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密猟や違法な取引から、野生生物を守ろう!

この記事のポイント
絶滅のおそれが指摘される世界の野生生物は、今では2万8,000種以上を数えます。こうした生きものたちを脅かす原因はいくつもありますが、その中でも、昔から続いてきた「密猟」や「密輸」は、今も大きな脅威となっています。このコーナーでは、密猟や密輸がどのような問題であるかをひもときながら、その犠牲になってきた野生動物たちを紹介します。
目次

野生生物を脅かす「密猟」と「密輸」

それぞれの国が野生動物を守るために定めた法律を破って行なわれる「密猟」や「密輸(違法取引)」は、今も野生生物を絶滅の危機に追いやっている、深刻な問題のひとつです。

アフリカゾウの象牙、サイの角、トラの骨、いずれも装身具や、伝統薬の原料として、高値で取引されており、これが、密猟や密輸を呼ぶ原因になっているのです。

IUCN(国際自然保護連合)の「レッドリスト」によれば、違法なものに限らず捕獲や採集による影響を受けて、現在世界では1,730種の野生動物と1,517種の植物が、絶滅の危機に瀕しているといわれています。
そして、このうちの多くが、違法に行なわれる密猟や密輸の犠牲になっていると考えられます。

こうした違法行為の犠牲にないっているのは、必ずしも、ゾウやトラのような良く知られた動物だけではありません。また、密猟の目的なども、その動物や植物によって、異なってきます。

密猟や密輸の目的には、たとえば次のような用途があります。

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毛皮やアクセサリーなどの装飾品

© WWF-US / Keith Arnold
アジアゾウは、20世紀の初頭にはイランから中国にかけて10万頭が生息していたともいわれています。しかし象牙や皮を狙う密猟の犠牲になったり、開発によって生息地の森が広く失われたため、各地で減少。21世紀の初めには、4万~5万頭までその数を減らしてしまいました。野生のアジアゾウの約半数が生息するのはインドですが、減少が著しい地域もあり、絶滅が心配されています。スマトラ島などでは、森の近くにも宅地や畑が作られるようになったため、ゾウが家を壊したり、人を死なせる事故も発生。報復のためゾウが殺される事件も生じています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

アジアゾウ アジアゾウは、20世紀の初頭にはイランから中国にかけて10万頭が生息していたともいわれています。しかし象牙や皮を狙う密猟の犠牲になったり、開発によって生息地の森が広く失われたため、各地で減少。21世紀の初めには、4万~5万頭までその数を減らしてしまいました。野生のアジアゾウの約半数が生息するのはインドですが、減少が著しい地域もあり、絶滅が心配されています。スマトラ島などでは、森の近くにも宅地や畑が作られるようになったため、ゾウが家を壊したり、人を死なせる事故も発生。報復のためゾウが殺される事件も生じています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

アメリカワニ フロリダ南部から南米大陸北部の太平洋沿岸に分布し、汽水域(海と川の水がまざるところ)を好むワニで、最大で6.5メートルという記録があります。産卵する時には、砂地に穴を掘ったり、植物を集めて場所作るなど、環境にあわせて巣の作り方を変えるワニとして知られています。ワニ革を取るため、1930年代から1960年代にかけて乱獲され、また生息地の開発も進んだことから絶滅の恐れが高まり、フロリダでは一時、300頭まで減ってしまいました。現在は保護活動によって、多くの地域で数を回復していますが、コロンビアなど一部の国や地域では、まだ減少したままになっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
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アメリカワニ フロリダ南部から南米大陸北部の太平洋沿岸に分布し、汽水域(海と川の水がまざるところ)を好むワニで、最大で6.5メートルという記録があります。産卵する時には、砂地に穴を掘ったり、植物を集めて場所作るなど、環境にあわせて巣の作り方を変えるワニとして知られています。ワニ革を取るため、1930年代から1960年代にかけて乱獲され、また生息地の開発も進んだことから絶滅の恐れが高まり、フロリダでは一時、300頭まで減ってしまいました。現在は保護活動によって、多くの地域で数を回復していますが、コロンビアなど一部の国や地域では、まだ減少したままになっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

タイマイ 主にサンゴ礁が発達した温かい海、なかでもインドネシアやミクロネシアの海に多くすんでいます。エビやカニのほか、尖った口と前肢で、死んだサンゴのがれきの下からカイメンを器用に選り分けて食べます。産卵場所が広い海域に点在し、生む時期もばらばらで、生態や個体数はよくわかっていません。黄色や黒褐色をした美しい甲羅が細工に使われる「べっこう」の材料として使用されるほか、魚網に誤って絡んで命を落とす(混獲)、食用としての卵の乱獲により、数が減少。現在、甲羅の国際取引が規制されるなど、保護されてはいるものの、絶滅の恐れは高い状態が続いています。<br> (ワシントン条約:附属書Ⅰ)
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タイマイ 主にサンゴ礁が発達した温かい海、なかでもインドネシアやミクロネシアの海に多くすんでいます。エビやカニのほか、尖った口と前肢で、死んだサンゴのがれきの下からカイメンを器用に選り分けて食べます。産卵場所が広い海域に点在し、生む時期もばらばらで、生態や個体数はよくわかっていません。黄色や黒褐色をした美しい甲羅が細工に使われる「べっこう」の材料として使用されるほか、魚網に誤って絡んで命を落とす(混獲)、食用としての卵の乱獲により、数が減少。現在、甲羅の国際取引が規制されるなど、保護されてはいるものの、絶滅の恐れは高い状態が続いています。  (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

バラシンガジカ 別名インドヌマジカ。インドとネパールの雨の多い森に生息するシカで、沼や川沿いなど、水の多い草地のような場所で、小さな群を作って暮らしています。バラシンガジカのオスは、特に細かく枝分かれした見事な角を持つ、美しいシカとして知られています。しかし、この角を狙った密猟が続いた結果、数が減少。森林伐採や家畜の放牧、火入れなどによって生息地も小さく分断され、今では全部合わせても最大で5000頭に満たない数が、いくつかの保護区に分散して生き残っているだけといわれています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

バラシンガジカ 別名インドヌマジカ。インドとネパールの雨の多い森に生息するシカで、沼や川沿いなど、水の多い草地のような場所で、小さな群を作って暮らしています。バラシンガジカのオスは、特に細かく枝分かれした見事な角を持つ、美しいシカとして知られています。しかし、この角を狙った密猟が続いた結果、数が減少。森林伐採や家畜の放牧、火入れなどによって生息地も小さく分断され、今では全部合わせても最大で5000頭に満たない数が、いくつかの保護区に分散して生き残っているだけといわれています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

フサエリショウノガン 北アフリカに広く生息するフサエリショウノガンは、乾燥した半砂漠地帯に生息しています。地域によっては、冬になると温かい南方に渡るものもいます。普段は地面にいることが多く、動作もゆっくりですが、警戒心が非常に強く、ひとたび危険を感じたら巣を捨てることも珍しくありません。高性能の銃が狩猟で使われるようになったことに加え、特にアラブ諸国ではタカ狩りの獲物として好まれたことから、20世紀の後半に大きく数を減らしました。現在の推定個体数は、約13,000~33,000羽。危機と減少は続いており、絶滅の恐れが高まっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

