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国際ナマケモノの日!スローに生きるナマケモノの実は…


10月18日(10月第3土曜日)は国際ナマケモノの日です。

ナマケモノの保護活動を行なうAIUNAU財団が、ナマケモノの生態を知ってもらい、環境への意識を高めてもらうことを目的に制定しました。

ミユビナマケモノ属のノドチャミユビナマケモノ(Bradypus variegatus)。ワシントン条約(CITES)により輸出入が規制されています。
© naturepl.com / Lucas Bustamante / WWF

ミユビナマケモノ属のノドチャミユビナマケモノ(Bradypus variegatus)。ワシントン条約(CITES)により輸出入が規制されています。

今回はそんな日を記念して、ナマケモノの意外な生態をご紹介します。

【1】実は…泳ぎが得意
動きがゆっくりなイメージがありますが、実は泳ぎが得意です。
繁殖期にはメスを探すため、長い腕を器用に使って運河を泳ぎます。

【2】実は…外気温により体温が変わる
ナマケモノは哺乳類の一種ですが、筋肉量が少なく代謝率が極端に低いため、外気温により体温が変動します。
そのため、日光浴を行なうことで体温調整をしています。

【3】実は…気性が荒い危険な動物
おっとりした性格と思われがちですが、実は気性が荒く、人にも嚙みつくことがあります。
英国の動物園の基準では、危険動物を3つのカテゴリーに分類していますが、ナマケモノはカテゴリー1に分類されており、「この動物と接触することは深刻なケガや病気を引き起こし生命に危険を及ぼす可能性がある」とされ、来園者との触れ合いは制限されています。

フタユビナマケモノ(Choloepus didactylus)。ミツユビナマケモノ属とは異なり、ワシントン条約(CITES)による輸出入の規制はありませんが、個体数は減少傾向にあります。
© 千葉市動物公園

フタユビナマケモノ(Choloepus didactylus)。ミツユビナマケモノ属とは異なり、ワシントン条約(CITES)による輸出入の規制はありませんが、個体数は減少傾向にあります。

そんなナマケモノですが、日本のアニマルカフェなどでは気軽に触れ合える機会が増えています。
そうした体験から「飼ってみたい」と思う方もいるかもしれません。

しかし、適切な飼育環境の準備、温度管理、さらに気性の荒さなどから、ナマケモノを一般家庭で飼育することは極めて困難と言えます。

今回、国際ナマケモノの日に合わせて、エキゾチックペットガイドに「フタユビナマケモノ」を新たに掲載しました。

生態などの情報や動物園の飼育員の方のコメントも紹介していますので、ぜひ一度ご覧ください。

(野生生物グループ・橋本)

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自然保護室(野生生物)
橋本 香奈

学士(獣医学)。大学卒業後は官公庁に勤務。海外からの動物疾病等の侵入を防ぐ水際検疫等に携わった後、2024年にWWFに入局。ペットプロジェクトを担当。

子どものころから動物が好きで、動物や自然を守るお仕事がしたい!と思っていました。美しい自然や多様な生きものたちを未来に残していけるよう、日々の活動に取り組んでいます。趣味は愛犬と遊ぶこと。

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