© naturepl.com / Will Burrard-Lucas / WWF

象牙の年代を測定する?8月12日「世界ゾウの日」に寄せて


先日、ある新聞記事が目にとまりました。

これは、どういうことでしょう?
実は、年代を測定することで、その象牙が密輸されたものかどうか、ある程度判断できるのです。

象牙や象牙製品は現在、アフリカゾウが絶滅の危機にあることから、「ワシントン条約(CITES)」で輸出入が禁止されています。

しかし、禁止が決まった1989年まで、日本は毎年大量の象牙を輸入。
さらに、輸出入の禁止後も、日本国内に限り、象牙の売買を法律で認めてきました。今もお店やネットショップで象牙の印鑑などが売られているのは、そのためです。

©Shijiazhuang Customs

中国河北省石家荘税関が押収した象牙製品。2011年から2016年にかけて日本から海外に密輸され、押収された象牙の総量は2.42トンにのぼります。

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在庫を国内で取引する限り、日本が新たな象牙の密猟や、違法な国際取引に関与することはありません。

在庫の取引については、法律によって規制が設けられていますが、密猟による象牙が日本に紛れ込んでいても区別ができない状態です。

そこで、在庫の象牙について利用時に年代を測定し、輸入が認められていない期間に持ち込まれた象牙ではないか、確かめることを検討しているのです。

実際、日本の象牙市場については、心配なデータもあります。

©Martin Harvey / WWF

群れで育つ子どもは、生まれたときにすでに90~135kgもあります(ナミビア)

© Greg Armfield / WWF-UK

大きな耳は、熱を逃がすラジエターの役目も果たします(ケニア)

昨年末、WWFジャパンの野生生物取引監視部門トラフィックが公表した報告書では、日本への密輸ではなく、日本から中国などへの密輸出が起きていることが明らかになりました。

このため、日本の象牙市場は厳格に管理されていないのではないか、という声も上がっています。

年代測定は違法なものを見分ける手段として、私たちも提案してきた方法の一つ。実施に向けた課題はありますが、今後の検討に注目したいと思います。
(C&M室 大倉)

©Greg Armfield WWF-UK

WWFケニアのアフリカゾウ保全プログラム担当(赤い服)とケニアのレンジャーたち

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C&M室 メディアグループ プレス担当
大倉 寿之

90年代の諫早干拓問題やオゾン層破壊の話題はけたたましくアラーム音が鳴り響く「警告の赤」。一方、今の温暖化の進行や自然資源の過剰消費は、いつみても「要注意の黄」がともっている状態なのかもしれません。これに慣れっこになってはいけない、そう思いながら、環境ニュースに日々感度の高いアンテナを張っています。

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