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久留米発!企業が取り組むネイチャーポジティブ・アクション


先日、ダイハツグループ九州開発センター(久留米市)で実施されたイベント「くるめ生きもの探検隊inダイハツ工業」にお邪魔しました。このイベントは、久留米市環境部とダイハツ工業との共催で、地域の皆様を対象に実施されたものです。

ダイハツ工業では、2018年から敷地内の動植物の調査を開始し、敷地内のビオトープづくりを推進。また、久留米市と協働し、希少な淡水魚カワバタモロコの保全に向けた環境づくりも進めてきました。

カワバタモロコは、かつては水田の周りの水路に多く生息する淡水魚でしたが、近年では減少が著しく、福岡県内では絶滅が心配されています。梅雨時に水没する浅い植生帯で産卵しますが、水路の改修に伴い、そうした環境が少なくなっていることが原因です。

カワバタモロコ。オス(写真上)は繁殖期になると金色に変化する、美しい淡水魚です。
©Yuichi Kano

カワバタモロコ。オス(写真上)は繁殖期になると金色に変化する、美しい淡水魚です。

同社では、この淡水魚が繁殖できる環境を整備するため、福岡県保健環境研究所の中島淳専門研究員の助言を得て、水路状のビオトープの各所に浅い湿地環境(陸域と水域の移行帯:エコトーン)を整備。今年5月に放流した久留米市内産のカワバタモロコは、順調に個体数を増やしているとのことでした。

専門家の助言を受けて造成したエコトーン。なだらかな傾斜にすることで、季節的に水没する浅い湿地帯環境をつくり出しています。
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専門家の助言を受けて造成したエコトーン。なだらかな傾斜にすることで、季節的に水没する浅い湿地帯環境をつくり出しています。

午後の大雨で水没したエコトーン。このような湿地環境は、大雨が降った際に一時的に雨水を貯め、ゆっくりと浸透・流出することで治水への貢献も期待できます。
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午後の大雨で水没したエコトーン。このような湿地環境は、大雨が降った際に一時的に雨水を貯め、ゆっくりと浸透・流出することで治水への貢献も期待できます。

イベントの当日はあいにくの雨でしたが、その合間に行われた屋外での観察会では、様々な生きものとの出会いがあり、参加された皆さんの歓声が溢れました。

オニバスの解説をする専門家と、葉の裏のトゲを観察する参加者。このビオトープでは、ヒシモドキやオニバス、コウホネといった久留米市内産の希少水生植物の保全にも取り組んでいます。
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オニバスの解説をする専門家と、葉の裏のトゲを観察する参加者。このビオトープでは、ヒシモドキやオニバス、コウホネといった久留米市内産の希少水生植物の保全にも取り組んでいます。

室内で観察したカワバタモロコをビオトープに帰す参加者。手前にはコウホネの花が咲いています。
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室内で観察したカワバタモロコをビオトープに帰す参加者。手前にはコウホネの花が咲いています。

また、ダイハツ工業の皆様の生き生きとした姿も印象的で、ここを訪れる社内外たくさんの方々の心身の健康にも、こうしたビオトープが大事な役割を果たしていることを実感しました。

地域の皆様や企業、自治体の方々の協働が支えるこうした取り組みは、生物多様性の保全や治水の観点からも大きな意味を持ちます。身近な自然が秘める多様な機能。それを心から実感した一日でした。

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自然保護室(淡水)
久保 優

修士(農学・東京大学)
修士課程修了後、国際協力機構(JICA)にて開発途上国向けの農業農村開発、水産資源管理、森林環境保全等のプロジェクト形成・監理に従事。2021年9月にWWFジャパンに入局。国内の水田生態系保全、海外の繊維関連プロジェクト担当。

故郷の田畑や自然環境、外来生物の分布拡大が原風景にあります。国内においては人口減少社会における社会的共通資本としての自然環境の保全、Nature-based Solutions、グリーンインフラ、海外現場においては水資源・自然資源の管理と人々の生計向上に関心があります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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