フサエリショウノガン 北アフリカに広く生息するフサエリショウノガンは、乾燥した半砂漠地帯に生息しています。地域によっては、冬になると温かい南方に渡るものもいます。普段は地面にいることが多く、動作もゆっくりですが、警戒心が非常に強く、ひとたび危険を感じたら巣を捨てることも珍しくありません。高性能の銃が狩猟で使われるようになったことに加え、特にアラブ諸国ではタカ狩りの獲物として好まれたことから、20世紀の後半に大きく数を減らしました。現在の推定個体数は、約13,000~33,000羽。危機と減少は続いており、絶滅の恐れが高まっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ユキヒョウ ユキヒョウは1970年代まで、カメラがとらえたことの無い「幻の動物」でした。その理由は、ユキヒョウが中央アジアやヒマラヤの高山、それも最高で標高6000メートルにもなる急な斜面の岩場などに生息しているからです。寒さに耐える長い毛と、崖を上り下りする時バランスを取るのに役立つ長い尾をもち、同じ場所に生息する野生のヤギなどを食べています。しかし、毛皮や漢方薬になる骨を狙った密猟などに脅かされており、現在の生息数は推定で2,710~3,386頭ほど(成獣のみ)といわれています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

ユキヒョウ ユキヒョウは1970年代まで、カメラがとらえたことの無い「幻の動物」でした。その理由は、ユキヒョウが中央アジアやヒマラヤの高山、それも最高で標高6000メートルにもなる急な斜面の岩場などに生息しているからです。寒さに耐える長い毛と、崖を上り下りする時バランスを取るのに役立つ長い尾をもち、同じ場所に生息する野生のヤギなどを食べています。しかし、毛皮や漢方薬になる骨を狙った密猟などに脅かされており、現在の生息数は推定で2,710~3,386頭ほど(成獣のみ)といわれています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

チンチラ 南米大陸を南北に走るアンデス山脈。その西側の斜面、チリ中北部の森や岩場には、ネズミによく似たチンチラという動物がすんでいます。チンチラは、植物の根などを食べ、寒くて厳しい山にでも生きられる、やわらかく温かい毛皮を持っています。しかし、この毛皮を狙った狩猟が長い間続けられてきたため、数が減少。最近は、鉱山や牧場の開発などによって、森や岩場が失われたこともあり、絶滅が心配されるようになりました。より標高の高い場所にすむ別種のチビオチンチラも、絶滅の危機に瀕しています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
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チンチラ 南米大陸を南北に走るアンデス山脈。その西側の斜面、チリ中北部の森や岩場には、ネズミによく似たチンチラという動物がすんでいます。チンチラは、植物の根などを食べ、寒くて厳しい山にでも生きられる、やわらかく温かい毛皮を持っています。しかし、この毛皮を狙った狩猟が長い間続けられてきたため、数が減少。最近は、鉱山や牧場の開発などによって、森や岩場が失われたこともあり、絶滅が心配されるようになりました。より標高の高い場所にすむ別種のチビオチンチラも、絶滅の危機に瀕しています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ヤマシマウマ アフリカに生息するシマウマは3種。その中で、最も標高の高いところにすむのがヤマシマウマです。ヤマシマウマは南アフリカ共和国からアンゴラにかけて生息しており、山岳地帯のサバンナや荒地、半砂漠のような場所で、群を作り暮らしています。ヤマシマウマは20世紀の半ば頃までは、5万~7万5000頭がいたといわれています。しかし、その後、アフリカ南部を襲った干ばつや、毛皮を狙った狩猟が続けられてきた結果、1万頭以下にまで減ってしまいました。長い間内戦が続いていたアンゴラでは、長く生息状況もわかっていませんでした。現在も生息地の開発などが脅威になっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅱ)
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ヤマシマウマ アフリカに生息するシマウマは3種。その中で、最も標高の高いところにすむのがヤマシマウマです。ヤマシマウマは南アフリカ共和国からアンゴラにかけて生息しており、山岳地帯のサバンナや荒地、半砂漠のような場所で、群を作り暮らしています。ヤマシマウマは20世紀の半ば頃までは、5万~7万5000頭がいたといわれています。しかし、その後、アフリカ南部を襲った干ばつや、毛皮を狙った狩猟が続けられてきた結果、1万頭以下にまで減ってしまいました。長い間内戦が続いていたアンゴラでは、長く生息状況もわかっていませんでした。現在も生息地の開発などが脅威になっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅱ)

ビクーニャ ビクーニャは世界に生息するラクダの仲間のなかで一番小さい動物です。体長は2メートル弱、体重は大きいものでも60キロほど。南米のペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンの、標高3700~4800メートルの高地に群れで暮らし、危険が迫ると時速47キロの速さで敵から逃げます。かつては数百万頭いましたが、高級な織物として売れる上質な毛などのために狩られ、1960年代には1万5000頭にまで激減。現在は殺さずに毛だけを刈って野生に戻すなど、保護対策が進められています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅱ)
©Helmut Duller

ビクーニャ ビクーニャは世界に生息するラクダの仲間のなかで一番小さい動物です。体長は2メートル弱、体重は大きいものでも60キロほど。南米のペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンの、標高3700~4800メートルの高地に群れで暮らし、危険が迫ると時速47キロの速さで敵から逃げます。かつては数百万頭いましたが、高級な織物として売れる上質な毛などのために狩られ、1960年代には1万5000頭にまで激減。現在は殺さずに毛だけを刈って野生に戻すなど、保護対策が進められています。 (ワシントン条約:附属書Ⅱ)

オオカワウソ 南アメリカのアマゾン川の流域から、アルゼンチンにかけて生息するオオカワウソは、全長が180センチにもなる世界最大のカワウソです。川べりで4~10頭ほどの群を作ってくらし、魚をとって食べています。ところが、泳ぎが得意なオオカワウソは、水にも耐えるすばらしい毛皮を持っていたため、ハンターに狙われ、たくさん殺されました。1960年代にはブラジル一国だけで、1年に2万枚もの毛皮が輸出された記録もあります。最近は、銃で狙われるケースは減ったようですが、生息地の森の伐採や、食べものである魚の乱獲など、さまざまな問題に脅かされています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

オオカワウソ 南アメリカのアマゾン川の流域から、アルゼンチンにかけて生息するオオカワウソは、全長が180センチにもなる世界最大のカワウソです。川べりで4~10頭ほどの群を作ってくらし、魚をとって食べています。ところが、泳ぎが得意なオオカワウソは、水にも耐えるすばらしい毛皮を持っていたため、ハンターに狙われ、たくさん殺されました。1960年代にはブラジル一国だけで、1年に2万枚もの毛皮が輸出された記録もあります。最近は、銃で狙われるケースは減ったようですが、生息地の森の伐採や、食べものである魚の乱獲など、さまざまな問題に脅かされています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

© HelmutDILLER

フェルナンデスオットセイ 海の哺乳類オットセイは、寒さや水に強い上質の毛皮を持っています。しかし、この毛皮を狙った狩猟は、世界中で行なわれてきました。南米チリのファン・フェルナンデス諸島とサン・フェリックス諸島に生息するフェルナンデスオットセイも、17世紀頃から毛皮を目的に乱獲され、数が激減。記録によれば、130年の間に400万頭が捕獲されたといいます。一時は絶滅してしまったとまで言われましたが、1965年に生き残っていた群れが再発見され、そこから保護活動がスタート。その後、1万6,000頭まで回復し、今では絶滅の危機を脱したとされています。  (ワシントン条約:附属書Ⅱ)

ペット

© Michèle Dépraz / WWF
ギリシャリクガメ 50種を超える世界のリクガメの中でも、飛びぬけて分布の広い種で、ヨーロッパ南東部、中東、北アフリカと、生息域は三つの大陸にまたがっています。多くの亜種に分類されていますが、特にトルコギリシアリクガメという亜種が、よく知られています。大きさはリクガメとしては中型で、草地、低木林に多く、乾燥気味の環境を好んで生息。ペットとするため古くから大量に捕獲されたり、生息環境を農耕地、牧場に換えられたこともあって減少してきました。日本へも多数の個体が輸入され、マニアには親しまれているカメの一種です。現在は「ワシントン条約」で国際的な取り引きが保護のため規制されています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅱ)
©Uls Woy

ギリシャリクガメ 50種を超える世界のリクガメの中でも、飛びぬけて分布の広い種で、ヨーロッパ南東部、中東、北アフリカと、生息域は三つの大陸にまたがっています。多くの亜種に分類されていますが、特にトルコギリシアリクガメという亜種が、よく知られています。大きさはリクガメとしては中型で、草地、低木林に多く、乾燥気味の環境を好んで生息。ペットとするため古くから大量に捕獲されたり、生息環境を農耕地、牧場に換えられたこともあって減少してきました。日本へも多数の個体が輸入され、マニアには親しまれているカメの一種です。現在は「ワシントン条約」で国際的な取り引きが保護のため規制されています。 (ワシントン条約:附属書Ⅱ)

クモノスガメ 甲羅の長さが15センチ程の小型のリクガメで、マダガスカル島の南部に生息しています。クモの巣のような黄色の放射模様が特徴で、乾燥した低地の林や藪地にすみます。草や木の実、キノコなどを食べ、雨が降ると活発に動きますが、乾燥が長く続くと、落ち葉に潜ってじっとしています。人が島に持ち込んだ外来種のカワイノシシが卵や子ガメを食べてしまう上、ペットとしての人気が高いため乱獲され、絶滅の危機に追いやられています。過去には1,000頭もの野生の個体がペットとして売るために違法に輸出される事件もありました。現在は「ワシントン条約」で国際的な取り引きが保護のため禁止されています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Uls Woy

クモノスガメ 甲羅の長さが15センチ程の小型のリクガメで、マダガスカル島の南部に生息しています。クモの巣のような黄色の放射模様が特徴で、乾燥した低地の林や藪地にすみます。草や木の実、キノコなどを食べ、雨が降ると活発に動きますが、乾燥が長く続くと、落ち葉に潜ってじっとしています。人が島に持ち込んだ外来種のカワイノシシが卵や子ガメを食べてしまう上、ペットとしての人気が高いため乱獲され、絶滅の危機に追いやられています。過去には1,000頭もの野生の個体がペットとして売るために違法に輸出される事件もありました。現在は「ワシントン条約」で国際的な取り引きが保護のため禁止されています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ヘサキリクガメ 中型のリクガメで、ドーム型をした甲羅は成長すると長さ45センチ程になります。草食で、雨期に活発に活動し、乾期は落ち葉の中にもぐってすごすことが多いようです。かつてはマダガスカル島西部の乾燥地帯に広くすんでいましたが、ペット用に大量に捕獲されたり、開発による火入れなどで生息環境が失われたため、数を減らしました。今は点在する狭い生息地に400匹ほどが残るのみで、世界のリクガメの中でもとりわけ絶滅の恐れが高いと見られています。人が持ち込んだ外来種のカワイノシシに卵や子ガメが食べられる被害も、危機を高めています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
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ヘサキリクガメ 中型のリクガメで、ドーム型をした甲羅は成長すると長さ45センチ程になります。草食で、雨期に活発に活動し、乾期は落ち葉の中にもぐってすごすことが多いようです。かつてはマダガスカル島西部の乾燥地帯に広くすんでいましたが、ペット用に大量に捕獲されたり、開発による火入れなどで生息環境が失われたため、数を減らしました。今は点在する狭い生息地に400匹ほどが残るのみで、世界のリクガメの中でもとりわけ絶滅の恐れが高いと見られています。人が持ち込んだ外来種のカワイノシシに卵や子ガメが食べられる被害も、危機を高めています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ホウシャガメ リクガメの中では中型で、甲羅の長さは最大で40センチほどになります。黒い地に黄色やオレンジの模様が放射状についていることからこの名がつきました。草や花を食べ、一年に5~6回産卵します。一度に産む卵は多い時でも9個程度。マダガスカル島の固有種で、半砂漠地帯の海岸沿いにある藪地や、低い山地の低木林にすんでいます。食用として国内で消費されたほか、ペットとして日本を含む海外に生きたまま大量に輸出されたことで数を減らしました。現在は法律で厳しく保護されていますが、違法な捕獲や取引は後をたちません。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
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ホウシャガメ リクガメの中では中型で、甲羅の長さは最大で40センチほどになります。黒い地に黄色やオレンジの模様が放射状についていることからこの名がつきました。草や花を食べ、一年に5~6回産卵します。一度に産む卵は多い時でも9個程度。マダガスカル島の固有種で、半砂漠地帯の海岸沿いにある藪地や、低い山地の低木林にすんでいます。食用として国内で消費されたほか、ペットとして日本を含む海外に生きたまま大量に輸出されたことで数を減らしました。現在は法律で厳しく保護されていますが、違法な捕獲や取引は後をたちません。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

フィジーシロオビイグアナ 南太平洋の島国フィジーの島にだけ分布する、がっしりした体格のイグアナで、オスには鮮やかな緑色の体に白い横じまがあります。島の森林、特に湿地の周辺を好み、樹の上で昆虫や果実などを食べています。20世紀に入り、人による開発や野生化した家畜による生息地の破壊や、海外から持ち込まれた外来種のネコやマングースに襲われたことなどにより減少。すでに、いくつかの島からは姿を消してしまいました。1970年代から輸出は禁じられてきましたが、現在も時折 、インターネットで販売されている例が確認され、違法と考えらえる取引が行なわれていると考えられています。<br> (ワシントン条約:附属書Ⅰ)
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フィジーシロオビイグアナ 南太平洋の島国フィジーの島にだけ分布する、がっしりした体格のイグアナで、オスには鮮やかな緑色の体に白い横じまがあります。島の森林、特に湿地の周辺を好み、樹の上で昆虫や果実などを食べています。20世紀に入り、人による開発や野生化した家畜による生息地の破壊や、海外から持ち込まれた外来種のネコやマングースに襲われたことなどにより減少。すでに、いくつかの島からは姿を消してしまいました。1970年代から輸出は禁じられてきましたが、現在も時折 、インターネットで販売されている例が確認され、違法と考えらえる取引が行なわれていると考えられています。  (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

メキシコサンショウウオ 日本ではアルビノの個体がウーパールーパーの名前で知られる、メキシコ固有の両生類の一種です。メキシコサンショウウオはかつて、首都メキシコシティー周辺の湖や水路などで見られましたが、現在はそのほとんどが埋め立てられてしまい激減。飼育個体はペットや実験用として世界中で飼育・繁殖されていますが、その元になった個体も多く捕獲されてきました。ソチミルコ湖やその周辺が最後の生息地とみられていますが、野生の個体はきわめて少なく、ほぼ絶滅に近い状態ではないかとみられています。生息域が狭く、環境変化の影響を受けやすいことも、危機を高める要因になっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅱ)
©Uls Woy

メキシコサンショウウオ 日本ではアルビノの個体がウーパールーパーの名前で知られる、メキシコ固有の両生類の一種です。メキシコサンショウウオはかつて、首都メキシコシティー周辺の湖や水路などで見られましたが、現在はそのほとんどが埋め立てられてしまい激減。飼育個体はペットや実験用として世界中で飼育・繁殖されていますが、その元になった個体も多く捕獲されてきました。ソチミルコ湖やその周辺が最後の生息地とみられていますが、野生の個体はきわめて少なく、ほぼ絶滅に近い状態ではないかとみられています。生息域が狭く、環境変化の影響を受けやすいことも、危機を高める要因になっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅱ)

カンムリシロムク ペットとして喜ばれる鳥が乱獲され、絶滅に追い込まれる例が、世界にはいくつもあります。インドネシアのバリ島にだけ生息するカンムリシロムクも、そのような鳥として知られています。白い身体と目の周りの青いふちどりがきれいなこの鳥は、ペットとして人気がありました。しかし、バリ島の限られた場所にだけ生息していたこともあり、数が激減。生息地が保護区に指定され、一度は200羽まで回復したものの、結局密猟によって数を減らし、2002年には野生のカンムリシロムクは6羽まで減少。今も推定で50羽以下とみられ、世界でもっとも絶滅の危機が高い鳥の一種となっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

カンムリシロムク ペットとして喜ばれる鳥が乱獲され、絶滅に追い込まれる例が、世界にはいくつもあります。インドネシアのバリ島にだけ生息するカンムリシロムクも、そのような鳥として知られています。白い身体と目の周りの青いふちどりがきれいなこの鳥は、ペットとして人気がありました。しかし、バリ島の限られた場所にだけ生息していたこともあり、数が激減。生息地が保護区に指定され、一度は200羽まで回復したものの、結局密猟によって数を減らし、2002年には野生のカンムリシロムクは6羽まで減少。今も推定で50羽以下とみられ、世界でもっとも絶滅の危機が高い鳥の一種となっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

アカビタイボウシインコ 30センチほどのインコで、額が赤く、体は鮮やかな緑色をしています。カリブ海に浮かぶプエルトリコだけにすむ固有種で、かつては近くの島々の森にも広くすんでいましたが、森林伐採によって原生林がかつての1パーセントにまで減り、ペット用に狩られたことから、一時は13羽にまで減少しました。1970年代から国をあげて保護が行なわれてきましたが、現在でも多くて50羽以下。さらに、人の持ち込んだミツバチなどの外来生物が、アカビタイボウシインコが巣を作る樹洞を占領してしまう問題や、ハリケーンなど自然災害による森の破壊が、今もこの鳥にとって大きな脅威となっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

アカビタイボウシインコ 30センチほどのインコで、額が赤く、体は鮮やかな緑色をしています。カリブ海に浮かぶプエルトリコだけにすむ固有種で、かつては近くの島々の森にも広くすんでいましたが、森林伐採によって原生林がかつての1パーセントにまで減り、ペット用に狩られたことから、一時は13羽にまで減少しました。1970年代から国をあげて保護が行なわれてきましたが、現在でも多くて50羽以下。さらに、人の持ち込んだミツバチなどの外来生物が、アカビタイボウシインコが巣を作る樹洞を占領してしまう問題や、ハリケーンなど自然災害による森の破壊が、今もこの鳥にとって大きな脅威となっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ハシブトインコ 中央アメリカ・西シエラマドレ山脈の標高1,200~3,600メートル付近のマツ林にすんでいます。マツ科の木に巣を作り、主にその実を食べるため、マツの林はハシブトインコにとってとても大切な環境です。しかし大規模な伐採が進んだために、西シエラマドレ山脈のマツ林は大部分が失われてしまいました。さらに、生息地や食べ物が激減したうえ、ペット用に捕獲されたことも、ハシブトインコに大きな打撃となりました。現在はメキシコ北部のチワワ州やソノラ州などの限られた地域に、2,000~2,800羽ほどが残っているのみと考えられています。
©Paul BARRUEL

ハシブトインコ 中央アメリカ・西シエラマドレ山脈の標高1,200~3,600メートル付近のマツ林にすんでいます。マツ科の木に巣を作り、主にその実を食べるため、マツの林はハシブトインコにとってとても大切な環境です。しかし大規模な伐採が進んだために、西シエラマドレ山脈のマツ林は大部分が失われてしまいました。さらに、生息地や食べ物が激減したうえ、ペット用に捕獲されたことも、ハシブトインコに大きな打撃となりました。現在はメキシコ北部のチワワ州やソノラ州などの限られた地域に、2,000~2,800羽ほどが残っているのみと考えられています。

キビタイヒスイインコ 毎年季節になると、雷などにより自然に火事が起きる所があります。オーストラリアの北東部もそんな場所の一つ。そこに生息するキビタイヒスイインコは、火事のあとにできる草地で草の実などを食べています。自然の火事のおかげで生きている、変わった鳥なのです。しかし、この鳥には同時に、巣を作るシロアリの塚(穴をあけ、中に巣を作る)や、普段生息場所にしている林も必要です。最近は、このような林や草地が、広く牧場などに作り変えられ、すむ場所が少なくなってきました。また、ペット用に捕まえられたり、野生化したネコにも襲われるため、その数は今では2,500羽ほどといわれています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
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キビタイヒスイインコ 毎年季節になると、雷などにより自然に火事が起きる所があります。オーストラリアの北東部もそんな場所の一つ。そこに生息するキビタイヒスイインコは、火事のあとにできる草地で草の実などを食べています。自然の火事のおかげで生きている、変わった鳥なのです。しかし、この鳥には同時に、巣を作るシロアリの塚(穴をあけ、中に巣を作る)や、普段生息場所にしている林も必要です。最近は、このような林や草地が、広く牧場などに作り変えられ、すむ場所が少なくなってきました。また、ペット用に捕まえられたり、野生化したネコにも襲われるため、その数は今では2,500羽ほどといわれています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ミカドボウシインコ 全長が45センチにもなるミカドボウシインコは、中米カリブ海のドミニカ島にだけ生息する鳥です。100年前までは珍しくない鳥でしたが、1980年代になると、1ヵ所の森でしか見られなくなりました。原因は生息場所である山地の森が伐採されたことと、ペットや食用にするため捕まえられたこと、そして、ハリケーンによって島の自然が壊されたことなど。一時は60羽ほどにまで減りましたが、保護活動の結果、現在はおよそ160~240羽まで回復しました。しかし今も、密猟が続いているほか、森の周辺ではバナナ農園などがさかんに作られています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

ミカドボウシインコ 全長が45センチにもなるミカドボウシインコは、中米カリブ海のドミニカ島にだけ生息する鳥です。100年前までは珍しくない鳥でしたが、1980年代になると、1ヵ所の森でしか見られなくなりました。原因は生息場所である山地の森が伐採されたことと、ペットや食用にするため捕まえられたこと、そして、ハリケーンによって島の自然が壊されたことなど。一時は60羽ほどにまで減りましたが、保護活動の結果、現在はおよそ160~240羽まで回復しました。しかし今も、密猟が続いているほか、森の周辺ではバナナ農園などがさかんに作られています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ボルネオオランウータン オランウータンとは、マレー語で「森の人」という意味。東南アジア・ボルネオ島の熱帯の森にすみ、一日のほとんどを樹上で過ごしながら、主にイチジクやドリアンなどの果物を食べています。ボルネオオランウータンがすむボルネオ島では、森が次々と伐採され、パーム油を採るためのアブラヤシの大農場へと姿を変えています。そのため自然の森が減り、オランウータンも減り続けています。森林火災が起きやすくなっていることも、森の減少の大きな要因の一つ。さらに、ペットショップなどに売るために、特に子どものオランウータンを捕まえて密輸する事件も起きています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

ボルネオオランウータン オランウータンとは、マレー語で「森の人」という意味。東南アジア・ボルネオ島の熱帯の森にすみ、一日のほとんどを樹上で過ごしながら、主にイチジクやドリアンなどの果物を食べています。ボルネオオランウータンがすむボルネオ島では、森が次々と伐採され、パーム油を採るためのアブラヤシの大農場へと姿を変えています。そのため自然の森が減り、オランウータンも減り続けています。森林火災が起きやすくなっていることも、森の減少の大きな要因の一つ。さらに、ペットショップなどに売るために、特に子どものオランウータンを捕まえて密輸する事件も起きています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

© HelmutDILLER

カンムリシファカ マダガスカル島の北西部に生息するキツネザル(レムール)の一種です。沿岸部から島の中央高地にかけて広がる森に生息。主食は植物の葉で、花や果実なども食べます。2~8頭の群でくらし、1.5ヘクタールほどの縄張りを持ちます。このカンムリシファカを脅かしているのは、生息地の森の減少。特に、牧草地の開拓と、地域の生活で使われる燃料用の薪にするための伐採が、大きな脅威になっています。また、珍しいペットとしての捕獲や取引が行なわれている例も確認されています。個体数は不明ですが、生息環境の劣化・減少が深刻なため、絶滅の危機は高いと考えられています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

漢方薬・お茶など

© John E. Newby / WWF
トラ 現存するネコ科では最大の動物で、アジアに広く分布。19世紀末には10万頭いたといわれていますが、現在は推定でおよそ2,154~3,159頭まで減ってしまいました。かつてハンティングの獲物とされたこと、また毛皮や高価な漢方薬となる骨を狙った密猟、さらに生息環境である森林やサバンナの破壊が、トラの激減を招いた大きな原因です。密猟や自然破壊による脅威は、現在も続いているほか、重要な生息地の一つであるマングローブ林が、地球温暖化による海面上昇で水没の危機にさらされるなど、新しい問題も指摘されています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

トラ 現存するネコ科では最大の動物で、アジアに広く分布。19世紀末には10万頭いたといわれていますが、現在は推定でおよそ2,154~3,159頭まで減ってしまいました。かつてハンティングの獲物とされたこと、また毛皮や高価な漢方薬となる骨を狙った密猟、さらに生息環境である森林やサバンナの破壊が、トラの激減を招いた大きな原因です。密猟や自然破壊による脅威は、現在も続いているほか、重要な生息地の一つであるマングローブ林が、地球温暖化による海面上昇で水没の危機にさらされるなど、新しい問題も指摘されています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ウンピョウ インドからインドシナ半島に分布するウンピョウは、中型のネコ科動物で、熱帯林やマングローブなど、多様な森林の環境に生息しています。名前の「ウン」とは「雲」のこと。身体の大きな斑文(まだら模様)が、雲のように見えることから付けられました。大きく、角張った特徴のある下あごと、ネコ科の動物の中では最も長いといわれる犬歯(牙)を持っており、木登りも得意。シカやサル、鳥などを捕まえて食べています。しかし、毛皮や漢方薬になる骨を狙った密猟、何より生息地である熱帯林の消滅によって、今では絶滅の危機に。台湾などではすでに絶滅したといわれています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

ウンピョウ インドからインドシナ半島に分布するウンピョウは、中型のネコ科動物で、熱帯林やマングローブなど、多様な森林の環境に生息しています。名前の「ウン」とは「雲」のこと。身体の大きな斑文(まだら模様)が、雲のように見えることから付けられました。大きく、角張った特徴のある下あごと、ネコ科の動物の中では最も長いといわれる犬歯(牙)を持っており、木登りも得意。シカやサル、鳥などを捕まえて食べています。しかし、毛皮や漢方薬になる骨を狙った密猟、何より生息地である熱帯林の消滅によって、今では絶滅の危機に。台湾などではすでに絶滅したといわれています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ドゥクラングール インドシナ半島を南北に走るアンナン山脈の森林地帯に生息するサルの一種で、常緑の広葉樹林で主に植物の葉を食べています。その分布域は、ベトナムとラオスの国境地帯に位置していますが、この両国では現在のところ、十分な保護下に置かれておらず、正確な個体数もわかっていません。現在、急激に拡大しているコーヒーやゴム、カシューナッツなどの農園(プランテーション)の開発が、生息地の森を脅かしているほか、地域では昔からこのサルを伝統薬の原料とする風習があり、そのための捕獲も脅威になっていると考えられています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

ドゥクラングール インドシナ半島を南北に走るアンナン山脈の森林地帯に生息するサルの一種で、常緑の広葉樹林で主に植物の葉を食べています。その分布域は、ベトナムとラオスの国境地帯に位置していますが、この両国では現在のところ、十分な保護下に置かれておらず、正確な個体数もわかっていません。現在、急激に拡大しているコーヒーやゴム、カシューナッツなどの農園(プランテーション)の開発が、生息地の森を脅かしているほか、地域では昔からこのサルを伝統薬の原料とする風習があり、そのための捕獲も脅威になっていると考えられています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

スマトラサイ 東南アジアのスマトラ島とボルネオ島の熱帯林に生息するスマトラサイは、世界に5種いるサイの仲間の中で、最も小型のサイです。身体は短い毛におおわれており、角は二本あります。しかし、この角を取るため、スマトラサイは狙われてきました。サイの角は高価な漢方薬になるからです。さらに、生息地の熱帯林が、森林伐採やアブラヤシ(洗剤などに使われるパーム油の原料)の植林によって失われ、今では300頭以下にまで減ってしまったといわれています。広大な森にわずかな数しか生息していないこのサイを、絶滅から守るのは、まさに至難の取り組みです。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

スマトラサイ 東南アジアのスマトラ島とボルネオ島の熱帯林に生息するスマトラサイは、世界に5種いるサイの仲間の中で、最も小型のサイです。身体は短い毛におおわれており、角は二本あります。しかし、この角を取るため、スマトラサイは狙われてきました。サイの角は高価な漢方薬になるからです。さらに、生息地の熱帯林が、森林伐採やアブラヤシ(洗剤などに使われるパーム油の原料)の植林によって失われ、今では300頭以下にまで減ってしまったといわれています。広大な森にわずかな数しか生息していないこのサイを、絶滅から守るのは、まさに至難の取り組みです。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

シロサイ 世界最大のサイで、オスの体重は2トンを超えます。アフリカ南部に分布するミナミシロサイと、中部に分布するキタシロサイの2亜種に分けられますが、ともにハンティングや、高価な伝統薬の原料とされる角を狙った激しい密猟により減少。内戦などによる保護活動の中断もあり、キタシロサイは2007年頃に絶滅してしまいました。ミナミシロサイも19世紀末に20頭ほどまで減少しましたが、その後の保護活動により、現在は2万頭以上まで回復。しかし、2000年以降、再び密猟が急増し、近年は毎年1,000頭が犠牲になっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

シロサイ 世界最大のサイで、オスの体重は2トンを超えます。アフリカ南部に分布するミナミシロサイと、中部に分布するキタシロサイの2亜種に分けられますが、ともにハンティングや、高価な伝統薬の原料とされる角を狙った激しい密猟により減少。内戦などによる保護活動の中断もあり、キタシロサイは2007年頃に絶滅してしまいました。ミナミシロサイも19世紀末に20頭ほどまで減少しましたが、その後の保護活動により、現在は2万頭以上まで回復。しかし、2000年以降、再び密猟が急増し、近年は毎年1,000頭が犠牲になっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

クロサイ アフリカのサハラ砂漠より南で暮らすクロサイは、主に低木の茂みをすみかとし、草食で、水浴びや砂浴びを好むきれい好きな動物です。20世紀初頭には85万頭が生息、1960年代にもまだ10万頭が生息しているとされていましたが、角が高値で取引される漢方薬の材料やアクセサリーの素材にするために狙われ、激しい密猟が続いた結果、個体数が98%も減少。一時は2400頭まで激減し、西アフリカの亜種個体群などは絶滅してしまいました。現在は保護が進み、数は少しずつ増えていますが、それでも約3000頭ほどしかおらず、密猟もなくなっていません。危機は今も続いています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

クロサイ アフリカのサハラ砂漠より南で暮らすクロサイは、主に低木の茂みをすみかとし、草食で、水浴びや砂浴びを好むきれい好きな動物です。20世紀初頭には85万頭が生息、1960年代にもまだ10万頭が生息しているとされていましたが、角が高値で取引される漢方薬の材料やアクセサリーの素材にするために狙われ、激しい密猟が続いた結果、個体数が98%も減少。一時は2400頭まで激減し、西アフリカの亜種個体群などは絶滅してしまいました。現在は保護が進み、数は少しずつ増えていますが、それでも約3000頭ほどしかおらず、密猟もなくなっていません。危機は今も続いています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

インドサイ 全長4メートル、肩の高さ2メートル、角は60センチにもなるインドサイがすむのは、ヒマラヤの山麓。丈が7メートルもある草におおわれた草原や沼地です。しかし、高価な薬になる角を狙われて密猟され続け、今では、ネパールやインドなどの数カ所の保護区にしか生き残っていません。1960年代には600頭あまりに減少したインドサイは、保護活動によって徐々に回復。その後も内戦などによって、たびたび密猟の危機や、生息環境の深刻な破壊にさらされてきましたが、残された数か所の保護区を中心に、保護活動は何とか継続されており、今では2,500頭ほどまで増えていると考えられています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

インドサイ 全長4メートル、肩の高さ2メートル、角は60センチにもなるインドサイがすむのは、ヒマラヤの山麓。丈が7メートルもある草におおわれた草原や沼地です。しかし、高価な薬になる角を狙われて密猟され続け、今では、ネパールやインドなどの数カ所の保護区にしか生き残っていません。1960年代には600頭あまりに減少したインドサイは、保護活動によって徐々に回復。その後も内戦などによって、たびたび密猟の危機や、生息環境の深刻な破壊にさらされてきましたが、残された数か所の保護区を中心に、保護活動は何とか継続されており、今では2,500頭ほどまで増えていると考えられています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

アフリカノロバ アフリカノロバは野生のロバの一種で、かつては北アフリカ東部の半砂漠や灌木林などの乾燥した場所に広く分布していました。しかし、現在推定されている成熟した個体は、最大でも200頭。スーダンやソマリアでは絶滅してしまったと考えられています。減少の原因は、食肉や薬用にするための捕獲、すみかの環境が放牧や開発などによって奪われたこと、家畜ロバとの交雑です。また、生息する国々が長く戦災に見舞われてきたことも、保護を難しくし、密猟などを招く大きな要因となりました。近年はこれに加え、地球温暖化の影響が指摘される干ばつも脅威になっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

アフリカノロバ アフリカノロバは野生のロバの一種で、かつては北アフリカ東部の半砂漠や灌木林などの乾燥した場所に広く分布していました。しかし、現在推定されている成熟した個体は、最大でも200頭。スーダンやソマリアでは絶滅してしまったと考えられています。減少の原因は、食肉や薬用にするための捕獲、すみかの環境が放牧や開発などによって奪われたこと、家畜ロバとの交雑です。また、生息する国々が長く戦災に見舞われてきたことも、保護を難しくし、密猟などを招く大きな要因となりました。近年はこれに加え、地球温暖化の影響が指摘される干ばつも脅威になっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

© HelmutDILLER

タナリバーマンガベイ タナリバーマンガベイの生息地は、世界でただ一カ所、アフリカ大陸東部、ケニアのタナ川流域にある、100平方キロに満たない森です。その森も、農地開発などによる消失の危機にさらされているほか、昔から現地では、タナリバーマンガベイを食用に捕獲するため、地元の人たちによる捕獲も行なわれてきました。推定個体数は1975年時点で1,200頭から1,600頭。1994年に、1,000~2,000頭と推定されていますが、近年の調査による情報はありません。それでも、絶滅のおそれは以前より高まっていると考えられます。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

食用

© Sandra Mbanefo Obiago / WWF
オサガメ 世界最大のウミガメであるオサガメは、背中が甲羅ではなく硬い皮膚で覆われており、1,000メートルもの深さにまで潜れること、比較的冷たい海でも暮らせることなど、他のウミガメとは異なる特徴をたくさん持ています。大洋で常に泳ぎ続けてくらしており、砂浜で産卵する時以外は、陸に上がりません。人による卵の獲りすぎが大きな脅威となってきたほか、漁網に絡まって命を落とす「混獲」の犠牲になるものも多く、絶滅が心配されています。また、産卵場所として欠かせない、世界中の熱帯各地の砂浜も、開発などによって環境が悪化。海域によっては、深刻な絶滅の危機にあります。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Uls Woy

オサガメ 世界最大のウミガメであるオサガメは、背中が甲羅ではなく硬い皮膚で覆われており、1,000メートルもの深さにまで潜れること、比較的冷たい海でも暮らせることなど、他のウミガメとは異なる特徴をたくさん持ています。大洋で常に泳ぎ続けてくらしており、砂浜で産卵する時以外は、陸に上がりません。人による卵の獲りすぎが大きな脅威となってきたほか、漁網に絡まって命を落とす「混獲」の犠牲になるものも多く、絶滅が心配されています。また、産卵場所として欠かせない、世界中の熱帯各地の砂浜も、開発などによって環境が悪化。海域によっては、深刻な絶滅の危機にあります。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

オジロニジキジ ヒマラヤ山脈の東部にあたる、インド、ミャンマー、中国の国境付近に分布しています。尾のつけ根のあたりが白いことから、この名前がつきました。標高3,000~4,200メートルの山岳に生息しますが、冬の間は2,000メートル付近にまで降りてきます。シャクナゲ林などの茂みの多い環境を好みます。しかし、主として食用に狩られたり、取引されたため、数が減少。さらに、森林伐採による生息地の破壊や、光沢のある美しい羽の利用も追い討ちをかけました。個体数は多くても1万羽以下、現在も減り続けていると見られ、保護区の設立など保護のための施策が求められています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

オジロニジキジ ヒマラヤ山脈の東部にあたる、インド、ミャンマー、中国の国境付近に分布しています。尾のつけ根のあたりが白いことから、この名前がつきました。標高3,000~4,200メートルの山岳に生息しますが、冬の間は2,000メートル付近にまで降りてきます。シャクナゲ林などの茂みの多い環境を好みます。しかし、主として食用に狩られたり、取引されたため、数が減少。さらに、森林伐採による生息地の破壊や、光沢のある美しい羽の利用も追い討ちをかけました。個体数は多くても1万羽以下、現在も減り続けていると見られ、保護区の設立など保護のための施策が求められています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ヒメシワコブサイチョウ 世界に40種あまりが生息しているサイチョウ。大きなくちばしが特徴ですが、その上に、サイの角のような突起を持つものがおり、この名がつけられました。サイチョウ類の半分は、インドから東南アジアの熱帯林に分布。主に果実などを食べています。その一種、ヒメシワコブサイチョウは、マレー半島の西に浮かぶアンダマン諸島の小さな火山島ナコンダム島にだけ生息します。島のほぼ全体が国立公園(広さ6.8平方キロ)に指定されていますが、森林伐採や、食用にするための捕獲などが続き、この鳥は絶滅が心配されています。生息数は最大でも250羽に満たないといわれています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅱ)
©Paul BARRUEL

ヒメシワコブサイチョウ 世界に40種あまりが生息しているサイチョウ。大きなくちばしが特徴ですが、その上に、サイの角のような突起を持つものがおり、この名がつけられました。サイチョウ類の半分は、インドから東南アジアの熱帯林に分布。主に果実などを食べています。その一種、ヒメシワコブサイチョウは、マレー半島の西に浮かぶアンダマン諸島の小さな火山島ナコンダム島にだけ生息します。島のほぼ全体が国立公園(広さ6.8平方キロ)に指定されていますが、森林伐採や、食用にするための捕獲などが続き、この鳥は絶滅が心配されています。生息数は最大でも250羽に満たないといわれています。 (ワシントン条約:附属書Ⅱ)

レイサンガモ レイサンガモは、ハワイ諸島の端にあるレイサン島という小さな島だけに生息します。この鳥は過去に、幾度も絶滅の危機を潜り抜けてきました。まず、19世紀から始まった狩猟が、レイサンガモを襲いました。また、人が島に放したウサギが、カモの生息地で巣穴を掘り、植物を食い荒らすなど、自然に深刻な被害を及ぼしました。その後、ウサギの駆除や生息地の保護が行なわれ、2010年には400羽以上まで回復しましたが、世界でただ一カ所、わずか4キロ四方の小さな浅い湖でしか生きられないこの鳥に、逃げる場所はありません。レイサンガモは、今も絶滅が心配されています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

レイサンガモ レイサンガモは、ハワイ諸島の端にあるレイサン島という小さな島だけに生息します。この鳥は過去に、幾度も絶滅の危機を潜り抜けてきました。まず、19世紀から始まった狩猟が、レイサンガモを襲いました。また、人が島に放したウサギが、カモの生息地で巣穴を掘り、植物を食い荒らすなど、自然に深刻な被害を及ぼしました。その後、ウサギの駆除や生息地の保護が行なわれ、2010年には400羽以上まで回復しましたが、世界でただ一カ所、わずか4キロ四方の小さな浅い湖でしか生きられないこの鳥に、逃げる場所はありません。レイサンガモは、今も絶滅が心配されています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ハワイガン 世界でただ一ヵ所、ハワイ諸島だけにすむ固有のガンの仲間で、この島々でのみ見ることができます。山の斜面に生息し、主に植物の葉などを食べて暮らします。19世紀の終わりには2万5,000羽がいたと見られていますが、食用やハンティングのために激しく狩られ、イヌやネコなどにも捕えられたことから、1951年には30羽まで数を減らしてしまいました。人の飼育下で増やして野生に返す活動が始まり、現在は1,000羽近くにまで数を戻しましたが、自然の状態では十分に繁殖できていないと見られ、厳重な保護が必要とされています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

ハワイガン 世界でただ一ヵ所、ハワイ諸島だけにすむ固有のガンの仲間で、この島々でのみ見ることができます。山の斜面に生息し、主に植物の葉などを食べて暮らします。19世紀の終わりには2万5,000羽がいたと見られていますが、食用やハンティングのために激しく狩られ、イヌやネコなどにも捕えられたことから、1951年には30羽まで数を減らしてしまいました。人の飼育下で増やして野生に返す活動が始まり、現在は1,000羽近くにまで数を戻しましたが、自然の状態では十分に繁殖できていないと見られ、厳重な保護が必要とされています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

インドオオノガン かつてインド西部のタール砂漠や中部のデカン高原に広く分布し、パキスタンの一部でも見られた大型のノガンで、オスは体長120センチほどになります。開けた草原などに浅いくぼみを作って巣にします。しかし、密猟や生息環境の開発によって減少し、現在はインドの各地に、最大でも300羽ほどが、まばらに暮らしているのみ。保護区も作られましたが、ほとんどが放牧地や農場の一部にあるために管理が行き届かず、生息地の破壊は現在も続いています。すでに、姿が見られなくなっている保護区も多く、絶滅の危機が高まっています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

インドオオノガン かつてインド西部のタール砂漠や中部のデカン高原に広く分布し、パキスタンの一部でも見られた大型のノガンで、オスは体長120センチほどになります。開けた草原などに浅いくぼみを作って巣にします。しかし、密猟や生息環境の開発によって減少し、現在はインドの各地に、最大でも300羽ほどが、まばらに暮らしているのみ。保護区も作られましたが、ほとんどが放牧地や農場の一部にあるために管理が行き届かず、生息地の破壊は現在も続いています。すでに、姿が見られなくなっている保護区も多く、絶滅の危機が高まっています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

コビトカバ コビトカバはアフリカ西部のコートジボワール、ギニア、リベリア、シエラレオネにすむ大きめのブタぐらいのカバです。頭は小さくて丸く、目が飛び出ていないところも大きな特徴。落ち葉や果物、草やその根を食べる植物食で、単独生活を好みます。1993年に3,000頭ほどいると見積もられましたが、現在はさらに減少し、約2,000~2,499とされています。畑や宅地を作るための開発や森林伐採、肉や歯をとるための狩猟により、今も数が減っています。地域によっては内戦などの影響もあり、保護も難しい状況です。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅱ)
©Helmut Duller

コビトカバ コビトカバはアフリカ西部のコートジボワール、ギニア、リベリア、シエラレオネにすむ大きめのブタぐらいのカバです。頭は小さくて丸く、目が飛び出ていないところも大きな特徴。落ち葉や果物、草やその根を食べる植物食で、単独生活を好みます。1993年に3,000頭ほどいると見積もられましたが、現在はさらに減少し、約2,000~2,499とされています。畑や宅地を作るための開発や森林伐採、肉や歯をとるための狩猟により、今も数が減っています。地域によっては内戦などの影響もあり、保護も難しい状況です。 (ワシントン条約:附属書Ⅱ)

アカウアカリ アカウアカリは、南米ブラジル・アマゾン川の上流に生息するサルの仲間です。雨季には水没する浸水林と呼ばれる森の、高い樹に群れで生息し、声を出しながら木から木へとジャンプして移動します。赤い顔や頭には毛がなく、首から背に長い毛が生えている姿は、まるでマントを着ているかのよう。短い尾も特徴です。しかし最近は、森林伐採によってすむ場所が狭まった上、食用やペット用に狩られ、数が減少してきました。現在は保護区などが作られるなど、保護活動が進められています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Paul BARRUEL

アカウアカリ アカウアカリは、南米ブラジル・アマゾン川の上流に生息するサルの仲間です。雨季には水没する浸水林と呼ばれる森の、高い樹に群れで生息し、声を出しながら木から木へとジャンプして移動します。赤い顔や頭には毛がなく、首から背に長い毛が生えている姿は、まるでマントを着ているかのよう。短い尾も特徴です。しかし最近は、森林伐採によってすむ場所が狭まった上、食用やペット用に狩られ、数が減少してきました。現在は保護区などが作られるなど、保護活動が進められています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

剥製、ハンティングトロフィーなど

© Tashi Tshering / WWF Bhutan
アダックス 見事な角を持つアダックスは、アフリカのサハラ砂漠の北に分布する大型のアンテロープ(ウシ科)です。生息場所は、気温が昼間の52度から夜の0度まで変化し、雨もほとんど降らない砂漠や半砂漠地帯。この厳しい自然に守られて、長い間アダックスは生きてきました。しかし、砂漠でも走り回れる四輪駆動車と、高性能の銃が使われるようになると、アダックスはハンターの犠牲になり減少。さらに、放牧が広く行なわれるようになり、貴重な水や草地が家畜に奪われたことも、アダックスを減らす原因となりました。現在、野生のアダックスは、100頭以下が生き残っているのみといわれています。<br> (ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

