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世界で一番密猟される哺乳類、センザンコウ


皆さん、「センザンコウ」という動物をご存知ですか?

全身を覆う鎧のようなウロコ(鱗)から、一見爬虫類かと見紛う姿ですが、実際は哺乳類です。

30~85センチ程の大きさの動物ですが、主食はアリ。アリ塚にひそむこの虫を食べるため、種類によっては体長よりも長い舌を持っています。

このセンザンコウ、日本ではあまり有名ではないかもしれませんが、実は「世界で一番密猟されている」とも言われている哺乳動物。

アジアとアフリカに分布する8種全てが絶滅の危機にあります。

密猟の原因は、珍しい伝統薬の原料として珍重されるウロコ。また、皮も皮革製品に利用されるほか、肉が食用にもされています。

©Meg Gawler / WWF

ウロコは体重の20%程度。2019年にアフリカから密輸されたウロコは97トンにもおよび、これは、センザンコウ15万頭に相当。5分に一頭が密猟されていると試算されています。

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科学的な根拠がないものの、ウロコにさまざまな治癒効果があると信じられており、主に中国やベトナムで伝統薬として利用されています

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特徴的なパターンのあるセンザンコウの皮を利用したブーツ

© naturepl.com / Roland Seitre / WWF

現在猛威を振るっている新型コロナウィルスの媒介者の一つが、センザンコウの可能性があるとの華南農業大学(South China Agricultural University、2020年2月7日)の報告もあります

このセンザンコウの危機について広く伝え、保全対策を進めるため、2011年に「世界センザンコウの日」が制定されました。

毎年2月の第3土曜日、2020年は2月15日が、その日にあたります。

そんな中、この日に向けて発表された報告書の中に興味深いものがありました。センザンコウの違法取引に関する、WJC(Wildlife Justice Commission)の発表した報告書です。

それによれば、2018年から2019年に摘発されたセンザンコウの押収事例の84%が、ナイジェリアからベトナム向けであったとのこと。

さらに、これらの摘発では押収量が大きいことや、違法な象牙も同時に発見される例が多く、国際的な組織犯罪の関与も指摘しています。

国境を越えて広がる野生生物の違法取引は、今や一つ一つの野生生物種だけにとどまらない、国際的、社会的にも大きな課題となっています。

世界センザンコウの日を機に、私たちも想いを新たに、取り組みを続けていきたいと思います。

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