「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」の 省令発布を歓迎し、IUU漁業対策の更なる改善を求める共同声明


下記の賛同組織は、特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の改善の下で、日本国農林水産大臣が4月26日に発行した新たな省令を歓迎します。EU、米国、中国に次いで4番目に大きな水産物輸入市場である日本が、違法・無報告・無規制(IUU)漁業によって調達された水産物が国内市場に参入することを防止するための断固たる措置を講じたことは、世界の海洋生態系と水産業の持続可能性にさらに貢献することになります。私たちは、この法律の効果的な実施を通じた日本政府のリーダーシップを奨励します。

同時に、私たちは、水産物のサプライチェーンからIUU漁業を排除するための規制について、改善すべき点はまだ多くあると認識しています。近年、日本ではIUU漁業の摘発が功を奏していますが、IUU漁業を排除し、取引の透明性やトレーサビリティを向上させることは、環境の持続可能性および社会的責任を優先している国際市場へ日本企業がアクセスする機会を増やすなど、多くの利点があります。私たちは、世界の他の地域で成功したIUU漁業対策などを踏まえ、以下の4点について改善することを推奨します:

1. 日本に流通するすべての水産物に段階的に拡張できるような電子漁獲証明書と報告システムを確立すること
2. システム全体を通じてより高い透明性を確保し、EUおよび米国の既存の輸入管理制度と整合性のある主要データ要素(KDEs)を含む、GDST(Global Dialogue on Seafood Traceability)などの国際基準と一致するトレーサビリティ・システムを開発すること
3. 他の65ヶ国同様に、漁船、冷凍輸送船及び補給船に関する情報をFAOに提供すること
4. 日本で大量に消費され、かつ、IUU漁業のリスクがある、マグロ類、ウナギ類、その他の天然・養殖魚種など、日本の輸入規制の対象魚種を増やすこと

さらに、水産分野における人権侵害や労働問題に対する懸念が高まっていることを受け、以下についても推奨します。

5. 水産物を輸入する際は、製造・加工過程で人権侵害が発生していないことを保証するために追加的なチェックを実施すること

私たちは、持続可能な水産物をさらに調達、供給するためには、政府と業界との更なる協力が不可欠であると信じています。私たちは、「持続可能な海洋経済のためのハイレベルパネル」の成果に沿った、漁業分野における透明性の向上および、監視、管理、調査の強化に向けた前向きな第一歩として、この新たな政省令の導入を称賛します。


私たち、下記に署名した者は、世界のIUU漁業を排除し、効果的な管理と協力を促進し、持続可能性を推進するために、政府、企業、その他のステークホルダーと引き続き協働して参ります。

<署名組織> *アルファベット順
● Advocates for Public Interest Law
● IUU漁業対策フォーラム(Anti IUU Forum Japan)
● Aquaculture Stewardship Council
● Environmental Jurist Association
● EU IUU Fishing Coalition
● Environment & Animal Society of Taiwan
● FishWise
● Global Sustainable Seafood Initiative
● Global Tuna Alliance
● Good Fish
● Greenovation: Hub
● Korea Federation for Environmental Movements
● KUROSHIO Ocean Education Foundation
● Monterey Bay Aquarium
● Oceanus Honors Gaia, Taiwan
● Qingdao Marine Conservation Society
● Wild at Heart Legal Defense Association, Taiwan

消費者の視点で海の資源を考える「おさかなハンドブック」

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP