©naturepl.com / Anup Shah / WWF

ニシゴリラのうんこ-「においの惑星」を堪能しよう


「におい」に着目した環境教育プログラムから生まれたサイト「においの惑星-くんくんPlanetに出かけよう」には、動物のうんこのにおいを言葉に表現した「うんことばホイール」が集まっています。
その中から、ニシゴリラに注目し、そのにおいや生態を紐といていきましょう。

「においの惑星」とは?

「においの惑星―くんくんPlanetに出かけよう」は、「におい」に着目した環境教育プログラム「においでめぐる動物園―くんくんPlanetに出かけよう―」を通じて集められた、動物たちのうんこのにおいを表現した言葉を集めた「うんことばホイール」を公開するサイトです。

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においの惑星 くんくんPlanetへ出かけよう!

たくさんある「うんことばホイール」の中から、今回は、ニシゴリラに注目します。

「においの惑星―くんくんPlanetに出かけよう」のサイトを開き、「うんことばホイール一覧」で動物を選択して、見たいホイールを選びます
©WWF Japan

「においの惑星―くんくんPlanetに出かけよう」のサイトを開き、「うんことばホイール一覧」で動物を選択して、見たいホイールを選びます

ニシゴリラのうんこはどんなにおい?

どんなにおいか予想してみよう

ニシゴリラのうんこは、どんなにおいだと思いますか?
類人猿だから、うんこも人間に近いのでしょうか。筋骨隆々なゴリラですから、うんこもがっちりした感じなのでしょうか。

うんことばホイールで、においを感じてみましょう。
ここには、動物園で開催したイベントに参加してくださったみなさんが、実際のニシゴリラのうんこのにおいを嗅いで、「どんなにおいだったか」を表現した言葉が並んでいます。

ニシゴリラのうんこのにおいを表現した言葉たち。全体像をサイトでぜひご覧ください。
©WWF Japan

ニシゴリラのうんこのにおいを表現した言葉たち。全体像をサイトでぜひご覧ください。

意外と多いのはこの言葉

まずはうんことばホイールの全体を眺めてみます。
上野動物園2019年のホイールでは、緑色がやや多いようです。この色は、味覚を示しています。緑色は「にがい」です。においから苦味を感じた人が多かったようです。京都市動物園2019年のものも、緑が多くなっています。白色のその他には、味覚の回答がなかった人などが多く含まれています。

次に、一つ一つの言葉を眺めてみます。
ニシゴリラは、上野動物園2019年も京都市動物園2019年も、他の動物のものと比べてもかなり多様な言葉が集まっています。

「犬のフンににてる」(味覚:あまい/分類:うんち)
「馬や牛ににている」(味覚:にがい/分類:動物)
「ぞうのうんちににおいが少しにている。」(味覚:にがい/分類:うんち)
※括弧書きは、言葉の分類です。ホイールで実際に言葉を探す際の目印にしてください

動物のうんこと比較した言葉を並べてみても、イヌ、馬や牛、ゾウ、キリン、パンダ…様々な動物名が登場しています。(上記の言葉はいずれも上野動物園2019年のものです)

そんな中、一番多く見られた言葉はこちら。

「草っぽい」(味覚:あまい/分類:植物)
「草がまざっているにおい」(味覚:にがい/分類:植物)

こちらも上野動物園2019年のものですが、京都市2019年にも同様に「草」という言葉が複数登場しています。ゴリラのうんこは草のにおい…見た目から考えると意外に思えるかもしれません。

ゴリラは草食

見た目とは裏腹に、ゴリラは草食です。動物園では、白菜、小松菜、ブロッコリー、セロリ、トマト、パプリカ…などなど、人間が食べるのと同じ野菜を与えています。他には、葉っぱの付いた木の枝や牧草を食べています。
人間の食生活からみると、あの筋肉を野菜や木の枝だけで維持していることに驚きます。

京都市動物園のニシゴリラがイベント当時に食べていたもの
©WWF Japan

京都市動物園のニシゴリラがイベント当時に食べていたもの

野生では、アフリカ中西部の熱帯雨林に暮らし、森に実る果実や木の葉などを食べています。体重の15~20%程度の重さの食料が必要だと推定されており、一般的なオスで計算すると1日30kg程にもなります。

この体を維持するにはたくさんの食料が必要です
©naturepl.com / Anup Shah / WWF

この体を維持するにはたくさんの食料が必要です

ちなみに、うんことばホイールの右上についている吹き出しは、実際のうんこの形です。ニシゴリラのうんこは、1個1個がおにぎりみたいに丸みを帯びた三角形をしています。飼育員さんによると、イラストのように植物の繊維で連なって串ダンゴの状態になっていることもあるそうです。

ニシゴリラのうんこは、おにぎりの串ダンゴみたいな形
©Hisako Inoue / WWF Japan

ニシゴリラのうんこは、おにぎりの串ダンゴみたいな形

表現する言葉は多種多様

「じゃりじゃりするかんじ」(味覚:にがい/分類:感想)@上野動物園2019年

においを質感で表現しています。においと「じゃりじゃり」は異なる感覚のはずですが、何か伝わってくるものがあります。

「最中でいうとまっちゃあん」(味覚:すっぱい/分類:食物)@上野動物園2019年

なぜか最中で言いたくなってしまう、人間の不思議さまで現れています。

「秋の田んぼの雨あがりのにおいがした」(味覚:その他/分類:場所)@京都市動物園2019年

大変美しくまとめてくれています。ゴリラのうんこから、美しい景色まで映し出せる人間の想像力の豊かさです。

最後に紹介したいのはこちら。
うんことばホイールでは2つの言葉に分けて書いていますが、この2つは同じカードに書かれていました。

「うしと たわむれているときに、かおを うしに なめられたときの匂い。」(味覚:あまい/分類:動物)
「せみのようちゅうの気持ち。」(味覚:あまい/分類:動物)

…この言葉には、一篇の詩を読んだ後のような気持ちになりました。


人間の感受性をこれほどまでに刺激するニシゴリラのうんこ。
その生み主であるニシゴリラと、これからも永く一緒に地球で暮らしていきたいと、改めて思いました。

野生に暮らすニシゴリラ。親子で仲良く食事中です
©naturepl.com / Eric Baccega / WWF

野生に暮らすニシゴリラ。親子で仲良く食事中です

(文:熊谷香菜子)

においの言葉でさぐる、野生動物のこと

動物たちのうんこには、彼らの生活がぎゅっと詰まっています。
そのにおいを言葉にして集めた、においの惑星、を訪ねてみませんか?

においの惑星 くんくんPlanetへ出かけよう!

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C&M室
松浦 麻子

普及啓発教育担当。

科学館から流れてきたコミュニケーター。未来を創る次世代を育てることを使命と思い、全国津々浦々で次世代たちと向き合っています。Communicationの語源は「共有する」、Educationの語源は「引き出す」という意味だったと聞きます。科学、アート、音楽など好奇心の赴くままに満たしてきた自身をまるっと共有、次世代たちの「社会を見る」力と「未来を創る」力を引き出すことを目指しています。

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