アダックス 見事な角を持つアダックスは、アフリカのサハラ砂漠の北に分布する大型のアンテロープ(ウシ科)です。生息場所は、気温が昼間の52度から夜の0度まで変化し、雨もほとんど降らない砂漠や半砂漠地帯。この厳しい自然に守られて、長い間アダックスは生きてきました。しかし、砂漠でも走り回れる四輪駆動車と、高性能の銃が使われるようになると、アダックスはハンターの犠牲になり減少。さらに、放牧が広く行なわれるようになり、貴重な水や草地が家畜に奪われたことも、アダックスを減らす原因となりました。現在、野生のアダックスは、100頭以下が生き残っているのみといわれています。  (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ジャイアントイランド アフリカに生息する立派な角を持った大型の草食動物は、昔からハンティングの獲物として狙われ、撃たれてきました。西アフリカと中央アフリカのサバンナに生息するジャアントイランドも、その犠牲になってきた動物の一種です。オスの体長は3メートル近く、肩の高さが1.7メートルにもなり、ねじれた角は、1メートルを超えることがあります。文字通り「大物」の獲物としてハンターに狙われてきたジャイアントイランドは、最近では生息しているサバンナが失われていることもあり、絶滅の危機が高まっているとみられています。<br>(ワシントン条約:附属書記載なし)
©Helmut Duller

ジャイアントイランド アフリカに生息する立派な角を持った大型の草食動物は、昔からハンティングの獲物として狙われ、撃たれてきました。西アフリカと中央アフリカのサバンナに生息するジャアントイランドも、その犠牲になってきた動物の一種です。オスの体長は3メートル近く、肩の高さが1.7メートルにもなり、ねじれた角は、1メートルを超えることがあります。文字通り「大物」の獲物としてハンターに狙われてきたジャイアントイランドは、最近では生息しているサバンナが失われていることもあり、絶滅の危機が高まっているとみられています。 (ワシントン条約:附属書記載なし)

ジャイアントセーブル セーブルアンテロープは、アフリカ中南部の森林やサバンナで広く見られる、ウシ科の草食動物です。中でも、アンゴラの一部の地域にだけ分布する亜種のジャイアントセーブルは、後ろへ反った大きな角を持つことで知られています。もともと生息場所が限られ、数も少なかった上、見事な角を狙われ、ハンティングの犠牲になってきました。長い間絶滅が心配されてきましたが、長く内戦が続いたアンゴラでは、保護活動も十分に行なわれず、今も危機にさらされています。個体数は70~100頭ほどといわれています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

ジャイアントセーブル セーブルアンテロープは、アフリカ中南部の森林やサバンナで広く見られる、ウシ科の草食動物です。中でも、アンゴラの一部の地域にだけ分布する亜種のジャイアントセーブルは、後ろへ反った大きな角を持つことで知られています。もともと生息場所が限られ、数も少なかった上、見事な角を狙われ、ハンティングの犠牲になってきました。長い間絶滅が心配されてきましたが、長く内戦が続いたアンゴラでは、保護活動も十分に行なわれず、今も危機にさらされています。個体数は70~100頭ほどといわれています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

ターミンジカ インド北東部のアッサム州やミャンマーの湿地帯、またタイやカンボジアの乾燥して開けた草地に生息する、三日月型に大きくカーブした角が特徴のシカです。中国の海南島にも少数が生息します。メスは群れで暮らしますが、オスは普段は単独生活をしています。かつては中国南東部やインドシナ半島にかけて広く見られましたが、角を目当てにした狩猟や、農地開拓などの影響ですみかが失われたことで減少。保護区も設けられていますが、現在の分布域がいずれも紛争や内戦にさらされた地域であったこともあり、全体の個体数もよくわかっていません。保護活動と同時に、生息状況の調査が必要とされています。<br>(ワシントン条約:附属書Ⅰ)
©Helmut Duller

ターミンジカ インド北東部のアッサム州やミャンマーの湿地帯、またタイやカンボジアの乾燥して開けた草地に生息する、三日月型に大きくカーブした角が特徴のシカです。中国の海南島にも少数が生息します。メスは群れで暮らしますが、オスは普段は単独生活をしています。かつては中国南東部やインドシナ半島にかけて広く見られましたが、角を目当てにした狩猟や、農地開拓などの影響ですみかが失われたことで減少。保護区も設けられていますが、現在の分布域がいずれも紛争や内戦にさらされた地域であったこともあり、全体の個体数もよくわかっていません。保護活動と同時に、生息状況の調査が必要とされています。 (ワシントン条約:附属書Ⅰ)

「密猟」と「密輸」が及ぼす脅威

野生生物の捕獲や狩猟は、まだ保護のための法律が、世界中で十分に整備されていなかった20世紀の中頃までは、地域によっては無制限に行なわれていました。

現在は、多くの国で野生生物を守る法律が整備されたため、無制限な狩猟などはできなくなり、そうしたルールを守らない狩猟や採集は、違法行為として取り締まりがされています。

しかし、実際には、野山や海をパトロールして、密猟者や違法採集者を捕まえるのは大変なことであり、簡単にはできません。

さらに、昔と違って、今では生息環境の破壊や消失、といった深刻な問題が、野生生物を襲っています。
すみかを失って数を減らした野生生物に、さらに追い打ちをかける脅威が、現在の「密猟」や「密輸」なのです。

この密猟や密輸といった「野生生物犯罪」で、やり取りされているお金は、膨大なものです。世界中で起こっている違法取引、その規模は推定で年間約2兆円。

さらに近年は、こうした野生生物犯罪で得られたお金が、紛争で使われる武器の購入などに使われる例もあるといわれ、国際的な他の課題にも、深くかかわる大きな問題となっています。

© WWF-UK / James Morgan

どうやって「密猟」を防ぐか

遠い外国で行なわれる密猟を防ぐのは、日本ではできないと思われるかもしれません。
ですが、防ぐために貢献できることがあります。

それは、そうした生きものや、生きもので作られた製品を不必要に欲しがったり、気軽に売買しないようにすることです。

たとえば、かわいいというだけで、珍しい動物をペットとして飼いたいと求める人、美しいからと毛皮や牙を手にしたいと思う人がいれば、そこに商機を見て売ろうとする人が出てきます。
こうしたことが、過剰な捕獲や違法な取引を生む、一番の原因になるのです。

逆に、取引の管理を厳しくし「由来の不確かな動植物は売買してはいけない」というルールが徹底できれば、密猟に成功してもその生きものを売れる国に届けることができない、または売買ができないため、密猟は抑えられることになります。
また、「需要」を抑えて、取引自体を減らすことも重要です。

「ワシントン条約」の国際会議が開かれます!

そうした取り組みの手段の一つとして、各国が協力して取り組み、守っているルールがあります。
野生生物の取引を規制・禁止する国際条約「ワシントン条約(CITES)」です。

これは、正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」といい、過剰な取引を禁じたり、違法取引を取り締まることで、世界の野生の動植物を守るための国際的な取り決めです。

2019年8月17日からは、スイスでその第18回目となる締約国会議(CoP18)が開かれます。
日本で話題になっているカワウソや、国際的にも関心の高い象牙の問題なども話し合われる予定です。

WWFジャパンからもスタッフが参加し、議論のゆくえを追いながら、情報発信を行なう予定です。
皆さまにもぜひ、ご注目をいただければと思います。

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