿題として送られたテキストを使い、気候変動により自然や人間社会にさまざまな影響が発生しているということ、そして、地球温暖化の原因である温室効果ガスを減らすことが世界的に急務であることを学んできました。
講義では、事前学習で学んだ地球温暖化を食い止めるための地球温暖化対策における再エネの重要性を学び、理解を深めていきます。「再エネ100%なんて可能なの?」そんな疑問に答えるように、講師は、世界の再エネ導入量やその将来予測、日本のエネルギー政策、データの読み解き方のコツなどについて、分かりやすい例えや実際の事例を交えながら伝えます。テンポの良い語り口に、参加者は集中して耳を傾け、熱心にメモを取る姿もありました。

WWFジャパンによる講義
再エネにはいくつか種類がありますが、拡大のポテンシャルが高いのが太陽光発電と風力発電です。その導入や普及にはさまざまな課題がありますが、このワークショップでは太陽光発電に焦点を当て、グループで、その解決方法を考えるワークに取り組みました。
ワーク:ステークホルダーたちの考えを探ろう!
参加者たちは事前学習として、太陽光発電の普及における課題の解決法を考えてきました。より実現可能なアイデアを提案するために、まずはステークホルダーに関する理解を深めるワークに取り組みました。「ステークホルダー」とは、ある活動や出来事に関わり、影響を受けたり与えたりする人や組織のことです。
このワークでは、住民、国、地方自治体、電気事業者、研究者をステークホルダーとして取り上げました。講師がそれらの関係性を解説した後、「一部の住民が学校などの公共施設への再生可能エネルギー導入を望み、太陽光パネルを設置しようとした際に、ステークホルダーの間でどのようなやり取りが起こるか」について考えました。
「誰が誰に対してどんな意見を言うと思うか?」、「その意見に対する反応は?」。順番に自分の考えを共有し、ファシリテーターがサポートするなかで、太陽光パネルの設備設置時に想定される課題について理解を深めていきました。合意形成の難しさを実感した時間でした。

ステークホルダーワークを通して、それぞれの利害関係について考えました
ワーク:地域と共生する再エネについて考えよう!
ワークを通じてさまざまなステークホルダーの考えを理解したら、さあ、いよいよみんなで解決方法を考える時間です。みんなの溢れるアイデアをふせんに書いて共有すると、技術面、経済面、社会面など、さまざまな観点からの解決策がカラフルに並びました。
各アイデアをまとめたり組み合わせたり。イメージ図も使いながら各グループの解決策を具体化していき、この後の発表に向けて、プレゼンの準備を進めました

各自のアイデアを持ち寄り、1つに練り上げていきます

他グループへのプレゼンに向けて、アイデアをまとめ中
他グループに自分たちの解決策をプレゼン
各グループのアイデアがまとまったら、いよいよ中間発表の時間です。他のグループに対して、自分たちの解決策を紹介します。
発表されたアイデアは、「地域特性に応じた太陽光パネルの分散型導入」「太陽光発電 × 芸術・ミュージアム構想」「国の制度と最新技術を組み合わせた普及モデルの展開」「技術面や制度面でのステークホルダー間の連携強化」「情報発信や教育の強化を通じた自分事化」など、多岐にわたりました。
発表を聞いた他の参加者やWWFスタッフは、熱心に耳を傾け、その解決策の良い点や改善アドバイス、課題点・疑問点をふせんに書き、共有していきました。

みんなからもらったフィードバックを見ながら相談中
ワークの後半は、他グループからもらったコメントを参考にしながら、解決策のブラッシュアップです。好意的なコメントは多くありましたが、鋭いツッコミを含んだフィードバックを参考にしながら、さらに説得力のある解決策に練り上げていきました。
最後は、参加者全員に向けてのプレゼンテーションです。発表者は自分たちのアイデアやアピールポイントを堂々と紹介し、他の参加者たちは、感心したり頷いたりしながら真剣に耳を傾けていました。

熱が入った最終プレゼン

周囲も真剣に発表に聞き入ります
ここから始めよう!私たちが未来をつくる
あっという間の3時間が過ぎ、終了の時間が近づいてきました。最後にWWFジャパンスタッフから、自らアクションを考え実行するスキル・マインドを身に着けること、他者と協力することの重要性が語られ、ワークショップは幕を閉じました。
ワークショップ終了後には、壁のホワイトボードにメッセージを残したり、参加者同士やWWFスタッフと話したり、しばらく交流の時間は続きました。

ワークショップ終了後にみんなで書いた寄せ書き(一部抜粋)
参加者アンケートに寄せられた感想の一部を以下に紹介します。
- エネルギー問題について知識を得ることができ、この問題を自分事化できました。
- 環境問題を考える際、資金や市民の合意といった観点にも目を向ける必要があると気づけました。
- テーマに明確な正解がなく、大人も現在取り組んでいる課題を扱うため難しかったが、同時に学び・やりがいがありました。
- みんなで様々な観点から議論ができ、協力して問題を解決するプロセスがとても楽しかったです。
- 似た志を持つ同年代の仲間に出会え、「環境」について話し合える貴重な機会でした。
今回のワークショップでは、参加者がお互いの意見を尊重し、前向きに議論していくというこれまでの良さは残しつつ、ステークホルダーの関係性について意識的に考えたことで、より具体的で実現可能なアイデアが提案されました。
これをきっかけに、参加者が地球温暖化やその他の社会課題への関心をさらに高め、学びを広げ深め、他者と協働するなどの具体的なアクションを起こしてくれることを期待しています。
WWFジャパンはこれからも若者たちが担う次世代に豊かな自然環境をつないでいくため、さまざまな活動に取り組んでいきます。
※なお、本プログラムは上田記念財団の御支援を受けて、実施いたしました。
開催概要:中高校生向けワークショップ「考えよう!私たちの未来と再生可能エネルギー」
日時:2025年12月13日(土)、2026年1月24日(土)、2月7日(土) いずれも 12:30〜16:00
場所:CO☆PIT(東京都港区港南 2-14-14 品川インターシティフロント 6階)
参加者数:それぞれ20名、22名、13名
主催 :WWFジャパン



